円高不況で業績も伸びない、だから給料も上がらない……。嘆くより先に、円高を利用してお金を稼ぐことを考えてみよう。円高下では自分の国の商品を海外で売るには不利だが、海外の商品を安く買うことはできる。それを国内で販売すれば利益が出る。そう考えれば円高はお金を儲ける絶好のチャンスでもある。

世界各国に販売網を広げている「アマゾン」に注目!

注目は通販サイトのアマゾン。本やCD、日用雑貨や家電まで何でも売っている。世界各国に販売網を広げているアマゾンは当然それぞれの国で価格が違う。より安く売っている国から買って、今度はそれを日本のネット上で転売すれば差益が出る。そこに"円高"が加わるので、さらにうまみが増すというカラクリだ。

都内在住の下山通孝さん(仮名・34歳)はこの方法で毎月5万円から10万円の利益を上げている。

「まず、日本で人気がある商品で、かつ利益が出そうな商品を探すところから始めます」(下山さん)

下山さんの方法はアマゾンの検索機能を使って商品を絞り込んでいく。まずアマゾンのサイト上で「輸入」「IMPORT」などと打ち込み検索する。それを「人気順」で並び替える。すると人気の高い輸入商品がずらりと出てくる。

「商品単価がある程度高くないと利益が出ません。私の場合はそこで5,000円以上の商品と打ち込んで商品をさらに絞り込んでいます」

自分は全く知らない商品や、知識のない分野のものでも売れるかどうか判断することができると下山さん。

「アマゾンの商品ランキングの項目を確認するのです。たとえば私の場合、DVDなら15000位以内、CDなら20000位以内、ゲームソフトなら5000位以内であれば早く確実に売れると判断して、購入を検討します」

商品が決まったら、それをいかに安く手に入れるかが勝負

商品が決まったら、今度はそれをいかに安く手に入れるかが勝負。最適なサイトが「タケワリ」だ。世界9カ国のアマゾンの商品価格を比較できる。これにアマゾンで見つけた商品のタイトルをコピペして検索窓に入力、検索すると瞬時に各国の商品の価格が出てくる。

「すべて価格は円で表記されるので助かります。そこでもっとも安い国の商品を購入し、今度はそれを日本のサイトで販売するのです。その際、日本での価格より少し安く設定することで、海外からの送料や手数料を差し引いた上でも利益が出ます」(下山さん)

下山さんはこの方法でDVDや雑貨、日用品など、さまざまな商品を輸入販売してきた。大体1点当たり利益が1000円から5000円くらい。毎月多いときは10万円、最低でも5万円はラクに稼ぐという。

「パソコンの使い方を知っている人なら、誰でもできる方法です。忙しいサラリーマンでも寝る前の30分もあればできてしまいます」

商品購入の初期投資は必要だが、店舗資金も人件費もかからない。サラリーマンが空いた時間で小遣いを稼ぐには最適な方法だといえよう。

「eBay(イーベイ)」で購入したものを「ヤフオク」に出品

このようなネット販売はもちろんアマゾンだけでなく、他のサイトでも可能だ。たとえばeBay(イーベイ)は世界最大の海外オークションサイト。このオークションで売れ筋商品を安く仕入れて、それを国内で売る。賀川礼二さん(仮名・29歳)はeBayで購入したものをヤフオクに出品、月に20万円の利益を上げている。

「まずヤフオクで人気ランキング上位の商品を検索します。それを参考にeBayで売れ筋商品を探します」(賀川さん)

「まずヤフーオークションの売れ筋商品を探すことができる『オークファン』のキーワード検索で、"日本未発売"とか"人気"とか"売れ筋"などで検索し、商品を絞り込みます。いくつか商品が出ますが、それらの商品サイトで入札数が多いものをさらに絞ります」(賀川さん)

ただし、人気ランキング上位の商品をそのまま購入しても、すでに国内で多くの業者や個人が販売しているものも多く、競争が激しい。そこで賀川さんは人気ランキング上位の商品そのものではなく、それを参考にしてこれから売れそうな商品を購入するのがポイントだと話す。

「商品を見ながら、どんどん連想していくのです。例えばある端末が人気なら、そこでよく扱われそうなソフトは何か? そのソフトを作っている会社は? その会社の一押し商品は? などと連想を広げて行きながら、新たにこれから売れそうな商品を絞って行くのです」

ネット通販で今や世界中と自宅に居ながらにして取引できる。考えてみたら夢のような時代。ちょっとした工夫や目の付けどころで、ビジネスチャンスはどこにでも転がっている。諸悪の根源のように言われる円高も、まさにお金を稼ぐチャンス。上記の他にもまだまだいろんな儲け方がありそうだ。ぜひ参考にして、ちゃっかりお金を稼いでみよう。

執筆者プロフィール : 本間 大樹(ほんま たいき)

月刊誌の編集を経てフリーの編集、ライター。経済、マネー、法律などの分野を中心に雑誌や単行本を執筆している。

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