Eclipseのキーバインディング

viやEmacsといったテキストエディタは現在でも多くのプログラマに愛用されている。これらのエディタに共通しているのがその独特のキーバインドだ。一見とっつきが悪いようにも見えるが、慣れるとキーボードだけで快適に操作することができるため非常に効率が良い。ただし、ことプログラミングに関してはIDEが提供する高度な機能はテキストエディタにはない魅力だ。

今回紹介するのはEclipseでviやEmacs風のキーバインドを実現するプラグインだ。Eclipseを使っているが、キーバインドがしっくりこないというテキストエディタ愛好者の方はぜひ試してみてほしい。

Vilike

Eclipseでviライクなキーバインドを実現するプラグインとしてはviPluginが有名だ。以前は無償で提供されていたのだが、バージョン1.0.0からは有償(15ユーロ)での提供となっている。試用版が提供されているので試してみるのもいいだろう。

今回紹介するのはオープンソースで開発されているVilikeというプラグインだ。マルチページエディタ(タブで切り替えるタイプのエディタ)以外のテキストベースのエディタでviライクなキーバインドを利用することができる。現時点では対応しているコマンドはそれほど多くはないものの、利用頻度の高いコマンドが優先的に実装されているようだ。viの特徴であるモードの概念もきちんと再現されている。Vilikeが対応しているコマンドについてはこちらを参照してほしい。

VilikeはSourceForge.jpのダウンロードページから入手可能だ。本稿執筆時点での最新版である0.1.0 beta1(jp.gr.java_conf.mitonan.vilike_0.1.0.beta1.jar)をダウンロードしたらEclipseのdropinsフォルダにコピーしてEclipseを再起動すればよい。その後、Eclipseの設定ダイアログの「General」→「Keys」でスキームとして「ViLike Key Binding Scheme」を選択するとVilikeが提供するキーバインディングを利用することができるようになる。

図1 Vilikeの設定

Emacs+ Eclipse Plug-in

続いて紹介するのはEmacs風のキーバインドを実現するEmacs+ Eclipse Plug-inだ。

Eclipseは標準でもEmacs風のキーバインディングを提供しており、これだけでもそれなりにEmacsの操作感を再現することができるが、Emacs+ Eclipse Plug-inをインストールことでキーボードでのエディタの分割や移動、CTRL+Sでインクリメンタルサーチ(CTRL+ALT+Sで正規表現でのインクリメンタルサーチも可能)、テキスト選択、ALT+xでミニバッファでのコマンド実行が可能(しかもTabでコマンドの補完もできる)など、さらにEmacsに近づけることができる。

Emacs+ Eclipse Plug-inは更新サイトからインストールすることができる。インストール後はVilikeと同じくEclipseの設定ダイアログでキーバインディングのスキームで「Emacs+ Scheme」を選択しよう。

図2 Emacs+ Eclipse Plug-inの設定

図3 ALT+xでコマンド入力が可能

どちらもかなりの再現度

viやEmacsを使いこんでいるユーザにはやや物足りない部分があるかもしれないが、筆者としてはVilike、Emacs+ともにかなり再現度が高いと感じた。Eclipse標準のキーバインドに違和感を感じる方はこれらのプラグインを試してみるといいだろう。使い慣れたキーバインドを用いることできっと作業効率も向上するはずだ。