PDCA作戦によるひと月でTOEIC 50点アップ大作戦!の2週目が終わった。先週は夏休みということもあり、1日2時間の学習を計画していたが、17.5時間勉強できた。計画以上に勉強している。よしよし。

学習内容は、手持ちのTOEICの問題集を解くというもので、『新TOEICテスト 直前の技術 - スコアが上がりやすい順に学ぶ』と『TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】』を前回判明した弱点であるPART 2とPART 3を中心にひたすら解いていった。

PART2と言われても、TOEICを受けたことがない人にはわからないかもしれないので、簡単にパートごとの説明をしてみよう。

リスニングセクション

PART 1: 写真を正しく描写する音声を選ぶ(10問)

わりと簡単な問題が多いので気楽に受けよう。

PART 2: 音声の質問に対して正しい応答の音声を選ぶ(30問)

質問が短く、ぼんやりしていると聞き逃してしまう恐れがあるので気が抜けない。

PART 3: 会話が流れ、印刷された質問に答える(30問)

難しい。自分に身近でない状況の場合、会話の内容自体がわからない場合がある。

PART 4: アナウンスが流れ、印刷された質問に答える(30問)

PART 3同様難しい。全体として何を話しているのかはつかめるはずだ。

リーディングセクション

PART 5:短文穴埋め問題(40問)

文法と語彙力が試される。高速で答えていくこと。

PART 6:長文穴埋め問題(12問)

ほぼPART 5と同じだが、複数の文のつながり具合が鍵になる場合がある。

PART 7:長文読解問題(48問)

簡単。時間をかければ解ける。ただ、多くの人は時間不足で最後まで解けないのではないだろうか?

サンプル問題はTOEIC公式ホームページに掲載されているので見てほしい。

私の弱点であるPART 2について「直前の技術」と「正解が見える」では次のような共通するテクニックが見つかった。

最初の単語を聞き逃さないこと

最初がHowなのか、Whenなのか、Whyなのかによって正しい答えは変わってくる。Howはさらに、How/How soon/How long/How come/How oftenで意味が変わってくるので注意が必要だ。

WH疑問文ではYes/Noは答えではない

WH疑問文とは、When/Where/Who/What/Why/Howで始まる疑問文だが、これらにはYes/Noでは答えられないので、Yes/Noが聞こえたら即、間違いと判断すること。

質問と同じ単語が含まれている答えは間違い

初心者を引っ掛けるために、質問に出てくる単語を間違いの答に入れておくという出題者の心理を逆手に取ったテクニック。私も必死になっている場合はつい引っかかってしまう。

次に、PART 3についてのテクニックだが、「直前の技術」には設問を「森タイプ」と「木タイプ」に分類して対応せよとある。森タイプとは会話の全体からわかる大まかな設問で、木タイプとは理由や手段などの細かいことを問う設問だ。木タイプは会話の中の1カ所でしかヒントが話されないが、森タイプは会話全体から類推できる。だから森タイプが1つ目の設問の場合はそれを後回しにして、2番目以降の木タイプの設問に意識を集中しておく必要がある。

このようなTOEICのテクニックが「直前の技術」と「正解が見える」にはてんこ盛りなのだが、テクニックの数が多く、これらをすべてマスターすることが果たして可能なのだろうかと思う。このようなテクニックのマスターより英語をたくさん読む/聞くをしたほうが長い目で見れば有効なのではないか、という疑念が沸いてくる。

ここで、もし日本語のTOEICがあったらどれほど簡単なのかがわかる衝撃的な動画を見てほしい。

これはPART 3の問題だが、皆さんも3つの設問を読みながら同時に会話を自然に聞けたと思う。森タイプも木タイプも関係ない。この程度のレベルの問題を解くために、あれほどの「テクニック」をマスターしようとしているのか、私は。たとえTOEICで満点を取ったからといって、それが何を意味しているのだろうかと、TOEIC対策への疑念がますます高まっていく。

しかし少なくとも、設問の先読みは必須であること、設問の英文を一瞬にして読み取るリーディング力と、会話を自然に聞き取れるリスニング力が必要であることはわかった。

この考えを裏付けるこんな動画も見てみよう。

TOEIC対策は意味がないと主張する日本語の達者なスティーブは複数の言語をあやつる語学の達人だ。テクニックのマスターよりも、本当の英語力をつけるほうがやはり必要なのだろう。本コラムの存在意義が問われる状況だが、ここまできたらもう引けないので、あと1週間はTOEIC対策をやるつもりだ。

著者紹介

本多義則 (Yoshinori Honda)

日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる