この時期、社会人としてなんとなく気になり始めるのが「お中元」。 とりわけ20代の方たちにとっては、子どもの頃、両親や祖父母にお中元が届いていた記憶はあっても、自分でお中元を贈ることにリアリティを感じられない人も多いのではないでしょうか。
20代の二人にひとりが「お中元を贈った方がよい」と思っていることが判明
マイナビニュースでは、20代150人を対象にお中元に関するアンケートを実施。 まず「お中元を贈ったことはありますか?」の問いに対し、大半の人が「いいえ」と回答。
しかし、その一方で、お中元を贈ったことがない人を対象に「お中元を贈った方がいいと思いますか?」と聞いてみたところ、半数以上が「はい」と答えており、みなさん少なからず「このままじゃいけない!」と危機感を抱いている様子。
実際にお中元を贈った経験のある人と贈ったほうが良いと思っている人を合わせると、実に約6割の人が「お中元は贈った方がいい」と考えているという結果になりました。
贈るか贈らないかの次に気になるのが、「贈った人は誰に贈っているのか?」という点。アンケートでは、「親戚」(36%)、「家族(両親)」(28%)、「上司」(28%)、「先輩」(16%)と続いた。
さらに、一番頭を悩ませるのが、「どのぐらいの価格のものを贈ればいいか」。 贈ったことのある人の52%が「3,000円から4,999円」、次に「5,000円から7,999円」(20%)、「8,000円から10,000円」(12%)と続きました。
この結果を見たビジネスマナー講師の吉元孝子先生は「『本当にお世話になっているからちょっと値のはるものを贈りたい』という気持ちの表われかもしれませんが」という前置きをした上で「それでも5,000円から8,000円、8,000円から10,000円の商品を贈っている方がいらっしゃるのは少し意外でしたね。一般的な相場は、3,000円から4,999円です」とコメント。
また、お中元を贈っていないと回答した人に、その理由を聞いてみると
「実家暮らしで贈る感覚がない」 「あまり知識がない」 「贈る相手が分からない」 「どの程度のものを買えばいいか分からない」
などなど、金銭的な心配よりも、“そもそものお中元のマナーが分からない!“といった、お中元を贈りたいと思っているものの、その仕方が分からないために今までやってこなかったという意見が多く挙がりました。
というわけで、ここからはお中元にまつわるハウツーを吉元先生にうかがいましょう。
お中元とは日頃の感謝を伝えるもの
そもそも、お中元とお歳暮、贈る時期が夏と年末という違いは何となく分かっていても、その意義を混同しがちな人も多いのでは?
「その年の元旦から中元と呼ばれる7月15日までの感謝を伝えるのがお中元。身近な方への感謝を伝えるものであり、誰それに贈らなくてはいけないという決まりは特にありません。日頃お世話になっている両親や親戚、会社の上司、取引先に対し、夏の暑い時期、くれぐれもお体を壊さぬようお気をつけくださいという気持ちを込めて贈りましょう。一方のお歳暮は“1年を通して感謝を伝えるもの”とされ、年末に贈るのが決まりです。お中元とお歳暮、必ずしも両方贈る必要はありません」
これだけは知っておきたい贈ってはいけない商品
お中元といえば、ビールやゼリーなどが人気商品とされていますが、吉元さんが考える、お中元選びの“差がつくポイント”とは?
「例えば相手が毎年たくさんお中元をいただいているような方の場合、冷蔵保存が必要な商品だと、他の方のお中元もあって冷蔵庫がいっぱいになってしまいます。そういう方にはできるだけ常温保存可能なものを贈るなど、ちょっとした心遣いをしてあげるのが良いかもしれません」
逆にお中元として贈っていけないものは「結婚式でNGとされるもの」を想定するのが分かりやすいそうです。
「“苦”や“死”を連想させる櫛はだめですね。
他に“縁が切れる”とされる刃物や、日本語で“手ぎれ”という意味のハンカチも贈ってはいけません。お花はNGではないですが、中には花言葉を気にされる方もいるので事前に調べておいた方が安心。生鮮食品を贈る際は、事前に先方にお伝えする配慮も必要です。相手が喪中の場合でも、お中元は“感謝の気持ちを伝えるもの”なので贈っても問題はありませんが、通常のお中元につける紅白の水引は避けてください」
送るだけではなくもらった際のマナーとは
そして、お中元をいただいた場合、気になるのがお礼のマナーです。
「お返しする場合は、いただいたものと同金額のレベルのものが好ましいですね。お礼のお手紙は、一般的なお手紙のマナーと一緒ですが、そこに付け加えたいのが、品物に合わせた感想。例えば果物をいただいたのであれば『家族で楽しくいただきました』、洗濯用洗剤なら『これから毎日使わせていただきます』といったひと言があると、相手も喜ばれると思います」
お中元を始めるタイミングは"思い立ったその時"
日頃の感謝と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「両親」という方も多いと思いますが、「今までまったく贈っていなかったのに、いまさら渡すのも恥ずかしい」という人もいるのではないでしょうか。
お中元を始めるタイミングに遅いということはありません。ただ何かしら送る理由が欲しいというシャイな方に、吉本さんが知恵を授けてくれました。
「ベストなタイミングは結婚ですが、その予定がない人は、例えば『お給料が上がったから』『ボーナスが出たから』『社会人5年目になったから』というような理由で送ってみるのはどうでしょうか?きっと親御さんも皆さんのご活躍を喜ばれると思いますよ」
最後にお中元ビギナーのみなさんへ、吉元先生からメッセージをいただきました。
「お中元を格式ばったものとしてとらえるのではなく“感謝の気持ちを形にするもの”と柔らかい気持ちで、カジュアルにとらえていただければと思います。そうはいっても社会人なので、守らなきゃいけないマナーは当然ありますが、一般的に失礼でなければ大丈夫。勇気を出して、いつもは言えない“ありがとう”を伝えてみてください」
目の前の業務をテキパキとこなすだけが仕事ではありません。人間関係を円滑に進める上での“礼儀”も社会人としては大事な要素。ぜひ大人のたしなみとして、日頃お世話になっている両親や会社の方にお中元を「夏ギフト」という形で、送ってみてはいかがでしょうか。
■アンケート 調査時期: 2016年5月13日~2016年5月20日 調査対象: 20代マイナビニュース会員 調査数: 150人 調査方法: インターネットログイン式アンケート
吉本孝子先生プロフィール
・秘書検定1級 ・米国CCE,INC.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー ・DiSC認定インストラクター ・米国NLP協会認定・NLPプラクティショナー ・国家資格・2級キャリア・コンサルティング技能士
2005年より研修講師、キャリアカウンセラーとして活動。 現在、株式会社エル・ブレイン パートナーコンサルタント。
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