こんにちは。東京都大田区の3Dプリンタメーカ スマイルリンクの大林万利子です。最近は家電量販店でもいくつか3Dプリンタが置かれていますが、みなさんは実際に動いているところを見たことがありますか? 我々も先日イベントで3Dプリンタを出展しました。多くの方々から「はじめて3Dプリンタを見た!」と言われ改めてまだまだ遠い存在ないのだなぁと思いました。
さて、今回は3Dプリンタをもっと身近に感じて頂くためにも、これまでのまとめとしてよく頂くご質問にお答えしていきたいと思います。いつもどおり弊社の3Dプリンタ「DS.1000」を例にお話しします。
お答えする質問は下記5つです
- どんな材料が使えるの?
- 材料(フィラメント)の価格ってどのくらい? 高くない?
- 造形する時間はどのくらいかかるの?
- データをつくるのが大変なんでしょう?
- 3Dプリンタってどう選べばいいの?
それではさっそくはじめましょう。
Q1:どんな材料が使えるの?
A:3Dプリンタで使える材料は主にプラスチックです。プラスチックにもいろいろ種類があり、「DS.1000」の場合はABS、PLA、ナイロン、ペット(ペットボトルのペットです)の4種類が使えます。ABS、PLAは3Dプリンタでは良く使用される素材です。それぞれその特性を生かして素材を選んでほしいと思います。ここでは素材別の説明は省きます。
Q2:材料(フィラメント)の価格ってどのくらい? 高くない?
A:たとえば写真2のハートは6g。そして素材のABSは1kg=5000円(税込)です。
ということは1g=5円。このハートは6gですので
5円×6g=30円
1個当たりの材料費は30円となります。
これ1個でコンビニのカラーコピー1枚と同じくらいですね。もしこのハートを作り続けたら、1000g÷6=166個
166個のハートができることになります。以前もお話ししましたが造形の中身は空洞になっており、どのくらいの「詰め具合」にするかを設定することもできます。デフォルトはこんな感じです(写真4)。
Q3:造形する時間はどのくらいかかるの?
A:デフォルトの設定でこのタコをつくるのに20分かかりました(写真5)。造形時間はプリンタを動かすドライバーソフトの設定によって速くすることもゆっくりすることも可能です。また積層ピッチを小さくするとキレイにできますが、その分時間がかかることになります。
Q4:データをつくるのが大変なんでしょう?
A:インターネット上にたくさん3Dデータがありダウンロード→造形は可能ですが、自分でデータをつくるにはCADソフトやCGソフトが必要です。CADソフトやCGソフトは少し前は大変高価でしたが、今はかなり安価にそして親しみやすくなっています。私は普段TINKERCAD(写真6)を使っています。導入動画もあり、英語版ですが主だった図形はパーツとして準備されていて大変なじみやすいCADだと思います。他にも無料のCADソフトやCGソフトは複数あります。自分に合ったものを選べば簡単なものであれば、そんなに時間やお金がかからずにモデリング挑戦することができます。
Q5:3Dプリンタってどう選べばいいの
A:3Dプリンタは続々と新製品が発売されており、購入に際しては大変迷うと思います。弊社にも多くの方々が動いているところを実際に見たいといらっしゃいます。私はぜひ実機を動かしてみて選んで頂きたいと思っています。
大半の方がスペックに注目され、最小造形ピッチ、造形面積、使用可能素材などを気にされています。それも重要ですが、私は表面上のスペックだけでなく「実際に動いているところを見る」ことが重要だと思っています。実際のプリンタドライバなどの操作やそのプリント速度を実感してもらえると思うからです。パラメータ上設定ができても、非常に時間がかかるなど現実的でなかったりすることもあります。遠方で実機の確認がむずかしい場合には、出力サンプルを請求しても良いかと思います(有償の場合もあります)。
もうひとつ重要なのは「サポート体制」です。殆どの方が3Dプリンタを初めてさわるので、何か不明点があった場合、その疑問にはどのようにこたえるのか。セットアップはどうするのか。その場合の対応なども購入前に確認しておくと良いと思います。
3Dプリンタにも個性があります。弊社でも複数の3Dプリンタを取り扱っておりお客様の用途によっては弊社製以外のものをお勧めする場合もあります。使用素材は1種類なのか多種類を使いたいのか、スピード重視なのか等使用用途の観点を絞ってご覧頂くと選びやすいと思います。
大田区の弊社ではみなさんにより身近に感じていただくために「3Dプリンタの体験プラン(2000円)」を開始しました。3Dプリンタをとりあえずさわってみたい、インターネット上のデータをダウンロードしてつくってみたい、自分の製品を試作してみたい、などのご要望におこたえしますし、使用上のご質問など個別にお話しすることができます。興味がありましたらご予約の上お越しください。みなさまのニーズに少しずつ答えていってより3Dプリンタが生活に身近になっていけばいいと考えています。
次回は前回にひきつづき造形についておはなしします。