今回も前回に続き、セルフブランディングの方法を説明します。前回は、以下の具体的なセルフブランディングの方法のうち、「1」と「2」について説明しました。今回は「3」から紹介します。
1.個人ブログでコラムを定期更新する、または会社のWebでコラムを定期連載する(メルマガでも可)
2.上記1を自身のSNSで拡散させる
3.メディアに飛び込みで寄稿する
4.採用記事を自身のSNSで拡散させる
5.好評価を受けると実際に掲載されるので、経験を積み名前を売る
「メディアに出たい!」と思っても、「コネがないなぁ」とあきらめてしまう人は多いと思います。しかし、私も最初は持ち込みでした。コネがなくても何とかなります。会社の指示ではなく、自分が出たかったこともあり、お問い合わせフォームから普通に執筆企画書を送付していました。結構な数を送った気がします。あきらめないことが大事です。もちろん、メディアにコネがある人は、その人に送ってレビューをもらうといいでしょう(コネがあったほうが絶対に良いです。IT系のメディアの方々は、勉強会やイベントに意外にも顔を出していることがあります)。
執筆企画が採用される条件として、重要なのは以下の5つだと思います。
1.上記の個人ブログの内容が良い(詳しくは前回をご覧ください)
2.その人が書く大儀がある(執筆歴のないPHPプログラマーがAIの執筆企画書を送付しても通りません。普通にPHPの執筆企画書を送付してください)
3.しっかりした企画書として執筆企画書が書かれている(執筆企画書はいたって短い普通の企画書です)
4.執筆歴となる個人ブログの内容を、最近取り上げているメディアに執筆企画書を出す(プログラミング言語のメディアに、Linuxのネタを送ってもなかなか採用されませんよね)
5.数回送ったくらいであきらめない。返事が来なかったら何がいけなかったのかを分析し、改良して再挑戦する
採用されるかどうかは、結構タイミングに左右されます。編集者は「その時にほしい記事」を書いてくれる執筆者を探しています。そのため、3カ月前に不採用だった場合でも、今なら採用されるということも少なくありません。
採用される日は突然訪れます。メディアで何百本も連載している私でも、最初はまったく企画が通りませんでした。あきらめてはいけません。
さて、企画書が採用され、執筆した記事が晴れて掲載されました。その際は、自身のSNSで拡散させてください。
拡散させることで、読者から直接フォードバックをもらえることもありますし、いいね!の数なども参考になります。評価が良かったらなぜ良かったのか、悪かったらなぜ悪かったのかを考えてみてください。その反省が品質向上につながります。そして次の執筆へとつながっていくのです。
また、執筆者はメディアを支える1人でもあります。掲載記事の拡散はメディアの一部を支える執筆者として協力するべきだと思います。そういう気持ちって、結構重要な気がします。
セルフブランディングを確立させるには、忙しい本業をこなしながら、コラムを書いたりブログを書いたり、プレゼンをしたりするため、本業での能力が高くなければ実現できないうえに、個人の努力が求められます。
そして、セルフブランディングは一度始めると継続して行う必要があります。なぜなら情報発信が止まり、1年、2年経つと「過去の人」になってしまうためです。そうなりたくなければ、書き続けるしかありません。セルフブランディングはいばらの道です。楽しいですけどね。
セルフブランディングは1本や2本メディアで記事を書いた程度では確立されません。継続できて初めて確立されます。連載を続けているうちに必ず習慣化します。楽しくもなります。
そうそう、1本当たりの執筆時間も短縮されていくでしょう。2流大学出身で国語が嫌いだった私は、20年前、記事を1本書き終えるまでに半日かかっていました。しかし、今なら30分でショートコラムを1本書くことができます。
何でもそうですが、習慣化することはとても大事です。習慣化できれば継続でき、継続により腕が上がります。その結果さらに継続しやすくなるでしょう。
学生時代は国語が苦手だった私も、社会人歴25年になり、現在では週刊連載のメディアコラムで連載200回近いコーナー(現在も連載中)を持つようになりました。月刊連載は50回を超えるものもいくつかあります。某メディアで連載している私のブログも、この夏には4500本を超える予定です。自分でも信じられません。
今となっては掲載回数をカウントしていませんが、「日曜日になると書く」「月末になると書く」というように、コラムごとでスケジュールを組み、習慣化しています。そうしないと月刊連載16本は実現できません。興味がある方は是非チャレンジしてみてください。執筆は将来の自分を助けますよ。
さて、次回は話を大きく変えて、私の転落を書きます。セルフブランディングを確立し、ビジネスも成功。メディアの取材記事が増え、セミナー登壇も年間50回を超え、伝説的と言われた給与を獲得し「俺、このまま大成功するかも」と思った後の転落話です。
次回もお楽しみに!
著者プロフィール吉政忠志
業界を代表するトップベンチャー企業でマーケティング責任者を歴任。30代前半で同年代国内トップクラスの年収を獲得し、伝説的な給与所得者と呼ばれるようになる。現在は、吉政創成株式会社 代表取締役、プライム・ストラテジー株式会社 取締役、一般社団法人PHP技術者認定機構 代表理事、一般社団法人Rails技術者認定試験運営委員会、BOSS-CON JAPAN 理事長、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事を兼任。