【コラム】

どこでもサイエンス

66 2016年の「宇宙、どうでしょう?」(上半期)

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2016年の宇宙、どうでしょう? ということで、予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙に関わるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今回は、2016年1~6月の半年分をば。

なお、1年分のデータが入っている年鑑、手帳などが1000~3000円程度で売られています。データ量を考えるとリーズナブル。どんなのがあるのかは、昨年の記事をみてくださいませ。

1月~2月

東京、名古屋、大阪など太平洋側の大都市では、天気もよく、星を見るベストシーズンです。特に東京周辺は、連続10日快晴とかになる時期ですなー。雪に閉ざされる日本海側は、しんどいところはありますが、共通することがあります。明るい星が多いんです。晴れさえすれば、ともかく、明るく、星が見えるのです。

ボヤーっとながめても、もちろんOKですが、ちょっと名前がわかるとうれしいですな。形に特徴がある「オリオン座」をみつけて、そこから展開するのが定番でございます。図を参照くださいませ。オリオン座の真ん中に三つ並んだ星のならびを、延長していくのがポイントでございます。あ、実際にはずっとデッカく見えますよー。

オリオン座とその周辺の星

1月7日は、明け方に注目。月と金星と土星が接近します。さらに9日は金星と土星が手を伸ばした先にある5円玉の穴に入るくらいの大接近があります。金星は、メチャクチャ明るいのですぐにわかりますよ。あ、明け方。夜明け前ですのでくれぐれもお間違えなく! 夕方には見えません。

さて、宇宙探査の方に目を向けてみます。日本ネタがありますよー。2月12日、日本のX線天文衛星ASTRO-Hが打ち上げられます。X線は、天体から出てくる光の大半を占めていますが、大気がジャマして地上ではとらえられません。そこで、人工衛星の登場ってわけです。この分野では日本が世界のトップを走っています。打ち上げは午後6時ごろを予定。成功を期待しましょー。

米・欧・インド・ロシアもそれぞれ衛星の打ち上げ予定がありますが、海洋衛星のジェイソン3(米)センチネル3A(欧)が目を引きます。米欧の2機、目的がほぼ同じ地球海面の監視なんですよ-。ふーむ。また、インドは独自の航法衛星を打ち上げ予定です。

3~4月

3月9日の午前10時すぎ~正午すこし前まで日食があります。11時ごろに見るのがいいでしょう。わずか2割欠ける程度ですが、日食めがねとか遮光板で見られます。前に買っておいたのがある方は、ぜひ探しておいてください。

なお、この日食、インドネシアの一部からグアムの沖合で皆既日食になります。ツアーは「インドネシア 日食」でググるとたくさんでてきます。30万円くらいから、豪華客船を使う200万円なんてのもあります。皆既日食は見ると「日食病」になるほど魅力的な現象だそうですが、お金以前に、休みとれないなー(お金もない)。

3月半ばから木星がみごろになります。東に見えます。これはもう7月くらい(このころは西)までオッケー。とても明るい白っぽい星ですのですぐにわかると思いますよ。

4月18日には、夕方の空に水星がみごろになります。ほぼ2016年ベストですかね。これは、また近くになったらご紹介しますねー。水星は肉眼で十分見えるのですが、見えるタイミングがきびしくて、そのぶん難易度が高いんですよ。

4月22日は満月です。まあ、満月は29.5日ごとにあるので、年に12~13回あるんですけど、この日の月はこの年で一番地球から遠いんですね(平均より1割ほど遠い)。その分小さく見えます。デッカい場合はスーパームーンという言い方が広まってますが(学術用語じゃないです)、小さい場合は、サテ、プリティムーンとかリトルムーンとでも言うんでしょうかねー。

あと4月18日~24日は科学技術週間です。この前後、各地の大学や研究所が一般公開されたりしますよ。特に、茨城県の筑波地区はすごく楽しいらしいです。詳しくは科学技術週間のWebサイトで。毎年科学ポスターの無料配布もありますが、2016年はどんなネタなんでしょうね。ノーベル賞がらみで生物由来有用物質かしらん?

