昨年一年間の訪日観光客はおよそ2,000万人に達し、旅行消費額は約3.5兆円を超えたと見られている。これを後押ししたのが昨年の流行語にもなった「爆買い」だ。円安・量販の安さに加え消費税免税を利点に観光客を引き入れようと、大都市圏を中心に量販店・ドラッグストアが次々と免税店になった。

しかし、今後は大型店舗やチェーン店だけでなく、地方都市の商店街や個人商店も免税販売に対応していく必要があるという。また、実際の免税店運営ではどんなことが必要になるのか。

こうした背景において、小売店の免税店申請をサポートする、しながわ税経事務所の税理士・野川悟志氏と、免税店運営のトータルソリューションを3月(予定)よりリリースするカシオ情報機器 TKC・新ソリューション推進部 部長 小谷武司氏にお話を伺った。

しながわ税経事務所 税理士 野川悟志氏

カシオ情報機器 TKC・新ソリューション推進部 部長 小谷武司氏

「爆買い」ブームにも変化の兆し

2020年に向けて訪日観光客数は今後も増加が見込まれている。しかし野川氏は、旅行の内容は今後、徐々に変わっていくと指摘する。

「爆買いに象徴される買い物ツアーという側面は遠からず収束していくと思われます。日本を訪れる目的は、独自の歴史文化や自然の体験にシフトしていくでしょう」(野川氏)

地元の観光資源を活かして旅行客誘致に力を入れる地域も増えており、今後は地方都市を訪れる外国人旅行者の増加が予想される。そうなった時、土地の特産品や土産物を売る店舗にとって旅行客に選ばれるポイントとなるのが、免税店であるかどうか、である。

全国の免税店は2015年10月の時点で約3万件にのぼるが、大都市圏が中心であり地方都市では、まだ伸びていない。しかし、今年度の税制改正で免税のハードルがさらに下がれば(※)、特産品・工芸品などを扱う地方の土産物店なども免税販売がしやすくなる。今後さらに免税対応への動きが本格化し、観光客からもそれが求められることになっていくと言えるだろう。

※現在、免税対象は同一の店舗における1日の販売額の合計が一般品(家電、雑貨など)は1万円超、消耗品(食品、酒、化粧品など)は5,000円超。2016年5月1日(予定)より、これが一律5,000円以上となる見込み

では、実際に免税店になるにはどんな準備が必要なのだろうか。

税務署への免税店申請に必要な書類
■輸出物品販売場許可申請書
■添付書類
地図
販売場見取図
販売手続マニュアル
免税販売人員リスト
会社案内・HP
販売場外観写真
販売場店舗内写真
販売場賃貸借契約書写し
取扱商品一覧
取扱商品写真
購入記録票のサンプル

「免税店制度では、まず免税販売の許可を税務署に申請しなくてはなりません。申請者は店舗所在地の税務署ではなく、事業者の納税地の所轄税務署に提出することに注意が必要です。また、添付書類として、販売手続きマニュアルや購入記録票のサンプルなど、いろいろな書類が必要です。許可を得たら観光庁に免税シンボルマークの使用申請をし、ステッカーや看板で周知できるようになります」(野川氏)

難しい書類ではなくても、商店主にとって店舗を運営しながらの手続きは大きな負担だ。また、スタッフ教育や旅行客へのPRといった運営開始後の取り組みも課題となる。カシオ情報機器ではこのほど、そうした店舗をワンストップでサポートする「カシオ免税トータルソリューション」の提供を3月(予定)より開始する。

免税店を始めたい、でもどうすれば?

カシオ情報機器では、もともと小売店向けのAndroid搭載高機能レジを開発・販売していたが、今回免税店需要を受けてパスポートリーダーや免税書類発行機能を追加して販売する。

「レジを用意する前に、まず免税店になるには『どうしたらいいか分からない』というご意見を多くお聞きしました。そこで、自社製品に加え様々なサービスとアライアンスを組み、免税店向けの一括したソリューションを構築することで、よりお客様のニーズに沿った提案ができると考えました」(小谷氏)

免税販売のための事前準備から、店舗作り、スタッフ教育など、免税店として運営を始めるためのサービスをワンストップで提供

『免税販売をしたくても始め方が分からない』、『手続きする余裕がない』など、個人商店が抱える課題に答えていきたいと小谷氏は語る。

高機能レジで免税書類発行までをスムーズに

同ソリューションで提供される免税対応レジスターは、Android搭載・タッチスクリーン式の高機能タイプ。パスポートリーダーが付属しており、商品の会計から免税手続きに必要な書類の発行までをこれ一台で素早く行うことができる。

免税対応レジスター

「免税書類にはパスポートから取得した名前・国籍などの情報と、購入物品の明細が必要です。通常は指定の書式用紙に手書きするか、レシートのコピーを貼り付ける作業が必要になりますが、レジで一括してできることで、大幅な省力化が可能です」(小谷氏)

少人数で運営する店舗なら特に、会計・書類作成に時間がかかると全てが滞ってしまう。従業員全員がスムーズに、間違いなく書類作成できる仕組みが必須だ。

免税対応レジスターでは会計から免税書類発行までを素早く行える

さらに、免税手続き専用窓口を地域の商店街が合同で設置する「一括カウンター式」にも対応。軽減税率導入に伴うレジの買い換え補助金の対象にもなっており、町ぐるみで観光誘致を進めたい自治体・商工会などでも導入しやすいことが利点だ。

免税店申請の準備から舗作りのためのツールまで、ワンストップで全て用意してもらえるのは、小規模な店舗にとって心強いサポートとなる。 言葉が通じない場所へ旅行し、気に入ったモノを身振り手振りで買った経験が思い出に残っている人も多いだろう。魅力ある商品はそれだけで強力なコミュニケーションツールとなり得るのだ。それを伝えるためにも、店舗が旅行者を歓迎し積極的に受け入れる姿勢を示すことが重要だ。免税店制度は、観光を産業とする地域にとって欠かせないものになっていると言える。

「外客対応・対策EXPO」にも出展

ここまで紹介してきた免税対応レジスターなどの「カシオ免税トータルソリューション」については、2016年2月16日から19日まで東京ビッグサイトにて開催される「外客対応・対策EXPO」[カシオ情報機器]ブース出展でも展示予定である。 免税対応に興味のある方はぜひこちらにも足を運んでみてほしい。

税理士 野川悟志氏

【略歴】
国税庁勤務などを経て、税理士登録
経営革新等支援機関、東京商工会議所会員、
日本税務会計学会国際部門委員
【業務内容】
会社税務会計を中心に、税務調査対策、補助金申請支援、融資支援なども行う。2015年に行った補助金申請(小規模事業者持続化補助金)では、5件申請してすべて採択された。 最近では、インバウンドビジネスに対応した免税店許可申請代行や各地でセミナー講師を務めている。
【執筆】
「免税店のはじめ方」(税務経理協会)、「印紙税の実務Q&A」(共著、大蔵財務協会)「税務申請届出手続きのすべて」(共著、清文社)、「リサとサキ先生の税務問答」(全国法人会総連合)連載中、「建設業の経理」(清文社)連載中、「明治安田生命保険相互会社 メルマガ・MYねっと」連載中、「週刊税のしるべ」(大蔵財務協会)連載中など。

「カシオ免税トータルソリューション」についてのお問い合わせ先はこちら
カシオ情報機器株式会社
http://www.casio-info-sys.jp/
TKC・新ソリューション推進部
03-6386-8223

(マイナビニュース広告企画:提供 カシオ情報機器)

[PR]提供:カシオ情報機器