日本を訪れる外国人観光客の数は、2013年に1,038万人と初めて1,000万人を越え、2014年には1,341万人に。旅行消費額は2兆278億円に上り、内訳では「買物代」が7,146億円(35.2%)とトップを占めている(出展:国土交通省 観光庁 観光白書 2015年度版)。市場が変質するほどの大きな変化の中、日々の来店客への対応に苦慮している店舗も多いのではないだろうか。団体客が続いたために特定の品の在庫がなくなったり、免税書類作成のためレジに行列ができるなど、商機を逃すだけでなくトラブルにも発展しかねない事態が起きているのが現状だ。

エスキュービズム・テクノロジー SaaS事業部 クライアントサポート部 部長 大工峻平氏

同社 ソリューション事業部 開発部 岩井源太氏

国は、2020年の目標とされた訪日観光客数2000万人が前倒しで達成される見通しを示しており(出展:国土交通省 観光庁 観光白書 2015年度版)、インバウンド市場はさらなる拡大が見込まれる。こうした中、ECサイト構築ツール「EC-Orange」などを提供するエスキュービズム・テクノロジーは、国内外向けのECサイトと店頭のタブレット型POSを一括管理・運用できる「EC-Orange インバウンドオムニチャネルパッケージ」の提供を開始した。インバウンドとオムニチャネルを繋げることで、店舗や来店者にどんな利点があるのだろうか。同社でタブレットアプリケーションの導入支援を担当する SaaS事業部 クライアントサポート部 部長 大工峻平氏、同じく大規模プロジェクトのマネジメントを担当する ソリューション事業部 開発部 岩井源太氏にお話をうかがった。

同社が提供するECサイト構築パッケージ「EC-Orange」。モール型、オムニチャネル、グローバル対応など様々な業態に対応する

旅行前後も商機にするソリューション

EC-Orange インバウンドオムニチャネルパッケージは、ECサイト構築運用のEC-Orangeとその海外向けサイト対応サービス、そしてECサイトに連動する免税手続き対応タブレットPOSを総合的に運用するソリューションだ。2006年より、ECサイト構築ツールを起点に様々な形でECをサポートするシステムの開発・提供を行ってきた同社。その中で、ECだけでなく実店舗も運営する企業からの要望に応え、ECサイトと連動する店舗用のタブレットPOSを開発した。

今年6月には、インバウンド需要対応へのニーズに応えタブレットPOSの免税対応機能を強化。これに国外向けを含めたECサイト構築ツールを組み合わせ、オムニチャネルで運用する企業向けに一括導入しやすい形にしたものが、今回のパッケージだ。

事前にECサイトで注文し、訪日した際に店頭受取・免税決済。継続的な越境EC利用へつなげることも可能だ

岩井氏は「ECと実店舗をつなげるオムニチャネルが最近のキーワードになっていますが、その中でも越境ECや観光客対応の存在感が増しています。このパッケージでは、ECの外国語対応とPOSの免税対応が同じ基盤に乗っているのが特徴です。海外の方が訪日前に自国のECサイトで購入し、日本国内の店頭で受け取って免税で決済するということが可能です」と語る。

これには店舗側にも来店客側にも利点がある。店舗にとっては事前に注文があることで特定の品の需要予測ができ、仕入れに反映させれば在庫切れによる機会損失を防げる。店頭受取の予約状況から来店を予測し、スタッフの人数やレジの配置数といった準備に役立てることも可能。また、ウェルカムメールや来店案内のリマインドを送るなど、マーケティングツールとの連携でノーショウ(no-show =予約したが来店しない客)削減の効果も見込める。

大工氏は「お客様から見ると、自国にいても日本に来ても同じアカウントでECサイトと店頭受取が利用できる形になります。POS連動で決済までがスムーズに行え、お客様をお待たせしない対応をサポートします」と語る。

