ミツエーリンクスは26日、「ウェブサイトに関するアンケート調査報告書 - 上場企業におけるウェブサイトの利用と運用・管理の実態 -」を公表した。

同調査は、2007年5月21日~6月9日の間、全国の上場企業3,905社を対象に、三菱UFJリサーチ&コンサルティングと共同で実施されたもの。

調査の結果、ウェブサイトの利用用途として、最も回答率が高かったのは「会社概要の掲載・告知」で99%、以下「IR(投資家向け情報開示)」(97.1%)、「製品・サービス情報の掲載・告知」(90%)、「人材募集」(85.5%)と続いた。

また、ウェブサイトに期待する効果として、「ブランド認知、商品・サービスの認知向上」(94.3%)、「株主、投資家とのコミュニケーション強化」(91.2%)、「採用希望者数の増加」(85%)と、企業業績への影響が比較的間接的な項目が上位を占めた。これに対し、実際の効果として「十分な効果が得られている」の回答で最も高い割合を示したのは、「ブランド認知、商品・サービスの認知向上」(50.1%)。以下、「株主、投資家とのコミュニケーション強化」(42.4%)、「採用希望者数の増加」(37.7%)の順となった。

反対に、「期待した効果は全く得られていない」の回答では、「取引先(販売店、ディーラー、流通)との流通効率向上」(7.9%)、「販売効果・売上に対する直接効果(ECでの売上)」(7.2%)などが挙げられた。

既に導入しているシステムやサービスについて、「アクセスログ解析ツール」と回答した企業が65.9%を占め、最も多かった。それ以下の回答では、「FLASHなど音声や映像を使ったリッチコンテンツ」(61.4%)、「サイト内検索ツール」(44.4%)、「SEO対策」(38.9%)、「メール配信システム」(36.5%)などが上位を占めた。

また、今後導入を検討しているシステムやサービスでは、「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)によるウェブサイト運用」が30.4%と最も多く、「RSSによる更新情報の配信」(28.8%)、「SNS(ソーシャルネットワークサービス)」(23.3%)が続いた。

ウェブサイトが抱える問題点・課題について、53.2%の企業が「業務に必要な人材が不足している、手が足りない」を挙げた。その他、「きちんとした効果測定が実施されていない、実施できない」(52.2%)、「ウェブサイト活用における明確な戦略がない」(49.5%)、「ウェブにかけられる予算が十分ではない」(45%)などの回答が続く結果となった。

ウェブサイト運営に関わる部署について、「情報システム部門」が63.5%で最多。さらに、主管部署として「広報部門」が最も多く、30.7%を占めた。

ウェブサイトの年間予算について、52.2%が「決まっている」と回答したのに対し、41.6%の企業は「決まっていない」と答えた。また、従業員数規模が大きくなるほど「年間予算が決まっている」と回答した企業数の比率が高くなる傾向にあり、従業員数1,000人以上の企業の66%が「決まっている」と答えたのに対して、従業員数300人未満の企業では、わずか43.4%にとどまっている。

ウェブサイトにかける年間予算の金額は、「100万円以上~500万円未満」(33.3%)が最多。また、予算の支出部門では、「情報システム部門」(18.3%)を抜き、「広報部門」(40%)がトップだった。

ウェブサイトの情報更新業務について、45%が「一部の更新業務をウェブ制作会社などの外部にアウトソーシングしている」、18.2%が「全ての更新業務をウェブ制作会社などの外部にアウトソーシングしている」と回答し、6割強の企業がアウトソーシングを活用していることがわかった。また、アウトソーシング実施済みの業務として、「ウェブサイトのリニューアル構築時の設計、制作業務」(77.8%)、「ウェブサイトの更新業務」(50.5%)、「企画、撮影、編集を含む映像コンテンツの制作」(34.7%)、「取材や編集を含む情報コンテンツの制作」(30.7%)が3割を超えた。

さらに、アウトソーシング業者に求めるものとして、「要望に対する企画・提案力」(77.9%)、「デザイン力」(71%)、「依頼事項への制作担当者の対応の速さ」(59.8%)、「制作物の品質(納品物の完成度)」(58.1%)など、基本的なスキルに対する要望が高かった。

一方、不満を感じる点では、「要望に対する企画・提案力」(48.4%)、「問題発見、解決を行うコンサルティング力」(42.9%)、「企画・提案の新鮮さ」(36.3%)、「市場環境や顧客理解のための調査、分析力」(33.6%)など、ウェブサイト構築の上流工程で求められるスキルに集中している傾向が示された。