世界初のモバイルソーシャルゲームを開発し、数千万人が利用するサービスへと成長させてきたグリー株式会社。2004年の創業からわずか11年で従業員数が1000名を超える大企業へと飛躍的な成長を遂げた。現在は「インターネットを通じて、世界をより良くする。」というミッションのもと、コマース・ライフスタイル事業、コミュニティ・メディア事業、広告事業、投資事業を展開し、総合的なインターネット企業として活躍している。

開発プロジェクトや従業員の急増に応じて数百台規模のPC購入を繰り返してきた同社は、導入後の「ライフサイクルマネジメント」や「コスト管理」には手がつかず、多くの課題を抱えていた。

今回は、グリー株式会社 開発本部 情報システム部長の岡田 寛史氏に同社がPC調達で抱えていた課題とその解決に至るまでの道のりを伺った。

急成長を遂げた故にPC調達で発生した課題

グリー株式会社 開発本部 情報システム部長 岡田 寛史氏

グリーのPC調達は、四半期ごとに必要数を予測し、大量ロットで購入し価格を下げ、3年のスパンで買い替えを行っていた。しかしPC調達のトータルコストが増加していたことに加え、四半期ごとの損益計算書(P/L)に与えるインパクトが大きくなっていった。 また、管理会計上の問題にも同社は悩まされていた。 各部門の予算を割り振る場合、取得価格を次回買い替えまでの36ヶ月で割るといったような考え方もできるが、納得のいく予算設定が困難だった。PCの購買において、実際の財務会計に与えるインパクトと、管理会計上どのように考えるかでは、どうしても繋がりにくかったのだ。

さらに、PCライフサイクルを回す上でオペレーションの負担が大きかったことも課題となっていた。購入した新規PCは社内でキッティング後に従業員へ配布し、古くなったモデルから回収・売却を行っていたが、それら作業にかなりの工数がかかっていた。台数が多ければ保管にも場所を取られる。しかも同社では、増加していく従業員の人数に合わせて買い足していたため、新旧のPCが入り混じり、個別管理の負担も大きくなっていた。

こうした背景から「PC調達フレームワークを変えていく」というテーマで、2015年初頭からレンタル調達方式(レンタルPC)への移行プロジェクトをスタートさせた。

レンタルPCで変わる調達フレームワーク

グリーはレンタルに切り替えた背景についてこう語る。 「レンタルPCに切り替われば四半期ごとのP/Lに与えるインパクトが抑えられますし、調達や廃棄にかかる工数が削減できます。また、月々の費用が明確になることにより、まさに財管一致での運用が可能です。企業全体としてはもちろん、部門ごとの収益性が正確に把握できるのも大きいですね」

レンタルPC化検討においては、3つのポイントを軸として各社サービスの比較検討を行った。

1つ目は、グリーが有する既存の購買調達チャネルを活用できる、という点だ。同社では従前からPC購買において、ある程度の調達価格競争力を持ってPC販売会社と良い取引関係を築いていた。そこでレンタルへの移行後も、PC調達商流を維持できることが望ましく、取り扱えるPCブランドについて中立であることを重視していたという。

2つ目は、レンタル費用の単純比較だ。同社が設定している3年のPCライフサイクルに対して、レンタル終了時の残存価格を高く設定できれば、将来の売却収益が見込めるため、その分月々のレンタル価格は下がる。そこで、レンタル会社が行っている、中古PCの再生・売却事業の強さも評価ポイントに含まれたそうだ。

3つ目は、レンタルでPCのライフサイクルを回すために各社が提供しているツールの利便性だ。管理するPCは膨大な数になるため、発注管理・契約管理・解約管理が簡便に行えるのはもちろん、管理番号などの独自データを保持できることも求められた。

こうした比較検討の条件をすべて満たすものとして選ばれたのが、NECキャピタルソリューションが提供するレンタルサービス(Nレンタル)である。

「弊社が抱える課題について、高いレベルで要件を満たす提案をいただきました。既存チャネルの関係性を維持しつつ、安価なレンタル価格を設定していただけたのも嬉しいですね。ファイナンスリースではなくオペレーティングリースとして税務上の基準を満たし、オフバランス※が実現した商品設計も魅力的でした」とグリーは語る。

※オフバランス…バランスシート(B/S)に資産や負債を計上しないこと
(お客様の経理処理につきましては、お客様の経理部門や税理士、会計士とご相談ください。)

PCの契約・運用管理に理想的なツール「PIT Asset Manager」

「PIT Asset Manager」は、NECキャピタルソリューションが提供するレンタル契約の発注から契約・資産管理などをすべてWebで行うことができるサービスだ。

「画面のどこにどんな機能があるのかがわかりやすく、直感的に使いやすい。メニューが集約され、やりたいことをすぐに行えるのが魅力です」と、グリーはPIT Asset Managerの使い勝手について語る。

「発注はまるでECサイトのように、カタログから簡単に発注ができるので助かります。『ポチる』感覚です。カタログは、こちらが選定するブランド・機種・スペックのPCを事前に登録してもらうことができます」(グリー情報システム部)

PIT Asset Managerの画面サンプル。必要な機能を集約したシンプルなメニュー構成となっている。

PCを発注する際の社内稟議では、PIT Asset Managerのワークフロー機能が利用でき、事前に決裁者を設定しておけば、書面でなくWeb画面上で申請・承認を行うことが可能だ。そのため手続きが簡便になり、スピードアップも期待できる。

さらに、最新の契約情報がすぐに確認できる。各PC1台単位での設置場所や利用者が画面上ですぐにわかるので、社内各部門への費用配賦や資産管理がぐっと簡単に、楽になる。

「管理番号など独自項目も付加できますし、CSVでのエクスポート機能を備えているので集計にも便利です」(グリー情報システム部)

グリーでは2015年7月からPC調達のレンタル化をスタートしており、現在保有する約2,000台のPCのうち、200台ほどをレンタルに切り替えている。今後、すべてのPCをレンタルへ入れ替える予定だという。

同社は今後、これまで自社で行ってきたPCのキッティング作業など、PCレンタルにかかる周辺オペレーションのアウトソーシングを実現したいと考えている。 NECキャピタルソリューションはPCのキッティングから中古PCの買取・販売までを行うグループ会社を擁しており、ワンストップで同社のオペレーション工数を改善するような施策が期待できる。

このように、急速な成長を遂げたグリーでは、レンタル化によってPC調達に関する数多くの課題を解決した。そして今回実現したレンタルPCの調達基盤は、今後の事業拡大の大きな推進力となることだろう。

ライフサイクルマネージメントサービス

NECキャピタルソリューションは、今回ご紹介した「PIT Asset Manager」のほか、ICT(情報通信機器)資産のライフサイクルマネジメントをサポートする様々なサービスを提供している。

  • 詳細
  • 導入事例
  • お問い合わせ

[PR]提供:NECキャピタルソリューション