2017年春の花粉飛散予測は、例年比で北日本・東日本では少なめ、西日本では例年並み~多めとなっている(日本気象庁発表)。特に近畿・四国・九州地方では昨シーズンの2倍以上と予測されており、該当地域の花粉症患者は特に注意が必要だろう。

花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が原因で発症する季節性アレルギー性鼻炎を指す。今や日本人の2~3割は花粉症と推定され、その有病率は10年前の約1.5倍にも増加(日本気象庁発表)。そこで、マイナビニュース会員200名の花粉症患者を対象としたアンケートでも、過去5年以内に花粉症を発症した人は50%を超えており、近年における増加率の高さが示されている。

Q.いつごろから花粉で困っていますか?

「アレルギー性鼻炎」と、つらい症状の原因であるヒスタミン

ハウスダストやダニ、様々な化学物質など花粉以外の物質が原因となる鼻炎も多い。こちらは季節に関係なく症状が出るので、通年性アレルギー性鼻炎と呼ばれている。季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)と通年性アレルギー性鼻炎。これらを総称してアレルギー性鼻炎というが、その違いは原因物質(アレルゲン)にあり、鼻炎になる仕組みは共通している。そして、花粉症患者にとって何ともつらいのはその症状だ。アンケートでも症状について聞いてみた。

Q.花粉症で特につらい症状を教えてください

やはり鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、くしゃみ、などを訴える人が多かったが、これらの症状がなぜ起こるのか簡単に説明しよう。

花粉が体内に入ると、免疫機能が花粉を排除するための抗体(異物を除去するたんぱく質)を作る。アレルギー体質ではIgEという型の抗体が多く作られやすいのだが、IgE抗体が肥満細胞(免疫細胞)に結合した状態で花粉とくっつくと、アレルギー反応が起こる。どんな反応が起こるのかといえば、肥満細胞がヒスタミンなどの生理活性物質を放出する。これらの物質により粘膜に炎症が起きた結果、鼻水やくしゃみなどの症状が出るわけだ。

花粉症薬の主流は「抗ヒスタミン剤」

花粉症の症状をやわらげるために、皆さんはどんな対策をしているだろうか? 手っ取り早い方法として薬を飲む人は多いだろう。アンケートでも、40%以上の人が花粉症の薬を飲んでいた。

Q.花粉症の薬を飲んでいますか?

花粉症の薬も様々だが、よく使われるのは抗ヒスタミン剤だ。抗ヒスタミン剤は、炎症の原因となるヒスタミンを抑制して症状をやわらげる。一時的とはいえつらい症状から解放されるのだから、花粉症患者にとっては頼もしい薬だ。しかし、抗ヒスタミン剤の問題点として、眠気や口内の乾燥といった副作用があげられる。アンケートでも、花粉症薬の副作用について質問してみたが、約60%の人が副作用を経験している。

Q.薬を飲んで副作用を感じたことはありますか?

Q.花粉症の薬を飲んで、どのようなネガティブな効果がありましたか?

どんな副作用があったか聞いてみると、やはり「眠くなる」「喉が渇く」が圧倒的に多く、「ぼーっとする」「集中力がなくなる」と訴える人も多かった。ヒスタミンには脳を活性化する作用もあり、ヒスタミンが抑制されることで脳の活動も抑えられることが、眠気という副作用の原因だ。