【レポート】

約1万5000年にわたる歴史を総覧! - 国立科学博物館「古代アンデス文明展」開幕

2 貴重な遺物、ミイラ、そしてVRウユニ塩湖

  • >
  • >>

2/2

第1章 アンデスの神殿と宗教の始まり

農耕生活のはじまりや、初期の宗教が解説されている。

「未焼成の小型男性人像(レプリカ)」先土器時代後期 ペルー文化省・カラル考古学調査団

第2章 複雑な社会の始まり

地域ごとに独特な宗教が育ち、社会の統一が始まった頃の文化を扱っている。

「サル人間の図像が彫られた石版」チャピン文化 形成期初期(前900年~前500年) ペルー文化省・国立チャピン博物館

「動物象形石製すり鉢・すり棒」形成期初期(前900年~前500年) ラルコ博物館

左:「十四人面金冠(レプリカ)」形成期後期(前800年~前500年) クントゥル・ワシ調査団、右:「五面ジャガー金冠(レプリカ)」形成期後期(前800年~前500年) クントゥル・ワシ調査団

第3章 さまざまな地方文化の始まり

黄金を使った装飾品や土器を作ったモチェ文化、そして地上絵やピラミッド型神殿で知られるナスカ文化を紹介。

「裸の男性の背中にネコ科動物がおぶさった鐙型注口土器」モチェ文化 ラルコ博物館
一見かわいらしい造形だが、解説文には「神の従者・オセロットがこれから生贄にされる男性を抑えこんでいるように見える」と書かれている。

「4つの首が描かれた土製内湾鉢」ナスカ文化 ペルー文化省・イカ地方博物館「アドルフォ・ベルムデス・ジェンキンス」

「2匹の魚が描かれた土製のサラ」ナスカ文化 ペルー文化省・イカ地方博物館「アドルフォ・ベルムデス・ジェンキンス」

第4章 地域を超えた政治システムの始まり

文化的混乱、自然災害などに見舞われた時代に、生き残りをかけて勢力拡大に力を入れた3つの文化(ティワナク、ワリ、シカン)を紹介。

「黒色玄武岩製のチャチャプマ(神話的な人間型ネコ科動物彫像(レプリカ)」ティワナク文化 ティワナク遺跡石彫博物館

手前:「リャマをかたどった土製香炉」、中央、奥:「ネコ科動物をかたどった多彩色土製香炉」いずれも ティワナク文化 先コロンブス期貴金属博物館/ボリビア ラパス市

「カモを持つ男性の象形土器」ティワナク文化 国立考古学博物館/ボリビア

「金の胸飾り」シカン文化 ペルー文化省・国立ブリューニング考古学博物館

第5章 最後の帝国ーチムー王国とインカ帝国

アンデス文化の最後を飾ったふたつの文化の覇権争い、そしてスペインによる征服が起こるまでに、短期間で広い地域を支配したインカ帝国の実像に迫る。

「木製の葬送行列のミニチュア模型」チムー文化 ペルー文化省・モチェ神殿群博物館

「金合金製の小型人物像(男性と女性)」インカ文化 ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館
スペイン侵略時に金が狩り集められ、融かされてしまったため、現存するインカ文化の遺物に金製品は少なく、あったとしても小さな物が主体となっている

「インカ帝国のチャチャポヤス地方で使われたキープ」インカ文化 ペルー文化省・ミイラ研究所・レイメバンバ博物館
文字を持たなかったアンデスにおいては、ひもに結び目を作る通信手段「キープ」が使われた

第6章 身体から見たアンデス文明

アンデス文明における人間の身体を特集。人間の頭骨やミイラの展示となっている。

「変形頭蓋」チリガヤ文化 ペルー文化省・ミイラ研究所・チリバヤ博物館
幼児の段階から頭に板を当てたり、縄などで縛り上げて変形させる。

「人物象形土器の断片」モチェ文化 ペルー文化省・モチェ神殿群博物館
生贄となる人を模しただろう土器。発見時は砕かれた状態で、同じ場所からバラバラに切断された人骨も出土しており、土器と生贄の殺害に関連があると考えられている

VRでウユニ塩湖を体感するコンテンツも

展示が終了した先にある物販会場付近には、NTTドコモによるVRコンテンツ「VR ウユニ塩湖~17,000kmの彼方へ~」ブースがある。ヘッドマウントディスプレイを使って、複数人同時に、世界的な絶景として名高いウユニ塩湖に行ったような気持ちになれるコンテンツが展開されている(料金:別途500円)。

「VR ウユニ塩湖~17,000kmの彼方へ~」体感の様子(協力:群馬県立富岡高等学校)

ただ、VR体験はどうしてもヘッドマウントディスプレイの数が限られてしまい行列ができやすい。ウユニ塩湖に関しては、展示会場出口近くのシアターで上映されている「アンデス文明の世界遺産絶景の旅」でも高精細な動画が見られるので、こちらで体感するのもおすすめだ(ただし、VRブースに行ってから展示会場に戻ることはできないので注意してほしい)。

■「古代アンデス文明展」開催概要

会期:2017年10月21日~2018年2月18日

会場:国立科学博物館

開館時間:9:00~17:00(金曜日、土曜日、11/1、11/2は20:00まで)※入場は各閉館時間の30分前まで

入場料:一般・大学生1600円、小・中・高校生600円、金曜・土曜限定ペア得ナイト券2000円(ペア券以外は前売り券あり)

  • >
  • >>

2/2

インデックス

目次
(1) アンデス世界を通史で総覧
(2) 貴重な遺物、ミイラ、そしてVRウユニ塩湖


人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事