【レポート】

ハワイ在住の日本人経営者が挑む、アウトバウンド・マーケティング

1 リゾート物件を52人のオーナーでシェア

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2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に外国人観光客を日本に呼び込むインバウンド・マーケティングが年々熱を帯びている中、海外の観光地が日本人観光客を呼び込むアウトバウンドのマーケティングも引き続き活況だ。日本政府観光局(JNTO)がまとめた統計によると、海外へ渡航する日本人の数はここ10年で1500万人から1850万人の水準を維持しており、海外の旅行関係事業者や各国の政府系観光協会は日本に向けたPRに力を入れているのだ。

では、アウトバウンドのマーケティングはインバウンドや国内マーケティングとどのような点で違うのだろうか。米ハワイで創業して日本人向けにタイムシェアリゾートのリセールビジネス「くじら倶楽部」を展開しているOcean Wind Realty LLCの代表取締役社長である中山孝志氏に伺った。

Ocean Wind Realty LLCの代表取締役社長である中山孝志氏

リゾート物件を52人のオーナーでシェアするタイムシェアリゾート

中山氏は、企業の福利厚生や海外赴任サポートなどを手がける日本リロケーション(現リログループ)のハワイ現地法人責任者を経て、ハワイのタイムシェアリゾート「ヒルトン・グランド・バケーションズ・クラブ」に創業メンバーとして参画。日本市場向けの販売部門責任者として活躍したのち、2010年にリゾート物件の不動産事業などを展開するOcean Wind Realty LLCを創業した。ハワイ在住は22年になるという。

Ocean Wind Realty LLCは、タイムシェアリゾートのリセールビジネス「くじら倶楽部」を2009年に開始。タイムシェアとは、1年を52週に分けて1週間単位で不動産の所有権を購入するというビジネスモデルで、ひとつの部屋を52人のオーナーでシェアして利用する。

一般的なリゾートホテルとは異なり滞在型コンドミニアムタイプの部屋が多く、別荘を所有するよりもコストパフォーマンスや管理の手間が少ない形で、ホテルよりも広くクオリティーの高いバケーションをファミリーや二世帯で楽しむことができるのが特徴。ハワイではヒルトン、マリオット、ディズニー、ウィンダムといった大手リゾート開発会社がタイムシェアリゾートの開発を推進するなど、ビジネスモデルの登場から30年ほど経つ市場は成熟しており、日本人オーナーもこの大手4社で約8万人いるのだという。

ハワイに所在するタイムシェア物件の例

タイムシェアリゾートは部分所有権の購入になるため、一般的な不動産取引と同様に権利の転売(リセール)が可能で、また物件を手放したい場合には所有者自身で権利を売却する必要がある。不動産の中古売買と同じように、タイムシェアリゾートのリセール価格は新築分譲の価格よりも低く設定されるため、リゾートタイムシェアの購入を希望する人にとっては新築よりも安価に購入できる点で注目が高まっているという。中山氏によると、「くじら倶楽部」では年間数百件の権利売買を仲介しているとのこと。

「日本人オーナーに対して現地での不動産取引に関する登記や相続、名義変更などを日本語で出来る点が強みだ」(中山氏)

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目次
(1) リゾート物件を52人のオーナーでシェア
(2) アウトバウンド・マーケティングにおけるキーワードは“信頼性の担保”


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