さて、宇宙探査では大ネタ。3月14日にヨーロッパ&ロシアのエクソマーズ2016火星探査機が打ち上げられます。2017年末に火星に到着して大気を調べ、着陸テスト機を分離させます。さらにおっかけて2018年に打ち上げられるエクソマーズ2018の中継基地の役割も果たします。こちらは、着陸して自走できる探査機、ローバーなのでございます。

火星は2年ごとに地球に追い越され、そのときに接近になるのですが、このときが、観察および宇宙探査機打ち上げのチャンス。近いからね。2016年はまさに接近の年なのです。なお、日本は、先日金星到達に成功した、金星探査機あかつきが、このころから本格観測に移行します。

5~6月

5月7日の明け方、みずがめ座エータ流星群の活動がピークになります。日本では観察しにくい(見えますけどね)のですが、南半球で早起きをするとよく見えます。2016年の条件では最良。連休で南半球に旅行に出かける方は、ちょっと意識してもいいかもですね。まあ、海外の夜、外に出るのは怖いので安全な場所が確保できる場合に限られますな。

5月31日、2016年のビッグニュース! 火星が最接近となります。地球に追い抜かれ、非常に近くなるんですな。2016年の接近度合いは5点満点で4点くらい。かなーり、近づくのです。8時には東の空から異様に明るくて赤い星が見えます。で、実際に観察しやすいのは、接近の後6~8月になります。しばらく火星が楽しめます。各地で観察会も開かれるはずですので、望遠鏡で見てみると、火星の極の氷が白く輝いている様子など見られると思いますよー。なお、このころから土星も見ごろになっています。火星の近くにある星ですが、このころの火星を見なれちゃうと、ちょっとひかえめに感じちゃうかも。

6月21日には、国際宇宙ステーションにソユーズ宇宙船が向かいます。中には日本人飛行士の大西卓哉さんも搭乗。大西さんの初宇宙になります。大西さんは東大を出て、全日空のパイロットだった人でございます。もっと高い空を目指したということですなー。

チョイとはみ出して、7月4日には米国の木星探査機ジュノーが、木星に到達します。たぶん、その前から木星の画像が発表されると思いますよー。その後ジュノーは木星を南北に周回する衛星となり、北極から南極まで、木星を詳細に探査する予定となっています。しかし7月4日ですか、インディペンデンス・デー(独立記念日)ですな。好きですなー、こういうの米国は。

