Fujitsu Computer Products of America, Inc.は24日(現地時間)、米国の総合医療機関Carolinas HealthCare System (以下、CHS)において富士通の手のひら静脈認証装置「PalmSecure(パームセキュア)」が採用されたと発表した。巨大医療機関における患者のプライバシー保護ソリューションとして、今後、CHSのすべての患者登録/認証システムに「PalmSecure」が導入されることになる。

CHSは全米で3番目の規模を有する公共総合医療機関。ノースカロライナ州およびサウスカロライナ州であわせて20の病院を運営し、介護施設、外来手術センター、在宅医療サービス、放射線治療施設、理学療法施設なども運営する。医師数は150カ所に700人、従業員は2万9,000人にのぼり、4,500床を有する。

CHSが探していたソリューションは、登録/認証プロセスを迅速化することに加え、患者が使用上の抵抗感を感じず、診療記録とプライバシーを安全に保護できるもの。さまざまな選択肢を検討した結果、富士通の「PalmSecure」を採用したという。PalmSecureは、近赤外線を利用して患者の手のひら静脈パターンをとらえ、信頼性が高く正確な認証の実現が可能なことが決め手になったとしている。

導入決定後すぐにCHSの主要3病院へのPalmSecure試験導入が開始され、その試行期間中に今までのプロセスを大幅に改善されたことを受け、標準装置としてPermSecureを全病院で採用することが決定した。

CHSは、同社のソフト開発パートナーであるHT Systemsと共に、PalmSecureの静脈データと既存の電子カルテシステムを繋ぐ要となるソフトウェアインタフェースを開発。また、幼い子供の手にも適用できるハンドガイドを開発するなど、「すべての患者にとって使いやすい設計」を行ったという。デジタル化した手のひら静脈情報と、患者の診療記録を結びつける技術が結合することで、個人情報の盗難や保険詐欺から患者を守り、各患者にとって適切な治療がもたらされる仕組みだ。

CHSの全病院にPermSecure装置が設置完了するのは2007年末の予定という。