【レポート】

NECディスプレイソリューションズが生み出した映像分野の独自技術

1 普及が進むレーザー光源とフィルターレスの防塵冷却システム

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NECディスプレイソリューションズは9月22日に、同社のプロジェクターやカラーマネジメントソリューション、パブリックディスプレイなど映像関連商品の技術説明会を開催した。

同社は、NECディスプレイソリューションズの映像技術とNECのICT技術を組み合わせた映像ソリューション事業を展開。プロジェクターではモバイル端末用からシネマ用までのモデルを取りそろえており、モニターはデスクトップ用から電子公告用ディスプレイや競艇場の大型LEDマルチモニターまで取り扱っている。

NECディスプレイソリューションズのソリューション

荒井豊氏

NECディスプレイソリューションズ 商品開発本部の荒井豊氏は「ハードウェアの製品だけでなく、活用方法なども含めて、お客様のニーズにフォーカスした開発を行っています。新しければいいという考えではありません」と、同社のポリシーを述べた。説明会ではそのポリシーに基づいて開発された技術について紹介があった。

より明るく映し出す高出力のレーザー光源へシフト

プロジェクターは、会議室や教室での利用からプロジェクションマッピングやデジタル化シネマでの利用など、近年その用途が大きく変化している。

織田晃氏

そのため「屋外など明るくほこりの多い場所でも利用できるように、高出力で長寿命のものが求められるようになりました」と、NECディスプレイソリューション 商品開発本部 PJ開発Gの織田晃氏はプロジェクターを取り巻く使用環境の拡大について触れ、同社のプロジェクター光源と防塵冷却システムについて解説を行った。

光源技術は近年、水銀ランプから、明るく高精細な映像を映し出すことのできるLEDやレーザー光源などのSSL(Solid State Lighting)へシフトが進んでいる。SSLは特に高輝度、高付加価値商品の利用で先行したが、今後はボリュームゾーンでの商品化が加速すると考えられており、ある調査によると、2021年にはスタンダードカテゴリのSSL占有率が24.7%、大型のインスタレーションカテゴリでは81.8%を占めるようになると予測されている。レーザー光源モデルはランプモデルと異なり、寿命が長いため光源ユニットの交換回数を大幅に削減できるうえに、密閉循環冷却によってメンテナンスが不要になるというメリットもあるという。

同社のプロジェクターでは、主に「RGBレーザー」「RB LD+G-PW」「B LD+Y-PW」という3つのタイプを製品ごとに使い分けている。

「RGBレーザー」はR(赤)G(緑)B(青)の色をそれぞれレーザーで作るタイプ。色純度が高い点が特徴で、4Kや8K解像度のテレビなどが満たすべき国際規格である「BT2020」に対応している。「国内ではまだ販売されてませんが、狭い出力によって、右目用と左目用でわずかに波長をずらしたRGBを出すことができます」と、織田氏は補足する。

「RB LD+G-PW」はRとBはレーザーによって作るが、GはBのレーザーを蛍光体に当てて作るというタイプ。デジタルシネマの規格であるDCI規格では効率がいい。そして「B LD+Y-PW」は、Bがレーザーで作られ、蛍光体で作られたイエローの光からRGが作られるというタイプ。コストパフォーマンスに優れているが、DCI規格になると効率が落ちるのだという。これらのラインアップからモデルに合わせたレーザー光源タイプが採用される。

レーザー光源3つのタイプ

「RB LD+G-PW」の光源ユニット

独自の「衝突噴流」技術でフィルターレスの冷却方式を確立

冷却システムは、光源の温度をコントロールし、長寿命を実現するために欠かせない機能。しかし、光源だけロングライフ化を実現できても、ほこりなどが光学部品に付着してしまうと明るさを維持することができない。また、寿命が温度に依存するプロジェクターの表示素子もロングライフ化する必要がある。

「反射式表示素子のDLPと呼ばれるタイプは、素子の熱を直接背面から密閉エリア外へ放熱できるため、ほこりなどが入らないように密閉しても冷却させることができます。しかし、透過式表示素子のLCDと呼ばれるタイプでは、密閉すると直接外へ熱を逃がすことができません。そこで当社は、『衝突噴流』と呼ばれる独自の技術と熱交換器を組み合わせることで、密閉空間で外気を取り込まないフィルターレスの冷却方式を確立しました」(織田氏)

衝突噴流とは、異なる二方向からの送風の衝突により、高乱流性の噴流を発生させて、光学パネルを効果的に冷却するというもの。密閉エリア内で衝突噴流で冷却し、その空気を熱交換器で外に送り出すため、内部をクリーンな状態に維持できるのだという。さらに、フィルターの交換を行う必要がないため、フィルター式と比べて作業工程も大きく削減した。

DLPとLCDの違い

フィルターレス方式の内部構造

DLP方式の光学エンジン

LCD方式の光学エンジン

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インデックス

目次
(1) 普及が進むレーザー光源とフィルターレスの防塵冷却システム
(2) 正確な色を出すカラーマネジメントと用途に応じたパブリックディスプレイ
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