2016年11月9日、東京・赤坂のANAインターコンチネンタル東京において、ウイングアーク1st主催による国内屈指の帳票&BIカンファレンス「ウイングアークフォーラム 2016」が開催された。今回のテーマは「未来をビジュアライゼーションする。」で、ビジネスを支える帳票&BI関連の最新情報や事例紹介に加え、東京会場ではIoTにフォーカスしたセッションや特別企画展「IoT Forest -IoTの森-」が実施された。そこで今回は、特別企画展の中から注目のブースを紹介しよう。

企業のIoT化は情報収集から具体的な取り組みへと移行

ウイングアーク1st 営業本部 IoTエバンジェリスト 大畠 幸男氏

ブース取材に先立ち話を伺った、ウイングアーク1st 営業本部 IoTエバンジェリストの大畠 幸男氏は、参加者のIoTというテーマへの興味が高まり続けていると説明。

「最近は各種セミナーやイベントなどでIoT関連の話題が盛り上がりを見せており、私も会場で皆さまの強い熱意と関心を体感しています。こうしたニーズの高まりを受けて、弊社でも今夏からIoTを軸としたセミナーを開催するなど、積極的な取り組みを展開してきました」

また参加者の様子にも違いが出てきているという、今夏まではIoT全般に関する情報収集が主体であったのに対して、最近は来年度からの具体的な取り組みを視野に入れた見方へと変わってきているそうだ。

要介護者へストレスを与えず効率的な介護を実現する支援システム

クラウド型のIoTプラットフォームを開発・運用しているZ-Worksでは、介護支援システム「Live Connect Care App」を展示していた。同システムは、要介護者が生活する室内に各種センサーを取り付け、離床行動や完全離床、トイレの長時間使用、心拍数・脈拍数・呼吸数の大幅な変動などを検知。センサーからの情報はソラコムが提供するモノ向け通信サービス「SORACOM Air」経由でクラウド上に集められ、異常発生時には介護スタッフのスマートフォンへ通知するというもの。

Z-Works 代表取締役 共同経営者 小川誠氏

Z-Works 代表取締役 共同経営者の小川 誠氏は「要介護者の異変が迅速に介護スタッフへと伝わるため、事態が深刻化する前に対応できるほか、限られた介護スタッフのリソースを効率的に活用することにもつながります」とそのメリットを語る。

また、ベッドへ設置する心拍数・脈拍数・呼吸数検知用のセンサーについては非接触タイプを採用。これまでの介護現場で一般的だった接触タイプのセンサーと比べて、要介護者がストレスを感じることなく自然に生活できるのもポイントとなっている。さらに、人感・温度・湿度・明るさなどを検知するマルチセンサー、ドアの開閉を検知するドアセンサー、錠のロック・アンロックを検出する施錠センサーといった、多彩な種類のセンサーを組み合わせられるのも特徴といえる。少子高齢化と労働力人口の減少が叫ばれる今後の日本において、介護とIoTの組み合わせはより需要が増していくだろう。

依頼者のもとへ迅速に営業車両を手配できる運行管理システム

エムログ 取締役 清 雅人氏

エムログが手掛けているのは、車両の運行状況をリアルタイムに管理・共有できるシステムだ。同システムは、2008年10月以降生産の乗用車と小型トラックに搭載されている自己診断機能「OBD2」のカプラーに、3G通信機能とGセンサー内蔵の車載ユニットを接続することで、速度、エンジン回転数、燃費、加速度、位置情報などを秒間1回のタイミングでサーバーへ送信し、リアルタイムな運行管理が行えるというもの。車載ユニットはエンジンのオン・オフと連動しており、車両盗難時にはサーバーへ盗難発生のアラートを表示することもできる。

今回のブース展示では、この運行管理システムとウイングアーク1st、そして葬儀社のアーバンフューネスコーポレーションが連携したソリューションを公開していた。こちらは葬儀や遺体搬送の依頼があった顧客に対して、対応可能な営業車両の表示、一番近い距離にいる営業車両への指示、適切なルート案内などがリアルタイムに行えるというもの。

さらにエムログ 取締役の清 雅人氏は「OBD2の情報を基に、急発進、急停車、急旋回などの履歴を参照できるので、安全運転のための注意指導にも役立ちます」とサービスの特長を述べた。なお、この葬儀業界向けソリューションは現在実証実験中で、2017年にも正式リリースを予定しているという。

あらゆる機械設備の稼働状況を簡単かつスピーディーに可視化

製造業向けシステムの開発・パッケージ販売・コンサルティングなどを手掛けるシムトップスでは、既存のあらゆる機械設備から簡単に詳細な稼動状況が収集・監視・集計・分析できる「MC-Web CONTROLLER」を展示していた。このソリューションは機械設備の稼働信号配線にクランプ方式の電流センサーを取り付けるだけで、直流回路、交流回路のオン・オフを検知。設備の停止や配線工事、プログラミングなどが一切不要で、迅速かつ手軽に既存の機械設備をIoT化することができるというものだ。

シムトップス DIRECTOR&MPPC 営業チーム シニアマネージャー 上戸 成昭氏

シムトップス DIRECTOR&MPPC 営業チーム シニアマネージャーの上戸 成昭氏は、これまで製造業が抱えていたIoT化の課題として「製造業のIoT化においては、ネットワークにつながっていない古い機械設備のデータ取得がネックといえます。これまでこうした古い機械設備からデータを取得するには、どうしても一時的に設備を停止させ、配線工事を行う必要がありました。また信号配線の長さや制御ボックス内のスペースなど、機械設備によって信号の取り出しが難しいケースも出てきます」と説明。

しかし、MC-Web CONTROLLERならクランプを取り付けるだけで、メーカーや形式を問わず稼働状況の取得が可能。データはクラウドもしくはオンプレミスのサーバー上に集められ、専用ソフトウェア「MCW-Gateway」でリアルタイムにモニタリングすることができる。また機械設備別の稼働判定ロジックをノンプログラミングで設定したり、各種ログデータの出力することも可能。稼働状況の詳細を常に把握できる。

「IoT Forest -IoTの森-」では先進的な事例を求める参加者で各ブースともにぎわっていた

今回は特別企画展の中から3つのブースを紹介したが、いずれも高度なセンシング技術とクラウドを含むソフトウェア技術が融合し、リアルタイムかつ高度な情報の取得・管理・分析などを実現していた。こうしたIoTソリューションは、異なる得意分野を持つ各業界の企業同士が、パートナーシップを組むことで生み出されるもの。ウイングアーク1stはその中でもデータ収集および可視化を司る企業として、今後もさまざまな業界のIoT化を支え続ける存在になるだろう。

(マイナビニュース広告企画:ウイングアーク1st)

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