説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneの画面はコーティング済ってホント?』という質問に答えます。

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はい、本当です。iPhone 3GS以降、歴代のiPhoneに採用されたディスプレイ表面のガラス素材には、油分をはじくコーティングが施されており、皮脂が付着しにくい構造になっています。最新モデルのiPhone 7/7 Plusには、「耐指紋性撥油(はつゆ)コーティング」が採用されており、高い効果を期待できます。

その耐指紋性撥油コーティングは、強化ガラス表面に形成されたフッ素組成物による撥油性(油分をはじく働き)を持つ薄い膜です。このコーティングが施されることで、指紋などの汚れが付着しにくくなり、拭き取りも容易になります。指触りが滑らかになるという効果もあります。

このコーティングに耐久性はあるものの、経年劣化は避けられません。iPhoneの利用頻度にもよりますが、早ければ購入から数カ月ほどで指紋が付着しにくくなる効果は薄れてきます。ソフトウェアキーボードで特定のキーばかりフリックする、という場合には部分的に汚れが目立つようになるかもしれません。その場合は、市販のコーティング剤を塗布するなどして補強するといいでしょう。

なお、ガラス表面のキズを見えにくくするという薬剤には、多くの場合研磨剤が含まれていますから、安易に使用すべきではありません。研磨剤で磨いた場合、その部分の耐指紋性撥油コーティングは失われます。

ガラス表面をきれいに保つには、保護フィルムを貼るという方法もあります。かなり強力な防汚性を持つフィルムもありますから、iPhoneを"素の状態"で使うより汚れがつきにくくなるかもしれません。貼るときに小さなホコリが入ってしまうなど、扱いにコツはあるものの、貼り替えれば防汚効果は復活します。フィルムがあるほうが、iPhoneを落下させたときガラスは割れにくくなります。

iPhoneのディスプレイ表面には、油分をはじくコーティングが施されています