ネットギアジャパンは10ギガビット・イーサネットに対応したSMB向け「ReadyNAS」シリーズの新製品として、2Uラック型NAS「ReadyNAS 4312X」など3製品、デスクトップ型NAS「ReadyNAS 626X」など18機種をリリースした。

今回マイナビニュースでは、これら新製発表のタイミングで来日していた米NETGEAR デスクトップ・ストレージ部門 ゼネラルマネージャー&バイスプレジデント リチャード・ヨンカー(Richard Jonker)氏にネットワーク/ストレージのSMB市場動向、そして新製品「ReadyNAS」の魅力について聞いてきた。

米NETGEAR デスクトップ・ストレージ部門 ゼネラルマネージャー&バイスプレジデント リチャード・ヨンカー氏

2016年度の世界のSMB市場はどのような状況にあるか?

オランダでアップルのリテールビジネスを担当後、2007年に米ネットギアに入社した

リチャード・ヨンカー氏は、NETGEARにおいてアジア方面のセールスマネージャー、ストレージ製品のプロダクトマネージャーを歴任。現在、スイッチ製品やワイヤレス製品を含めた全製品のプロダクトマネジメントを統括する立場にある人物だ。

同氏は、SMBの現状について、「市場構造が変化しつつあり、現在は移行の真っ只中」と語る。その大きな要因は2つ。1つはモバイル機器、もう一つはクラウドによるデータ量の増大だと分析している。ネットワークトラフィックはより一層混雑を増し、中小企業はこの状況への対応を求められている最中だという。

クライアントがギガビット化し、同時に無線LANもギガビット化が進む中、中小企業では10ギガビット・イーサネット化をいつ行うかという判断が迫られている。ネットギアが10ギガビットスイッチや10ギガビットNASのロープライス化を進めているのは、こういった中小企業の悩みに応えるためだ。

ネットワークを10ギガビット化することによって、NASで処理できるデータ量は当然増える。だが、トラフィックに影響を与えることなくNASを稼働させるためには、CPUの処理能力向上が不可欠だという。従来のギガビットNASでは、CPUにIntelのAtomやCerelonなどが使用されてきたが、ヨンカー氏は「10ギガビットNASに流れ込むデータ量はこれらのCPUでは対処しきれず、ネットワークのボトルネックとなってしまう」と指摘する。

このボトルネックを解消すべくネットギアは、Intelと共同で新型NASの開発に着手。より処理能力の高いXeonを採用したNASやスイッチをリリースする運びとなった。

ニーズに合わせた製品開発で日本のSMB市場で高シェア獲得

続いて、ネットギアが日本のSMB市場で高いシェアを獲得している理由について伺った。 ヨンカー氏はまず、ネットギアが継続してネットワークビジネスを展開していることを挙げ、「20年間にわたりネットワーク製品の開発を続けてきたことが、ユーザーの信頼の獲得につながっているのではないか」と語る。

また2つ目の理由として、米ネットギアの創立者で、代表取締役会長兼CEOであるパトリック・ロー(Patrick Lo)氏の存在を挙げた。同氏はネットギアを立ち上げる以前に日本ヒューレット・パッカードで働いていたという経歴を持ち、日本語も堪能だという。その経験から、日本のSMB市場のニーズに造詣が深いのだそうだ。

ヨンカー氏によると日本のSMB市場には、次の特色があるという。まず技術に対する知識があり、高い信頼性を求めること。一方で中小企業ゆえにそれほど高いコストはかけられないこと。そして、専任のIT担当者が存在しない場合が多いため、使いやすさが重視されること。この3点を理解して開発を進めてきたことが、ネットギアが日本のSMB市場で受け入られる要因だろうと述べる。

実際、ネットギアはWebブラウザ上からすべての管理が行えるスマートスイッチをいち早く投入したのはネットギアだ。こういった日本のSMB市場のニーズに合わせた製品が、ネットギアユーザーの裾野を広げたといえるだろう。

スピードと信頼性を向上させたReadyNAS新製品

ネットギアが提供するReadyNASシリーズは、「データのバックアップ」「ファイル共有」「仮想環境」の3つの使い方を想定しているとヨンカー氏は語る。そのうえで、「これら3つの用途が必要とするのは、スピード」と述べる。10ギガビット化を推し進めているのは、このスピードを実現するために他ならない。

処理能力の高いCPUを搭載したのも、10ギガビット化されたネットワークから流れ込むデータに対応するためのものだ。今回リリースした新製品、特にラックマウント型の「ReadyNAS 4312X」と「ReadyNAS 4312S」はSkylakeベースのXeon、デスクトップ型の「ReadyNAS 626X」はBroadwellベースのXeonを搭載することで、従来に比べ8倍の速度を実現しているという。

ラックマウント型の「ReadyNAS 4312X」(左)とデスクトップ型の「ReadyNAS 626X」デスクトップ型の「ReadyNAS 626X」

同時に信頼性も注力している。「我々は、NASのデータを守ることを重要視してきました」とヨンカー氏は強調。「ReadyNASは、学術機関や医療機関でも使用できる高い信頼性を備えています」とアピールする。

ReadyNASシリーズでは、ECC対応DDR4メモリを内蔵すると同時に、アクセス頻度の低いファイルのビット反転を検知して自動修復を行う「ビットロット・プロテクション」を搭載。さらに、ファイルシステムに耐障害性と修復機能を備え、管理の容易な「Btrfs(バターエフエス/B-tree file system)」を採用することで、信頼性の向上を実現している。

もちろん、ディスクの差し替え時に自動でボリュームを拡張してくれる、使い勝手の良い「X-RAID」などは引き続き採用されているため、すでにReadyNASシリーズをお使いの方も安心して乗り換えられるだろう。

また、間もなく公開される新ファームウェアでは、新たな機能として「ReadyDR」が無償で追加される予定だ。従来からReadyNASシリーズは「ReadyNAS Replicate」というディザスタリカバリ用のアプリケーションを備えており、ファイルレベルで1台へのレプリケートを行うことができた。これに対して「ReadyDR」はブロックレベルで、複数台のレプリケートが行える機能だ。

このほかReadyNASシリーズでは、簡便な操作と管理を実現するため、すでにUSBドライブから管理画面を経由せずにデータのバックアップを取ったり、Webカメラを接続しただけで監視カメラシステムを利用できたりといった機能も搭載している。

これらの多彩な機能は、ユーザーが「NASの操作や管理を意識することなく、業務に集中できるようにするためのもの」とヨンカー氏は説明する。

ネットギアにとって日本のお客様のニーズは非常に重要

最後に日本市場への展望をお聞きしたところ、ヨンカー氏は「日本のお客様は、他国と比べても技術への理解力が非常に高いと認識しています。そんな日本の中小企業のニーズを理解することは、ネットギアにとって非常に重要なことです」と前置き。そのうえで、「新しい技術を積極的に取り入れつつ、今後も日本のSMB市場に注力していきたいと思います」と抱負を述べた。

(マイナビニュース広告企画:提供 ネットギアジャパン)

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