ということで、来年も宇宙を楽しんでいきましょー。

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。

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インデックス

連載目次
第107回 8月7日(月)深夜・月食を見よう!
第106回 2017年の宇宙、どうでしょう? - 下半期・その2
第105回 2017年の宇宙、どうでしょう? - 下半期・その1
第104回 予言者? ジュール・ヴェルヌ
第103回 幻の毎日新聞プラネタリウム館 - 東日(毎日)天文館
第102回 地球は、どう、動いてる?
第101回 アインシュタインの方位磁石 - サイエンスな人の一品
第100回 アストロバイオロジーって、何それ、オイシイの?
第99回 太陽はスゴイ? - 成績発表会
第98回 実験装置、見たい?
第97回 地図と星は仲がいい
第96回 山が変える惑星の模様
第95回 ほとんどの星は爆発しない
第94回 それも「バラ科」ですか……!?
第93回 2017年の宇宙、どうでしょう? - 上半期編その2
第92回 2017年の宇宙、どうでしょう? - 上半期編その1
第91回 流れ星を見つけるコツ
第90回 コピー機の発明について、調べてみたよ
第89回 いにしえの中国やインドの宇宙
第88回 「火星の呪い」が発動
第87回 来年のノーベル賞予想ごっこ
第86回 天文学研究のため、レンジは使わないでください
第85回 カフェでリア充、科学者ハレー
第84回 お月見の日は、どう決まる?
第83回 たまご、熱すると固まるナゾ
第82回 8月12日のペルセウス座流星群と黒い彗星
第81回 絶滅のサイエンスとリョコウバトとウナギ
第80回 ジュノー探査機、木星到着
第79回 「ニホニウム」で知ったかぶりをするための知識5連発
第78回 2016年の「宇宙どうでしょう?」 (下半期)
第77回 増やせばワカルDNA - 「PCR」のお話
第76回 宇宙人を探すなんて、できるの?
第75回 海がない国 スイスで生まれた深海潜水艇
第74回 とりあえず春は、北斗七星。
第73回 くらべてワカル!? 宇宙の世界
第72回 さくらが春に咲くのは、寒さを越えるプログラムがあるから
第71回 ひさしぶりの日食のお知らせ - 日本は2016年3月9日午前11時前後
第70回 「重力波」つかまえました
第69回 春のこよみのサイエンス
第68回 火星をざっくり知っておきましょー
第67回 冬はハワイが近い!? - ジェットストリーム
第66回 2016年の「宇宙、どうでしょう?」(上半期)
第65回 年間最多の流れ星が見える! 12月14日夜はふたご座流星群
第64回 毒についてチョット調べてみました
第63回 凧とかみなり、フランクリン
第62回 はやぶさ2も見られるの?? 人工衛星を見るはなし
第61回 ノーベル賞をゲットしたニュートリノ探知装置
第60回 科学者が、虹遊びをすると…
第59回 日本人は、元素の名づけ親になれるか!?
第58回 数字のケントーをつける話=フェルミ問題
第57回 「星の名決定」総選挙に参加できるぞ!
第56回 夏休み、おてがるサイエンス
第55回 冥王星に接近しました
第54回 硬い冷たいダイヤだよ
第53回 2015年の「宇宙、どうでしょう?」(下半期)
第52回 潜水艦を発明した愛すべきおっさん
第51回 冥王星まめちしき10連発(ビフォー編)
第50回 ジュラ紀とかエディアカラとか、実はローカルな地名ばかりの地球の歴史年代
第49回 夜空の神2共演 - 金星と木星が接近するぞ!
第48回 キャンディをかむと光るのは本当か?
第47回 2015年4月4日夜9時。むこう3年ない皆既月食をみのがすな!!
第46回 浦島太郎とか双子とかとカーナビなサイエンス
第45回 100万年かけて、あったかいーの
第44回 電話より先に発明されたファックス
第43回 世界の「宇宙窓」から
第42回 圧力鍋は、できそこないのエンジン!?
第41回 2015年の「宇宙、どうでしょう?」(上半期)
第40回 12月13~14日は、年に一番流れ星が多い時期
第39回 はやぶさ2、打ち上げそして旅の友
第38回 これだけ知っとこ、小惑星探査機「はやぶさ2」
第37回 誘導ミサイルとポップコーン
第36回 地球上の生物は推定870万種。実はその9割が発見されていない
第35回 祝・日本のお家芸・青色LEDがノーベル賞
第34回 2014年10月8日夜8時。ゼッコーの皆既月食をみのがすな!
第33回 シロウトにチャンス到来・惑星の名前をつけられるぞ!
第32回 スゴイぜ! 彗星探査機「ロゼッタ」
第31回 天才&変人キャベンディッシュ
第30回 渡り鳥が作るV字型編隊の謎
第29回 やってはいけない!サイエンス
第28回 フロッピーの栄枯盛衰
第27回 2014年の宇宙、どうでしょう? - 下半期編その2
第26回 2014年の宇宙、どうでしょう? - 下半期編その1
第25回 100円で作れるちょっぴりキケンな科学オモチャ「アストロ・ブラスター」
第24回 5月24日土曜夕方に本当にでるのか!? - 「きりん座流星群」
第23回 いま、サイエンスで一番アツイ? - タンパク質ギョーカイをのぞく
第22回 英国科学雑誌のQ&Aコーナー - そんなに熱くなるなんて…
第21回 2年2カ月に1度のチャンス! - 火星ただいま接近中
第20回 科学なパーソナリティ列伝
第19回 今年が寒いのは太陽のせい? - 実は暗い太陽の未来
第18回 日本に降る雨は「だいたい雪」、だそうです
第17回 どこでもサイエンス-チョコレートは惚れ薬?
第16回 江戸時代からある「クローン」
第15回 2014年の宇宙、どうでしょう? - 上半期編
第14回 謎実験 - ニュートンビーズ
第13回 12月14日はふたご座流星群の日! - サクッとわかる観察ポイント
第12回 新月が出たぞという意味の「カレンダエ」からはじまった「カレンダー」
第11回 気持ちよく歌えるエコーのおはなし
第10回 ノーベル賞を楽しむネタ知識あれこれ(後編)
第9回 ノーベル賞を楽しむネタ知識あれこれ(前編)
第8回 ただいま接近中 ‐ アイソン彗星
第7回 信号ひとつは70ワット - 交通信号機にまつわる科学のはなし
第6回 いますぐ使える「月」の知識11連発(後編)
第5回 いますぐ使える「月」の知識11連発(前編)
第4回 飲める「リトマス試験紙」
第3回 カンタン工作 - 百均虫めがねで「カメラ箱」を作ろう
第2回 8月12日と13日の夜はペルセウス座流星群を観察しよう
第1回 教科書を覗いてみよう - 小学校3年生の理科より「明かりをつけよう」

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