先日、ある雑誌のコラムを読んでいると、「縮まる仕事寿命」「40歳がキャリアの臨界点」といったフレーズが目に入ってきた。
若さでは下に、経験では上に負ける…という40代
確かに、がむしゃらに頑張ることで乗り切ってきた20代、30代と比べると、40代にもなると「若さ」では勝てない。では「経験」だけで勝負できるかと考えると、50代、60代が上につかえていたりして、「経験」だけでは勝てない。
とはいえ、私自身も40代だが、あまり悲観的に考えることもないのになとも思った。
「若さ」では20代、30代には勝てず、「経験」では50代、60代に勝てないならば、「応用(力)」で勝負すれば良いではないか。
では、40代ならではの「応用力」とはどうすれば身につくのだろうか。
いわゆる「デジタルネイティブ」と言われる20代と、40代の人間が「全く同じ発想」をすることは、どだいムリである。まずムリなものはムリだと割り切ることから始めたい。私だって、ネットやアプリやソーシャルゲーム関係などの仕事をすることがあるが、twitterやFacebookはともかく、LINEでゆるゆるキャラのスタンプを仕事相手に送ったりすることは、かなり抵抗があった。
抵抗があることをやってみよう
最大の問題は「抵抗がある」=「関わらない」ではマズいということだ。
「抵抗がある」→「とりあえずはやってみる」→「イヤならやめる」→「気分だけは味わってみる」→「やりたい人の気分を想像してみる」→「何でやりたいのかだけでも理解する」
いわゆる「右脳」(直感)では抵抗があるものごとでも、とりあえず「やってみる」というFACTを通じて、いわゆる「左脳」(論理)では理解してみるという意味だ。私はこれができるのは40代なりの「応用力」だと思っている。
「やってみたい(面白そう)」→「やってみる」というのが20代、30代の「若さ」であるとする。一方で、人間はどうしても老いていく。これは防ぎようがない。仮に私自身が50代、60代になれば、「やってみたくない(つまらなそう)」→「やってみない」と、新しいものや、抵抗感のあるものは自然と受け入れなくなる(少なくとも、そういうことも多くなる)というのは、今でも理解できる。実際に私の祖父や父が年齢を追うごとに、若い時とくらべるとそのようになっていった。
であれば、20代、30代とも、50代、60代とも違う(差別化した)発想で勝負するのであれば、あえて、「抵抗がある(やりたくないこと)」→「とりあえずやってみる」…という「応用力」での勝負をオススメしたいと思う。
私がこの「応用力」をオススメの理由は、「応用がどうしても利かない場合」は、「イヤならやめられる」からである。つまりは「ノーリスク」である。
それにも関わらず、「イヤだから、やってみない」と、かたくなに言い張る頑固な40代であるならば、私が最初に目に触れた雑誌のフレーズに戻るが
「縮まる仕事寿命」「40歳がキャリアの臨界点」
まさにこうなっていくのは目に見えているのではないだろうか。
※写真は本文とは関係ありません
<著者プロフィール>
片岡英彦
1970年9月6日 東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。