市場や経営環境の変化に迅速に対応し、多様化するお客様のニーズにいち早く応えるためには、データの活用が不可欠だ。しかし、会社組織が複雑化していたり、扱うデータ量が膨大だったりすると、「何から取り組むべきか」「どのデータを活用して、課題解決をすべきか」に悩むことがある。

7月29日に開催されるデータ活用セミナー『経営層から現場まで「全社データ活用」の成功の秘訣 ~見える化からアナリティクスまで~』に登壇するアサヒグループホールディングスは、こうした課題に対して積極的に取り組んでいる企業だ。同社お客様生活文化研究所情報調査解析室で室長を務める光延祐介氏は、「90年代以降、ビール業界を取り巻く環境は大きく変化しました。それに伴い、われわれの業務におけるデータ活用も変化しています」と説明する。

アサヒグループホールディングス
お客様生活文化研究所
情報調査解析室 室長 光延祐介氏

アサヒビールの主力商品といえば、「スーパードライ」が有名だ。光延氏によると、1990年代前半までは「スーパードライ」が売上げのほとんどを占めていたという。「当時は、商品アイテムはスーパードライのみ。小売の酒屋(販売チャネル)は限定されていましたし、商品カテゴリは(スーパードライの)『瓶/缶/樽』の3つだけ把握していればよかったので、データ分析は簡単でした。極端に言えば、スーパードライの出荷数字を全部門で把握していれば、ビジネスが成り立っていたのです」と語る。

しかし、1998年に閣議決定された酒類販売業免許(酒類小売業免許)の規制緩和により、大型スーパーやコンビニエンスストアでも酒類が販売できるようになったことで、販売チャネルが多様化する。また2001年の酒税法の改正で、発泡酒などの新たなジャンルのお酒が登場した。さらに、同年、ニッカウヰスキーなどを買収したことで、取り扱うアイテム数が一気に増加したのである。

酒類が違えば利益率も異なる。そのため、営業方針やマーケティング施策、さらに経営管理の手法なども、個々の商品に応じて戦略を立案しなければならなくなるのだ。同社は既存のデータ活用のあり方を根本から見直す必要に迫られたのである。

「これまでは営業、製造、人事、経理、総務などの機能別に編成された『機能別組織』で情報を共有していました。しかし、今後は、組織の壁を越えて商品軸でデータを共有していくなどの必要もでてくると思います。例えば、需要予測をする際にも、販売データやプロモーションデータや市場の消費者の動向を、スピード感を持って生産部門にフィードバックしていき、在庫の最適化を図るなどが考えられます」(光延氏)

SNSの書き込みも積極的に活用

現在、アサヒグループホールディングスでは、売上げ実績などの日常的に確認するデータと、課題解決の施策に活かす分析データを区別し、それぞれを適切に活用できるような取組を行っている。

お客様生活文化研究所情報調査解析室でマネージャーを務める上籔寛士氏は、「データを共有する部門が増えると、口頭で伝えたり、数字だけを提示したりしても理解してもらえないことがあります。かといって、エクセルなどで一つ一つのデータをグラフ化していては、時間も手間もかかります。全部門で共有する可能性があるデータは、バブルチャートなどのビジュアライゼーションを使いたいですね。例えば、エリアごとの売上げ実績と購買層の相関データなどを経営層や関連部門などがスピーディかつ直感的に把握できるようになれば、迅速な意志決定が可能になります」と語る。

同社お客様生活文化研究所
情報調査解析室
マネージャー上籔寛士氏

一方、新製品の購買要因分析などは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の書き込みをテキストマイニングしたり、販売データを活用・分析したりしている。

「新商品の場合、継続的に市場に受け入れられるのかどうかの予測分析が難しい。今、われわれは、発売当日にSNSに投稿されたポジティブ/ネガティブなど書き込みを見るようにしています。ネガティブな書き込みも見ることで、今後の売れ行きはもちろん、『なぜ買わなかったのか』の要因を探ることができるからです」(上籔氏)

同時に、聞き取りによるアンケート(インタビュー)や、自社の商品サイトへのアクセス解析(流出/流入)、競合製品との比較など、今までは実施していなかった施策を積極的に行った。継続購入や見込み客に対するアプローチなど、「手元にあるデータを活用して次の施策につなげられるようにするため」(光延氏)だ。

今後のデータ活用については、GPSなどの位置情報を利用して潜在的な顧客層を把握し、飲食店 などへの提案に活用できないかなどの検討も開始している。7月29日に開催されるセミナーでは本稿で紹介したデータ活用について、さらにその詳細が語られる予定だ。ぜひ、足を運んで頂きたい。

開催概要

マイナビニュース主催「データ活用セミナー」
『経営層から現場まで「全社データ活用」の成功の秘訣 ~見える化からアナリティクスまで~』
開催日時:2015年7月29日(水) 13:30(開場 13:00)~16:20
会場:〒163-1526 東京都新宿区西新宿1-6-1-19F(入り口5番扉)
新宿エルタワー19階 マイナビルーム ルーム1
参加費:無料(事前登録制)
定員:80名
申し込み締切日:2015年7月28日(火)18:00まで
セミナーの詳細はこちら から・お申し込みはこちら から

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