こんにちは。3Dプリンタの製造・販売メーカー「スマイルリンク」の大林万利子です。先日3Dプリンタを使ってオリジナルのタグを作るという小学生向けのイベントを行いました。3Dデータの作成はタブレットの設計アプリを使ったところ、ほとんどの小学生は5分ほどで自分好みのデザインを完成させていました。自分だけのタグを作って持ち帰り満足そうでした。

さて、前回はパーソナル3Dプリンタの"イイところ"を紹介しました。今回は、話がちょっと進んで3Dプリンタを購入した後のセットアップ方法についてです。セットアップの具体的な方法を弊社製の3Dプリンタ「DS.1000」を例にお話します。ちなみに、DS.1000は弊社のショッピングサイトから購入できますので、ご興味のある方は一度サイトのぞいていただけると幸いです。

3Dプリンタのセットアップの流れを簡単に説明すると、(1)開封→(2)組み立てとパソコンへの接続→(3)制御ソフトのインストール→(4)フィラメントの装着となります。セットアップする上で、各部の名称と役割を見ていきましょう。3Dプリンタにセットしたフィラメントを内部に押し入れる「エクストルーダ」、フィラメントを熱で溶かす「ホットエンド」、造形物をのせる「造形ヘッド」の3つが重要です(図1)。

図1 DS.1000の各部の名称

Step1 開封

ショッピングサイトからDS.1000を注文すると、後日このような箱に入って手元に届きます(図2)。同梱物はこんな感じです(図3)。本体以外にもフィラメントやドライバーソフトを収録したUSBメモリ、ニッパーや木工用ボンドなどいろいろな付属品があるのです。

図2 DS.1000はこの中に

図3 付属品の一覧

Step2 組み立てとパソコンへの接続

パーソナル3Dプリンタの中には、購入してから自分で組み立てるタイプのものがありますが、DS.1000は完成品で出荷しています。ですので、ちょっとした作業をすればすぐに使い始めることが可能です。まず、チューブ(図4)の先っぽをエクストルーダにしっかりとはめ込み、もう一方をヘッドにはめ込みます(図5)。ここでUSBケーブルでPCと3Dプリンタとを接続します。これで本体のセットアップは完了です。

図4 エクストルーダにチューブをしっかりと差し込む

図5 続けてヘッドにも差し込む

Step3 ドライバーソフト「Repetier」をインストール

次に、付属のUSBメモリをPCにセットし、中に入っているプログラムを起動して制御ソフト「Repetire(レペティア)」をインストールします。表示内容が日本語なので、画面の指示に従っていくだけで簡単にインストールできます(図6)。

図6 Repetierのインストール画面

インストール作業が終わるとデスクトップ上にRepetierのショートカットファイルが現れるので起動します。X軸、Y軸、Z軸それぞれの原点となる位置にホットエンドを認識させます。「Step4」で実行するホットエンドの加熱に備え、ヘッドを5cm程度下げるのも忘れないようにしてください。

Step4 材料(フィラメント)を装着

セットアップがここまで済んだら、問題がないかを確認するため試しに出力します。プリントした作品を取りやすくするため、造形ベッドにブルーテープを貼ります(図7)。続いてRepetierを操作し、ホットエンドを205℃程度まで加熱します。やけどする恐れがあるので、加熱中のホットエンドには絶対に触れないでください。

図7 造形ベッドにブルーテープを貼る

正しい設定温度になったら、フィラメントをエクストルーダの挿入口から差し込みます(図8)。ここでRepetierを操作してフィラメントがゆっくりと押し出します(図9)。このとき、プラスチックが溶けて出てくるホットエンドの付近までゆっくりフィラメントを押して何度か送ります。図10のようにフィラメントが出てきたらすべてのセットアップが完了です。

図8 フィラメントを直接エクストルーダの下部に差し込む

図9 フィラメントが押し出されチューブの中を通っていく

図10 ホットエンドからフィラメントが出てくる

次回はいよいよ造形してみます。なお、セットアップの詳細については取扱説明書や参考動画をご覧ください。