ICTソリューションの提供を通じて顧客のライフスタイルやビジネススタイルを豊かにするというビジョンの下、最先端技術に挑み続けているNTTソフトウェア。同社では「モバイル&セキュリティ」「ネットワークサービス」「SI&NIソリューション」の3大事業を柱として、システムインテグレーション事業を手がけるほか、さまざまな分野での研究開発に取り組んでいる。

NTTソフトウェア


設計/開発から保守/運用まで、ICTに関わるサービス全般を提供する企業。「変化とスピード」、「チャレンジと価値創造」をスローガンに据え、ユーザーのライフスタイルおよびビジネススタイルを豊かに変革することをテーマに各種のソリューションを展開している。

http://www.ntts.co.jp/

このように最新技術で業界をリードし続けるNTTソフトウェアが、新たな試みとしてリユース機器を導入した。そこで今回は導入経緯や実際の利用方法などについて、NTTソフトウェア 技術センター ソフト道場の館長を務める橋本昌明氏、そしてデータライブ 代表取締役社長の山田和人氏に対談形式で話を伺った。

NTTソフトウェア 技術センター ソフト道場 館長の橋本昌明氏(道場の表札の前で)

データライブ代表取締役社長の山田和人氏

技術者に活躍の場を与える環境作り

――まずは最新技術で業界をリードし続ける、NTTソフトウェア様の取り組みについてお聞かせください。

橋本: 最先端技術に取り組むうえで弊社が特に注力しているのは、実力のある技術者を正しく評価し、彼らを表に出していくことです。技術者が日夜努力を続け、それが報われれば次の自信につながりますし、何より高度な新技術を創造する源となります。

こうした観点から、弊社では独自の人材制度を採り入れています。これは各技術分野に秀でた資格取得者を「テクノロジープロフェッショナル(テクプロ)」として認定し、前面に押し出すことによって技術者のモチベーション向上や、良い意味での競争力を生み出すものです。たとえばネットワーク関連では、シスコが提供する最高レベルのネットワーク技術者認定「Cisco Certified Internetwork Expert(CCIE)」取得も目標とすべき資格の1つに置いています。

山田: 御社受付にあるテクプロのネームプレートを拝見しましたが、既に「Cisco Certified Network Professional(CCNP)」取得者もかなりの人数がいらっしゃるようですね。資格取得には一定レベル以上の知識や経験が必要だと思いますが、これらは実務を通じて養われているのですか?

橋本: 若い世代に開発の実践経験を伝えるための組織として、2009年7月に「ソフト道場」を新設しました。技術者にとって座学はもちろん大切ですが、それ以上に重要なのが実践経験。サーバやOSを持ちこんで実際に組み上げたり、最近では仮想化環境の構築を行ったりと、より実践的な知識が身につけられる研修の場を用意したわけです。入社2、3年目以降の若手社員を対象として、1回につき10名程度で行っています。

山田: 高い技術力を誇る御社ならではの興味深い取り組みですね。ちなみに今回ご購入いただいたリユース機器も、ソフト道場で使用されるものとお聞きしましたが?

橋本: そうですね。ネットワーク構築訓練研修用に、シスコ「Catalyst 3550シリーズ」のスイッチとルータを10台前後購入させていただきました。

ユーザーが安心して使える保証制度

――ソフト道場を開設されてから、苦労された点などはありますか?

橋本: やはり環境を整えるのが大変ですね。先ほどソフト道場を研修の場とご紹介しましたが、実はノウハウを全社的に展開するラボ環境としての役割も果たしています。ラボでは"一定以上の性能を持つ製品"が求められる反面、実験的な要素の強い使用方法となるので、当然予期せぬトラブルに見舞われることもあります。こうした点から高額な新品の製品よりも、高品位なリユース製品の購入を考えました。

山田: 確かに新品の機器は高額なので、ラボの検証用に使うというのはあまり現実的ではないですね。そこでリユース機器に目を向けられた御社はまさに正解だと思います。

実際、さまざまなハードウェアが集まる弊社もラボに近い動きをしているので良く分かります。過去のものも含めてこれだけ数多くの製品が販売されていると、その組み合わせだけでも膨大な量になりますし、なおかつリユースという側面も考慮して動作検証を期待されているお客様も多いです。

リユース機器を扱う企業としては、弊社以外にも候補があったのでしょうか?

橋本: まずは秋葉原やオークションなども考えてみたのですが、やはり対企業向けの販売体制ができているところでないと社内の稟議を通しづらく断念しました。続いてリユース製品を扱う企業に注目したのですが、御社ほど製品のラインナップが多く、低価格で購入でき、なおかつ法人対応に慣れているところはなかったですね。

それともうひとつ、しっかりした保証制度が設けられているのも重要なポイントでした。研修用として無茶な使い方をする場面もあるので、すぐに申し込みましたよ。

山田: リユースといっても、特にネットワーク機器の場合は性能が大幅に低下することはありません。あとは故障率の問題になってきますが、弊社ではこうした部分がカバーできるように保証制度を設けています。何よりお客様に安心してご利用いただけることを最優先した結果です。

大手企業の導入が業界を動かす

――実際にリユース機器を使用してみた感想はいかがですか?

橋本: リユース製品を購入したのは今回が初めてですが、しっかりと初期化が済ませてあったり、充実の保証制度が設けられていたりと、安心して利用できました。現在は使い始めて1ヶ月弱といったところですが、まったくトラブルもなく順調です。

あとは通常で発注から1週間程度、急を要する場合は相談に応じてくれるというスピード面も、企業にとっては嬉しいポイントと言えますね。それと、機種を指定して探してもらうということも可能だと伺ったので、いずれお客様向けの環境でも故障代替機向けなどでそちらを利用することがあるかもしれません。

山田: 有難うございます。"調達力"は弊社の大きな強みの1つで、弊社サイトに掲載されていない製品でも国内外を問わず仕入れが可能です。欧米には関連業者も多いので、見つからないからと諦める前にぜひご相談ください。

今回、NTTソフトウェア様にリユース機器を導入していただいたことは、業界にとって非常に大きな実績です。また、環境省が「3Rエコポイント」※1制度の指針を策定しており、国全体でリユースを促進しようという流れもありますし、今後は弊社としても、このような事例を増やし貢献していきたいですね。

※1 3Rエコポイント 3Rとは、廃棄物の抑制(Reduce)、再利用(Reuse)、再資源化(Recycle)の頭文字をとったもの。環境省は、これら3Rに向けた行動を促進し、環境負荷の低減を実現するため、ポイント制度の構築手順やポイントの付け方に関する指針を策定する作業を進めている。こうしたポイント制度は、すでに一部の衣料品メーカーや自治体などで実施されており、環境省ではそれらの事例も参考にしながら指針を策定している。出来上がった指針は、新たに制度導入を考えている企業や商店、自治体にガイドラインとして活用してもらう考え。