高島屋が社内便改革に着手

創業180周年を迎えた老舗百貨店である高島屋では、長い歴史の中で社内便の改革を行うのは初の事だったという。ヤマトホールディングス傘下のヤマトシステム開発(株)では、宅急便で利用されている荷物問合せシステムのノウハウを活かし社内便の運用や管理が出来る「社内便トレースサービス」を提供している。これにより業務の共有化と一元管理を図り、社内便の追跡や誤配・遅配の防止が可能となる。このシステムを、高島屋は採用した。

きっかけは、今まで様々な書類を運搬していた社内便の管理を各拠点で行っており、統一されたルールがなかったため、一歩間違えると重要な情報の損失につながる危険性を再認識したことだった。
「従来は内容物のチェックやトレース機能を持っておらず、重要書類の取り扱いに関する統一のルールはありませんでした。」と語るのは、高島屋 総務部 リスクマネジメント担当次長 花房仁史氏だ。

社内便は、店舗間等の物流であり、既存のルート便に商品と相乗りさせるなどで書類を運搬している部分がありました。その為、物流費は発生せず輸送できる反面、書類の管理体制は整っていませんでした。中には、書留など高コストな物流手段を利用しているケースもあり、課題は感じていたが解決策が見出せませんでした。

左:ヤマトシステム開発 セキュアトレースカンパニー プロダクトグループ システム運用 上原祥世氏
中:高島屋 総務部 リスクマネジメント担当次長 花房仁史氏
右:ヤマトシステム開発 セキュアトレースカンパニー セールスグループ ソリューションセールス アシスタントマネージャー 阿部修平氏

宅急便荷物問い合わせシステムのノウハウを活用した「社内便トレースサービス」を採用

トレースシステムの導入構想がスタートしたのは、2011年末のことだった。
「重要なものだけはトレースしたいと考えた時、お客様向けの配送を委託している宅急便の様なトレースシステムが理想だと考えました。自社システムとしての構築では将来的な拡張に対応しきれませんし、今後のことを考えるとクラウド型のサービスを使うべきだと判断しました」と花房氏は語る。

百貨店という特性上、現場で働く社員を多く抱える高島屋では、利用者の負荷を最大限軽減させることも命題であった。「社内便トレースサービス」を導入すると、通過履歴を取得する際にバーコードリーダーで送り状を読み取り、専用クレードル※1に乗せるだけの簡単な運用となった。
また、クラウド上で部署・社員マスタ管理を行っているため簡単に送り状が作成でき、メール室の仕分け業務が効率化され誤配の低減にもつながった。

しかし、社員マスタのような個人情報をクラウド上で管理するため、セキュリティについては入念な確認を行った。ヤマトシステム開発 セキュアトレースカンパニー アシスタントマネージャ 阿部修平氏は、「『社内便トレースサービス』は、大手生損保を始めとする多くの金融機関に導入実績があります。また、年間15億個の宅急便・21億冊のメール便※2の個人情報をITで支えるノウハウが当社にはあります。そのようなセキュリティが確保されたサービスであることを評価頂きました。」と語る。
また費用面において花房氏は「クラウド型のサービスであれば、システム開発等の多額の投資を必要とせず、利用費用は完全変動費制であり非常に安価であったことから導入が決定しました」と語った。

※1 携帯情報機器を直接USB等の規格コネクター類に接続せず充電やデータ転送をする接続台
※2 2012年度(2012年4月1日~2013年3月31日)実績

簡易書留換算では、年間約1,000万円のコスト減

2013年7月時点で、重要書類向けに「社内便トレースサービス」を活用しているのは1カ月あたり約2,000通だ。「仮にこれらを従来通り簡易書留で発送したならば、月間約80万円のコストが発生します。社内便トレースサービスの場合、月間約3万円となり、大きなコスト削減ができました」と語る花房氏は、それ以上に大きな導入効果として「安心感」を挙げた。

5年以上利用し続けられるリターナブル封筒

鍵のかかる電子ロッカーをメール室に導入するなどで、環境の安全を確保

「各種申込書や伝票など、お客様の個人情報などを含む重要書類が今どこにあるのかが分かるという安心感は大きいですね。また発着時には自動的に発送者と受領者にメールが届きますから、従来のように「送った」、「受け取った」という連絡をメールや電話で行う必要もなくなりました。」と花房氏は語った。
今後は社内での利用を徹底させるとともに、グループ会社への拡大展開も検討しているという。

担当者より
高島屋様に社内便トレースサービスを導入していただくに当たり難しい課題もございました。導入後に、花房様より「導入前から現在に至るまで十分なサポートもあり、非常に満足しています」とお声を頂戴でき嬉しく思います。
現在、羽田に建設する大型物流拠点である「羽田クロノゲート」を活用した、メール室業務のアウトソーシングの追加提案をさせて頂いております。今後もサービスの向上を念頭に、様々なご提案をさせていただきたいと思います。
また、「重要書類をトレースしたい」という要望があれば業界・業種問わず是非お声がけ下さい。お客様の業務プロセス効率化にむけてお手伝いさせていただきます。
Before After
社内便の運搬状況が不透明であり、所在を確認するのが困難な状況であった。 社内便がトレース出来ることにより、リアルタイムで配送状況を正確に把握出来る様になった
社内便における重要書類の送付に関して、統一のルールがなかったため受渡しが不明確であった 発着時に自動的に発送者と受領者に授受確認メールが送付され、受渡が明確になり授受確認作業も効率化された

社内便トレースサービス

ヤマトシステム開発株式会社

年間約15億個の宅急便や約21億冊のクロネコメール便に代表されるヤマトグループ。その宅急便などの運用システムを設計・開発し、30年以上にわたって安定運用・維持管理しているのがヤマトシステム開発です。

そのテクノロジーは物流・決済・情報等、幅広い分野にわたり、ヤマトグループのみならず一般お客様にも広くご利用頂いております。

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