スマホに対応したビジュアル情報で行うカスタマーサポート

来る6月23日(金)、新宿のJR新宿ミライナタワーにて、マイナビニュース主催のセミナー「モバイル×カスタマーサービス ~スマホ時代のCS課題解決フォーラム」が開催される。今回、その登壇者でもあるモバイルセレクト株式会社 営業本部 直販営業部 部長の赤津 敬一氏と事業戦略本部 部長の川野 真吾氏に、現状のカスタマーサービスの課題と解決策などを伺った。

製品やサービスに関する問い合わせ窓口として電話によるサポートを提供している企業は多い。自社内に部署を設けるだけでなく、コールセンターに外注しているケースも少なくないだろう。そうした企業にとっての大きな悩みが、電話サポートのクオリティとコストのバランスだ。そこでサポートへの満足度を向上させながら、コストを抑えることが可能なビジュアルIVR(自動音声応答)が注目されはじめている。

特に利用者の多い企業の場合、電話サポートへのコール数が多いため、利用者を待たせることなくスムーズにつなぐためにはそれだけコールセンターの人員を増やす必要があり、多大なコストが生ずることになる。逆にコストを抑えようと人員を最小限にすると、いつまで経ってもコールがつながらず顧客満足度が一気に下落してしまう。

こうした問題を解消するための施策としてビジュアルIVRがある。モバイルセレクト株式会社が提供するサービスは、スマートフォンから従来通りにコールセンターに"電話"をすると専用アプリが自動的に起動し、画面上にサポートメニューが表示される。利用者側はそれを見て製品の使い方を聞きたいのか、故障かどうか確認したいのかなどといった問い合わせをしたい内容を選んでいけばよい。

一般的なIVRシステムだとこの過程をすべて音声で行い、利用者側は自動音声を聞きつつ数字を入力してまた自動音声に戻って……と手順を繰り返していくが、ビジュアルIVRでは画面上に表示されるテキストやアイコンを見ながら必要な情報を利用者のペースでタッチで選んでいくだけ。川野氏は「音声IVRはシングルシーケンスで聞きながらひとつずつ順番に要件を選ぶが、ビジュアルIVRはマルチシーケンスでビジュアル的に選択していくため、シーケンスそのもののユーザー体験が大きく変わっている」と話す。

モバイルセレクト株式会社 事業戦略本部 部長 川野 真吾氏

たとえば、とあるカスタマーサポートに連絡して自動応答による音声でメニューを選んでいくと、最下層までたどり着くのに8分かかるケースもあると川野氏はいう。ところがビジュアルIVRであれば画面の一覧から選んでいくので、視覚的に明確かつスピーディな選択が可能になる。音声では案内しきれなかった細かな表現やアイコンも有効だ。

ビジュアルIVRのアドバンテージは、タッチで画面を進めていった結果、必要な情報がWebサイトにあればそのままそちらに誘導可能という点だ。スマートフォンでリンクをクリックさせればサイトの情報を確認してもらえるだけでなく、会員サイトから設定を行ってもらうといった誘導もできる。

取り急ぎ電話で確認したいというユーザーでも、ビジュアルIVRのメニュー上に具体的なFAQを表示したりサポートサイトへのリンクをわかりやすく表示したりすることで、すばやく必要な情報を得ることができる。

このようにシームレスな誘導が行えればコールセンターへの電話の数も削減できるうえに、ユーザーの問い合わせ内容に対しての解決にも結びつくため、顧客満足度も下がることはないだろう。

音声に加えてチャットでのサポートを提供する企業も増加

ビジュアルIVRには「電話をかけようとしているのに、画面にメニューを表示するのは違和感があり、むしろクレームにつながるのではないか?」という心配がつきものだと赤津氏。とはいえ現状でも多くの場合、まずは自動応答装置が対応しており、ビジュアルIVRもそれと同様のアプローチであり違和感はないと赤津氏は指摘する。

モバイルセレクト株式会社 営業本部 直販営業部 部長 赤津 敬一氏

カスタマーサポートでは音声に加えてチャットサポートを提供する企業も増えている。これもコールを減らす取り組みのひとつではあるが、ビジュアルIVRでは最初の画面でチャットへの誘導も可能。サポートに電話をしようとしていた利用者が、チャットへの案内があると分かればそちらを利用するという導線にもなるという。

従来の音声IVRは90年代に始まり、発信電話番号と顧客データベースを組み合わせたCTIが登場したり、通話録音が可能になったりと少なからず変化はあるものの、「ここ20~30年ほど技術革新が行われていない」と赤津氏。現在、日本の携帯電話市場においてスマートフォンが半数を超えており、そうしたユーザーに対して新たな仕組みが提供できるのがビジュアルIVRの強みだ。

6月23日に開催されるセミナー「モバイル×カスタマーサービス ~スマホ時代のCS課題解決フォーラム」では、こうしたビジュアルIVRの仕組みの説明や実際のデモが行われる。それに加え、おそらく日本初だというビジュアルIVRについてアンケートを採った調査結果も紹介される。サポートコストと満足度の向上に悩む方はぜひ参加していただきたい。

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