立命館大学は8月3日、同大学 スポーツ健康科学部において来春より本格展開される、アスレティックトレーナー育成のための留学プログラム「GAT(グローバル・アスレティックトレーナー)プログラム」に関するプレスセミナーを開催した。

「GATプログラム」の流れ

アスレティックトレーナーとは、スポーツ選手が健康な状態で競技に取り組めるようにサポートする医療スタッフ。怪我の予防や危機管理から負傷の応急処置、治療・リハビリテーション、健康管理など、包括的に選手のコンディションに目を配る準医療従事者を指す。

近年では、大学スポーツにおいてNCAA(全米大学体育協会)のような組織を日本でも設立し、競技の安全な運用を強化する動きがあり、そのために必要なアスレティックトレーナーの育成が急務となっている背景もある。

「GATプログラム」は、全米アスレティックトレーナー協会資格認定委員会が認定するアスレティックトレーナー資格「ATC(Athletic Trainer Certified)」を取得するためのもの。立命館大学の学士号と、米・ペンシルバニア州立大学ESU(East Stroudsburg University、以下ESU)の修士号を取得し、ATCの受験資格を得ることができるよう設計されている。

同プログラムの特徴として、一般的な米国の大学院留学(約6年)よりも短期間(約5年)で修士号を取得可能なスケジュールであること、立命館大学在学中にESU大学院進学に必要な科目の履修が可能なこと、そしてプログラム参加希望者の包括支援を目的とした「GAT Step-Upコース」が設けられているといったものがある。

伊坂忠夫 学部長

また、米国留学の場合、留学生の学費は州内学生と比較して2~3倍ほどかかるケースがあるなか、同プログラムでは州内の学生の1.5倍という設定で、出費が抑えられるのはメリットといえる。加えて、2018年度以降の入学者は、早期卒業制度を利用した場合(所定条件のクリアが必要)は、ATC受験資格取得までの学費などを軽減することが可能となっている。

同大学 スポーツ健康科学部の伊坂忠夫 学部長は、同プログラムの展開により、グローバルに活躍可能なアスレティックトレーナーを同大学から輩出していきたいとして、「1学年(250名程度)で1割程度」の参加者を見込んでいると語った。