前回・前々回とデータベースアクセス関連の情報について取り上げたが、今回はOfficeデベロッパーセンターについて取り上げてみよう。「え、Officeで開発!?」と思われそうだが、VBA(Visual Basic for Applications)を初めとして、Officeをプラットフォームとして何らかの開発を行う需要はいろいろある。

かく申す筆者自身、Accessデータベースに保存した原稿データをVBAマクロからADO経由で取り出して、Word本文中に取り込んでテキスト形式で出力する、なんていう自家製アプリケーションを作って仕事の効率を大幅に向上させた経験がある。そういった、Officeを活用して業務の効率化を図りたいという場面で役に立つのが、Officeデベロッパーセンターというわけだ。

Officeデベロッパーセンターの概要

能書きはこれぐらいにして、まずはOfficeデベロッパーセンターにアクセスしてみよう。

Officeデベロッパーセンター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/office

Officeデベロッパーセンター。VBAだけでなく、Visual Studioを使った開発についてもカバーしている

まずは、「Officeの開発って何をするの?」という疑問を解決するために、開発作業の概要について把握したい。Officeアプリケーションに附属するVBA機能を使ってマクロを記述したことがあっても、実はVisual Studioを使った開発も存在するのだということは知られていないかも知れないから。

Visual Studioを使用したOffice開発
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/vstudio/dd183191

ここでは、「Visual StudioでのOffice開発とは」以下の「はじめに」、「Visual Studioの入手」以下の「Visual Studio 2010評価版」、「開発入門」以下の「学習リソース(英語)」「使用方法ビデオ(英語)」「サンプル アプリケーション キット(英語)」といったコンテンツへのリンクが用意されている。まずは「はじめに」にアクセスして、概要・機能・開発環境の構築・具体的なプログラミングといったあたりの情報を得る必要があるだろう。

はじめに(Visual StudioでのOffice開発)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/23cw517s

Visual Studioを使用したOffice開発
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/office/dd183191.aspx

特に、すでにVBAに馴染んでいるユーザーにとっては、VBAによる開発とVisual Studioによる開発の違い、それぞれの利害得失が気になるところだ。ちゃんと、それに対して答えを用意してくれているところはさすがだ。「どちらを使用すればよいだろう」と悩んでいるときにはチェックしてみたい。

VBAソリューションとVisual StudioのOfficeソリューションの比較
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ss11825b

Officeでは開発手段としてVBAとVisual Stidioがあるため、両者の比較情報が意味を持つ

このほか、Office 2010には開発者向けの機能として、「Backstageビュー」(正式には「Microsoft Office 2010 Fluent Backstageビュー」という)がある。リボンのドキュメント作成機能に含まれない機能を利用するためのもので、これを開発者が自由に拡張できるようになっていることから、開発者向けのリソースとして取り上げているわけだ。

Office 2010のBackstageビューについて(開発者向け)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ee691833.aspx

学習を深度化させていくための手助けいろいろ

学習用のリソースとしては、「学習センター」や「Office How-Toビデオ」といったものがある。このうち「学習センター」は、さまざまな学習用リソースへのリンクをまとめたもので、書籍、WebCastやビデオ、サンプルコード、MSDNライブラリ、SDK、リファレンス、技術資料、といったものが対象になっている。そのほか、Office関連の資格試験に関する情報へのリンク集もある。

学習センター(Officeラーニング)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/office/aa905375.aspx

Office学習センター。なぜか英語のコンテンツが多いのだが、日本語版の充実やOffice 2010への対応も期待したい

どういうわけか、Office関連の学習リソースは英語のままになっているものが多い。例外はバーチャルラボぐらいだが、これはOfficeに固有のものというわけではないので、話が違う。ビデオになっているものを日本語化するのは大変だし、今からOffice 2007関連のコンテンツを日本語化するのも割に合わない話ではあるが、今後、Office 2010に対応した日本語版コンテンツが充実していってくれると嬉しいところだ。

ところで、「学習センター」の「How Do Iビデオ」とは別に、タイトルだけ日本語化したビデオ集「Office How-Toビデオ」も用意されている。こちらも内容については「英語」との但し書き付きだが、タイトルだけでも日本語化されていれば、内容の見当をつけやすい。その分だけ、目指す情報を探す手間を軽減できそうだ。ただしタイトルを見る限り、Office 2007が主体のようだ。

Office How-Toビデオ
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/office/bb266408.aspx

また、これも英語版になってしまうのが惜しいが、対話型のロードマップとして「Office 2010 Developer Atlas」がある。英語版に抵抗がなければ、これを試してみるのも面白そうだ。

Office 2010 Developer Atlas(英語)
http://www.microsoft.com/resources/msdn/en-us/office/media/Atlas/Default.html

これ以外にも、英語版のままで提供されているコンテンツがいろいろある。たとえば、アプリケーションの互換性ツール、How-toビデオ、記事、リファレンスといったものを検索できる仕組みがある。

Office 2010での開発(英語)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/office/ee722025.aspx