ポイントの利用方法に着目

前回はポイントの貯め方について説明したが、どれほどポイントを貯めても、ポイントを使わなければ、トクしたことにはならない。

「PiTaPa」みたいにシンプルに割り引くシステム、あるいはチャージの際に自動的に上積みする方式ならわかりやすいが、独立した口座を用意してポイントを付与するシステムの場合、それをどういう形で "放出" するかが思案のしどころだ。大別すると、以下のようになるだろう。

カードのチャージ額に上積み

Suicaポイントクラブが典型例。どのタイミングで発動するかが問題になるほか、ポイントの期限切れに注意する必要がある。

クレジットカードのポイントとして蓄積・利用する

オートチャージを利用すると適用できる方法。

他の提携ポイントに交換

別のポイントサービスと提携して交換できると、ポイントを集約できるメリットが得られる。ただし、交換比率には注意が必要だ。

Suicaポイントクラブのメリットと利用時の注意点

Suicaポイントクラブ

筆者は、記名式My SuicaでSuicaポイントクラブを利用している。もともと、Suicaポイントクラブを利用できるSuicaは、「モバイルSuica」「Suica付きビューカード」「Suica対応クレジットカード」の3種類に限られていたが、2010年3月から「記名式My Suica」「Suica定期券」「Suica付き学生証/社員証」「ゆうちょICキャッシュカードSuica」にも対応した。

これは推測だが、誰でも自由に購入・利用が可能なものは対象から外して、利用者の身元を明確したうえでカードと紐付けられるものを対象にしているのだろう。なお、会員登録時はSuicaの個体番号を登録する必要があるので、登録していないSuicaをいくら使ってもポイントは付かない。

そして、ポイントが付くのはSuicaポイントクラブ対応店舗で電子マネー機能を利用した場合に限られる。店舗によってレートが異なり、例えば、JR系のコンビニエンスストアでは200円で1ポイント、駅の飲料自販機では100円で1ポイントなので、同じ120円の缶コーヒーでも「コンビニエンスストアで買うとポイントなし、自販機で買うと1ポイント」なんて妙なことも起きる。

また、相互利用の対象になっているカード、例えば、PASMOや他のJR各社のICカード対応エリアで利用した分にはポイントが付かない。結果として、ポイントが付く店舗に足が向くことになり、「囲い込まれているなあ」と苦笑するのだが、それはそれとして置いておこう。

現実問題として、100円で1ポイント、あるいは200円で1ポイントというレートではよほど頻繁かつ多額の利用がなければ、ポイントが溜まっていくことはなさそうだ。

ただし、1度に動く金額が大きい場合は話が別。筆者の行動範囲においてはガーラ湯沢がある。ここは100円ごとに1ポイントだが、食事だけでなくレンタルやスキースクールの支払まで(!)Suicaを利用できる。数千円単位の支払いになると、コンビニや自販機とは桁違いのペースでポイントが貯まりそうだ。

また、「えきねっと」を利用している場合、「えきねっと」のポイントをSuicaポイントに転換できる。実は、筆者の場合、Suica電子マネーの利用よりも、ここで稼ぎ出したポイントのほうがずっと多い。

ポイントや割引以外のメリットにも目を向けよ

何も、ポイント制度や割引制度だけがICカード乗車券のメリットではない。運賃表を調べて切符を購入する手間、小銭を用意する手間、切符を買うために行列する手間を省けるだけでもメリットは大きい。そうなると、同じカードで利用できる範囲が広いほうがありがたい。

その点でずば抜けているのは、やはりSuicaということになる。筆者自身、最近どこかに旅行する前はSuicaのチャージを多めに行っておくのが通例だ。それで、名古屋圏でも近畿圏でも札幌圏でも仙台圏でも電車に乗れるし、さらに電子マネー機能も利用できる。いちいち小銭を出し入れしなくても済むのは、想像以上に便利だ。

ICカード乗車券の相互利用は、案外と複雑な関係になっているが、Wikipediaに図が載っているので参考になるだろう。

日本国内IC乗車カード 相互利用相関図(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:ICCard_Connection.png)