ツアーなどの団体行動の場合は、各エリアでの滞在時間は限られている。旅行前に欲しい品をあらかじめ注文しておき店頭で受け取るだけなら、効率よく買物ができ、時間制限で予約先を回りきれないという事態を減らせる。帰国後に気に入った商品を再度購入したければ、今度は同じアカウントでECサイトから海外配送で購入することも可能だ。

また、EC-Orangeはノーショウをさらに削減する決済方法についても、新たな仕組みを準備中だという。これまでの経験と実績が、リアルな人の動きや現場の実情に対応した仕組みづくりとさらなる改善に活かされている。

単体導入でも成果を上げるタブレットPOS

観光庁は、訪日観光客2,000万人を達成した年の旅行消費額を総額4兆円と見込んでいる。2014年はおよそ2兆円のうち約35%を買物代が占めた。(出典:訪日外国人消費動向調査 2014年)当面は旅行者の大部分が東京を始めとする大都市を中心に訪れると考えられるが、果たしてそのクオンティティに対応できるハード的・ソフト的な準備は整っているだろうか。

EC-Orange インバウンドオムニチャネルパッケージに含まれるタブレット型POSシステム「EC-Orange POS」は、この課題への対応力強化をサポートする、タブレット(iPad)を使ったPOSシステムだ。電源・通信ケーブルなどが不要で設置場所を選ばず、コスト面も有利なことから、小売店、飲食店など4,500件を超える導入実績(導入見込みを含む)を持つ。EC・実店舗両面から顧客の購買動向を把握できることで、多面的なマーケティング施策や効果測定にも役立てることが可能だ。

「EC-Orange」でECサイトを運用しながら実店舗も持つ企業から、ECサイトの商品情報・顧客情報を店舗でも活用したいという要望が寄せられ、これに応えて開発されただけあって、現場の実用に即した機能性と店舗ごとの特性に合わせられる柔軟性を兼ね備える。既存のシステムとの連携・共存・上乗せなど、様々な形で導入されており、ECを持たない企業が店舗のみで運用するケースも多い。

タブレット型POSシステム「EC-Orange POS」が免税手続き機能を拡充

「今年6月にはインバウンド需要へのニーズに応え、免税手続き機能を拡充しました。専用バーコードリーダーでパスポート情報を読み取り、タブレットPOS単体で免税手続きに必要なすべての書類作成と出力が可能になりました。導入店舗様からは、手書きで作っていた免税手続き書類を会計と同時に出力できるので、手間が大幅に削減されたという声を頂いています」(大工氏)

ECの商品テーブルを店頭のコミュニケーションに活用する『プロモーションモード』

さらに岩井氏は「画像や特徴・使い方などの付加情報を入力し接客に役立てられる『プロモーションモード』は多言語対応なので、外国人のお客様とのコミュニケーションにも活用できます。ECサイトで詳細な商品説明が書かれていれば、それを店頭のタブレットで使うことができるのです。免税対象にならない飲食店でも、ハンディ端末で同様の機能が外国語メニューやアレルギー情報の提供などに活用されています」と補足する。

2014年10月の免税対象品目拡大を受け、その後の半年で全国の免税店は約1万9000店に倍増(観光庁 免税店(輸出物品販売場)店舗数(2015年4月1日))した。免税店の許可を受けるだけではインバウンド市場のアドバンテージにならないフェーズに入ったと言える。こうした市場に向けるソリューションについて岩井氏は、モノを作って売るだけでは価値を提供できないと語る。

岩井氏「機能があるのは当然で、むしろその周辺をどう見ているかが重要です。ニーズに対して機能を開発するなら、背景にある理由、商習慣や文化的なものも意識しています。その上で業務上の課題を解決し、これから出てくるマーケットをお客様に獲得していっていただきたいと思います」(岩井氏)

システムがビジネスの成果を左右する現在。成長が急激な市場であればなおさらだ。さらなるインバウンド市場の拡大にエスキュービズム・テクノロジーは目を光らせ続けている。

(マイナビニュース広告企画:提供 エスキュービズム・テクノロジー)

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