Webセキュリティアプライアンス「MINEsweeper Web Appliance」

MINEsweeper Web Appliance

クリアスウィフトは18日、次世代のWebセキュリティアプライアンス「MINEsweeper Web Appliance」を発表した。同製品は、企業に必要なWebセキュリティをオールインワンで提供するアプライアンス。同社が独自に要塞化したLinux OSを搭載した、デル製ハードウェアに、セキュリティ対策機能が一括装備されている。同製品では、企業におけるセキュリティポリシーを基本テンプレートとして提供。どの企業にも適用可能な汎用性の高いポリシーが設定され、カスタマイズも容易だ。

「MINEsweeperエンジン」と呼ばれる独自のコンテンツ分析エンジンにより、設定されたポリシーに基づき、テキストの内容をはじめ、HTTPヘッダや各種ファイル形式、コンテンツ形式を分析。社内におけるWebメールの使用を許可しつつも、個人情報や社外秘文書のやり取りを禁止したり、特定の部門以外の掲示板への書き込みを禁止するなど、企業内外を行き来するあらゆるトラフィックをフィルタリングし、ポリシーに違反するトラフィックを自動的に遮断。さらに、レポートの作成やアラートの表示も行う。

また、スパイウェアおよびウィルス対策として、それぞれ米Aluriaと露カスペルスキーの製品がOEM供与されている。さらにURLフィルタリング機能により、40カテゴリ、1,800万以上のWebサイトへのアクセスをブロックする。

同製品は、日本語に完全にローカライズされ、テンプレートによる設定を中心とした、日本企業に適した操作環境が用意され、容易な運用と管理が可能だ。さらに、同製品のフィルタリングエンジンには、同社が3日に発売した「MINEsweeper Email Appliance 2.6」と共通のコンソールが採用され、メール、Web共通ポリシーをユーザー/組織単位で作成でき、1つの画面でWebと電子メールの統合管理が行える。

ポリシー作成画面。インタフェースは完全に日本語化されている

クリアスウィフト セールスマネージャー 篠原豊氏

今回、製品の説明を行った製品の説明を行った、同社のセールスマネージャー 篠原豊氏は「日本の企業のセキュリティポリシーは、"性善説"を元に作られており、現実性に欠けている。なおかつ、アクセスの可否に関しては、利便性との兼ね合いで穴を開けざるを得ないのが現状だ。さらに、コンテンツの監視・制御に対してプライバシーの問題と考える企業が広く一般的に残っているのではないか」と日本企業のセキュリティ管理体制を分析し、セキュリティに対する、個人/組織への対策と、コンテンツ/情報単位での対策の必要性を強調した。

日本のセキュリティ意識は英米に比べ「低い」傾向に

同時に同社は、今回の製品の発表に合わせて行った「Web2.0コンテンツへのアクセスに関する調査」の結果を公表した。

調査によると、職場における従業員のWeb2.0コンテンツへのアクセス経験率は89.7%に達し、私的目的でアクセスした経験者の割合も87.0%と高い値を示した。さらに、私用目的でのアクセスが可能と考える従業員の割合は70.4%で、英国および米国の同社の現地法人が行った同様の調査結果である英国43%、米国50%に対してきわめて高かった。

一方、企業のセキュリティポリシーについて、「制定している」と答えた企業はわずか26.5%。73.5%が「制定されていない、存在を知らない」と答え、英国(83.6%が制定)、米国(76.5%が制定)に比べ、企業のセキュリティポリシーに対する意識の低さが際立った。

また、企業のモニタリング体制について、73.1%が「実施していない」と回答。このうち、「実施できるがしていない」と答えた企業が30.7%にのぼった。同調査を解説した同社マーケティング・コミュニケーション担当のメイソン・さや佳氏は「モニタリング体制に関しては、セキュリティポリシーで体制が整いながらも約3割の企業が実施していない危機的状況。企業は従業員に対してWeb2.0の利用上の理解を促すことが重要」と、日本企業のセキュリティ意識の低さを警告した。

英Clearswift プロダクト・マーケティング・デイレクター アンディ・モリス氏

また、今回の発表に合わせ英国本社から来日した、プロダクト・マーケティング・デイレクターのアンディ・モリス氏は「IM(インスタントメッセージング)のセキュリティ対策製品を年内にも販売開始する予定。また、管理機能における他社製品との統合や指紋認証技術の導入も順次発表していく」と、同社の製品戦略とロードマップについて語った。

同製品の発売は9月1日。ユーザライセンス数に応じたエントリモデルの3製品と、トラフィックが多い企業向けのエンタープライズモデルが用意される。エントリモデルの価格は200万円(最大250ユーザ)から。エンタープライズモデルは、8台までの統合管理に対応し、1台につき2,500-3,000ユーザをサポートする。