学校用緊急通報システムの開発や販売を行っているサンシャインは27日、緊急地震通報システム「EQガード」の開発と製品化に成功したと発表した。本製品は、今年10月から開始が予定されている気象庁の緊急地震速報を利用したもの。気象庁が震源近くで検出した初期微動(P波)の情報を基に、地震の揺れが来る前に音や光で警告し、"揺れる前の数秒"の有効活用を促す。家庭用と業務用があり、7月10日から予約販売を開始する。

地震発生時は、揺れる前の数秒が非常に大事とされ、10秒もあれば相当数の被害を減らすことができるという。気象庁は今年10月1日から、全国各地に設置した地震の観測点で地震の直後に発生するP波を検出し、地震による強い揺れ(S波)が始まるまでの数秒から数十秒前に、強い揺れが起きる地域を知らせる緊急地震速報サービスを開始する。

緊急地震速報システム「EQガード」の業務用(左)と家庭用(右)

サンシャインは、同庁の速報を電子情報技術産業協会(JEITA)のサーバを通じて自社のサーバで受け取り、何秒後にどの地域でどの程度の揺れが起こるかを計算、EQガードの端末に配信するシステム「EQガード」を開発した。情報を受け取った端末は地震の震度に応じて異なる光を発すると同時に、揺れまでの残り秒数をカウントダウンし、地震到達前の数秒の有効活用を促す。

「揺れが起こる前の数秒が肝心」と語るサンシャインの佐々木和男社長

本製品には業務用と家庭用がある。業務用は、地震速報を受けるとパソコンをシャットダウンするなどして自動的にデータを保護する機能のほか、携帯用のリモコンを押すだけで管理室のパソコンにリモコン通知の有無が一覧で表示される安否確認機能を備えている。また、家庭用にもボタンを押すだけで登録先にメールを送る通報ボタンがあり、日常でも、気分が悪くなったときなどに利用できるという。

「EQガード」の発表を行ったサンシャインの佐々木和男社長は「ほんの数秒の差で地震への対応策は異なってくる。ぜひEQガードを使って数秒を生かしてほしい」と話している。