説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『マイフォトストリームとiCloudフォトライブラリはどう違うの?』という質問に答えます。

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Appleは、iOSデバイスとMacのユーザ向けにクラウド上で写真を保管するサービスを提供しています。サービスは「マイフォトストリーム」と「iCloudフォトライブラリ」の2つがあり、いずれも撮影した写真をiCloudへ自動転送する機能を備えていますが、目指すところには大きな差があります。

マイフォトストリームは、「枚数や保存日数に制限のある写真転送/保管サービス」です。保存できる枚数は最大1000枚、それを超えた場合は撮影日時の古いものから順に自動削除されます。転送から30日を過ぎた写真も削除されるため、恒久的な写真保管場所には適しません。iCloudストレージを消費することなく利用できることもポイントです。

iCloudフォトライブラリは、「iCloudストレージを利用する写真転送/保管サービス」です。iPhoneやMacの写真(iCloudストレージ対応のアプリが保管する写真)は、すべてiCloudストレージ上に転送され、同じApple IDでサインインしたデバイスと同期されます。マイフォトストリームでは、写真の解像度がデバイスに最適化されてダウンロードされるため、画質が劣化することがありますが、iCloudフォトライブラリでは完全オリジナルの状態で保管できます。

利用料も異なります。マイフォトストリームは、すべてのiCloudユーザ(Apple IDとiOSデバイス/Macのユーザ)は無償利用でき、iCloudストレージを消費しません。iCloudフォトライブラリは、サービスそのものに費用はかかりませんが、iCloudストレージを消費するため5ギガバイトの無償利用できる領域では足りず、事実上追加出費(月額130円~)が必要です。

ほかにも、写真に編集をくわえたときの結果が反映されるかどうかなどの違いはありますが、上述した内容が特に大きな相違点となっています。ふだん写真をどのくらい撮影するかを考えて使いわけましょう。

マイフォトストリームとiCloudフォトライブラリの相違点
マイフォトストリーム iCloudフォトライブラリ
iCloudストレージの消費 消費しない 消費する
保存できる枚数 最大1,000枚 制限なし(iCloudストレージの範囲内)
保存できる日数 過去30日 制限なし
解像度 自動変更(デバイスに最適化) 変更なし
編集した場合 他のデバイスに反映されない 他のデバイスに反映される