民間開発の日本のロケットとして、初めて宇宙に到達する予定の「MOMO」初号機の打ち上げ実験が、いよいよ7月29日~30日に実施される。マイナビニュース取材班(注:筆者1人)は本日28日、射場がある北海道・大樹町に到着。これから随時レポートをお届けする予定なので、続報をお待ち頂きたい。
まず1本目となる本記事では、当日の打ち上げについて、これまでに分かっていることについて説明しておこう。なお打ち上げ実験の概要などについては、今月開催された記者会見の記事を参照して欲しい。
打ち上げが実施される時間帯であるが、今回は以下の5つのウィンドウが設定されている。初日(29日)は昼と夕方で、2日目(30日)はそれに朝が追加。これ以外の時間帯に打ち上げることはない。1番目のウィンドウで打ち上げができないときは、以下、2番目、3番目と予定をスライドさせる。
- 7月29日10:20~12:30
- 7月29日15:45~17:00
- 7月30日 5:00~ 8:00
- 7月30日10:20~12:30
- 7月30日15:45~17:00
現時点(28日17時)では、2番目の29日15:45~17:00がターゲットとなっており、これに向けて準備が進められている。当初、1番目のウィンドウで予定が進んでいたのだが、27日に行われた最終リハーサルにおいて、技術的な課題が見つかったということで、その対策に時間が必要であることから、変更した。
その技術的な課題も気がかりであるが、もう1つ、懸念されているのは現地の天候である。現在、大樹町の天気は雨。予報では、週末は回復傾向にあるようだが、天候の回復が遅れれば、打ち上げに影響を及ぼす恐れがある。MOMO初号機の天候に関する打ち上げ条件は以下の通り。この条件を逸脱する場合、打ち上げは実施できない。
- 風速: 平均地上風速5m/s以下であること
- 視程: 視程600m以上であること
- 降雨量: 降雨量8mm/h以下であること
- 落雷: 半径10km以内に落雷がないこと
- 高層風: 天気図などから設計荷重を超えないこと
せっかくの初号機で、いわゆる"雲ズボ"(雲にズボっと突入し、すぐに見えなくなること)は避けたい。できれば青空の中に飛んでいって欲しいところであるが、天候ばかりはどうしようもない。天候が回復することを祈るばかりだ。