見通しの悪い道を、ただひとり行くこねたもの。随分と尖った形をしています。ねぐせではないとのこと……。イメチェンして我が道を行く修行なのでしょうか。

原始仏教の経典『スッタニパータ』には、ブッダが教えを説いた言葉がさまざまな例えとともにまとめられています。その中に、「犀(さい)の角のようにただ独り歩め」という表現があるのです。

鋭く尖った一本の犀の角のように「悟りに向かって修行するものは、たとえ独りでも道を行くのだ」という教えで、その背景には人間どうしの関わりが悩みや苦しみを引き起こすものでもある、という考えも見て取れます(「二つの腕輪を一つの腕にはめればそれらがぶつかり合うように、人と人の間にはぶつかり合いがおこるものだ」とも、ブッダは言っています)。

何かと「つながり」が求められる今の時代ですが、常に人とのつながりの中に身を置くことにとらわれると、疲れてしまうこともあります。

大切なのは、「人々の中にいようと独りでいようと、心がおだやかでいられること」であって、無理して人とつながる必要はなく、かといって頑なに人を避ける必要もなく、たとえ独りであっても引け目を感じることはありません。

つながりの中にいることに疲れたら、少しそこから離れてみるのも良いでしょう。

いろいろな人々と関わっても、最終的に自分を磨くのは自分自身です。自分の心がおだやかでいられるような人との関わり方を、ゆっくりと見つけていきましょう。

■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。