脚光を浴びる「三平男子」

「三平男子」という言葉が最近俄かに脚光を浴びています。

女性たちが結婚相手に対して望む条件に「平均的な年収・平凡な外見・平穏な性格」を持つ男子を好むという傾向が見受けられるようになったことから、この条件が"三平"と言われるようになりました。一昔以上前に「三高男子(三高=高収入・高身長・高学歴)」を結婚相手にと望む風潮があり、その"高"に対して"平"という表現が使われているようです。

約4分の3の女性が、年収「600万円未満」の男性でも納得

マイナビが行ったアンケート調査の結果が以下の通りです。

「相手に希望する年収額は?」という問いに対して「400万円以上・600万円未満」という回答が一番多く、「400万円未満」「気にしない」とする回答と合せると約76%、実に約4分の3が「600万円未満」でも納得するという結果になっています。

図1

次に、「相手に希望する身長は?」という問いに、「170センチ以上」と回答する割合が圧倒的に高く、バブル期の「180センチ以上」からマイナス10センチも下方修正されています。

図2

「相手に希望する最終学歴は?」の問いには「大学卒業以上」という回答が58.8%と最も多く、その理由には「自分も大卒だから」などの意見が多く寄せられています。

図3

これらのアンケート結果だけを見ても、「三高」神話は霧散し、イマドキ女子の嗜好は「三平」へと移ったと推測できます。三平男子の支持率上昇の背景には、長引く景気低迷の影響による社会情勢の悪化が色濃く反映されていると言えます。終身雇用制度の崩壊や、リストラなどの不安など、心理的不安要素が回答結果=イマドキ女子の心情に現れていると言っても過言ではありません。

なぜ、結婚相手に求めるスペックを、"高"から"平"へとシフトし、敢えて「平均的」で「中庸」な男子を求める女子が増加したのでしょうか。

その理由は、第一に、女性たちが自分の対外的な価値(=売値)を適正に判断し始めたこと、第二に、高望みをしてもその希望は叶えられないのだと悟り始めたことの2点だと思います。自分の対外的な価値を適正値へと是正し、背伸びをしないで「平均的」な男性を選んでおけば「無難」で、その後も「安泰」である可能性が高いと女性たちは考えるようになったのでしょう。

しかし、「三平男子」の需要が急増したことで、遠くない未来に問題が起こる可能性があります。需給のバランスが崩れ、敢えて平均的で中庸な男子を希望したにも関わらず、相手がいない、相手が見つからないということが起こり得ます。その時になってから慌てることがないように、今から周到な準備をし、自分の恋愛力や女子力を高める努力をしておくことが重要です。「まだ結婚は考えていない」などと高を括っている人たちも、近い将来のために、今のうちから自分を磨く努力をしておくことが必要です。


坂田陽子
1977年、福岡県生まれ。20代の半ばから恋愛に関するカウンセリングを開始する。数多くの相談案件を解決した経験から、独自の恋愛論を展開し、各メディアで人気に。現在では、日本国内のみならず海外からも恋愛相談を受け、その相談件数は年間1万件以上にも上る。2010年にNPO法人・日本結婚紹介業協会との連携で認定資格「恋愛アナリスト」を制定し、恋愛に起因する悩みを持つ人を救済するための後進の育成も手掛ける。
坂田陽子の恋愛力アップ相談教室
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