昨年夏、興行収入20億円を超えるヒットとなり、一大ムーブメントを巻き起こした映画『HiGH&LOW THE MOVIE』。同作を含む「HiGH&LOW」プロジェクトの世界を楽しめる施設が、6月14日、よみうりランドにオープンした。園内に新たに造成されたイベントスペース「HiGH&LOW THE LAND」「HiGH&LOW THE MUSEUM」のほか、既存アトラクションとのコラボ企画も複数設けられ、1日中ハイローワールドで遊ぶことができる。さっそくオープン当日、足を運んでみた。
「ハイローの祭りは達磨通せや」一家プロデュースの祭り会場
開園と同時に、よみうりランドに「HIGHER GROUND」が流れ出す。入場ゲートを抜けて道なりに歩いていくと、「HiGH&LOW THE LAND」の入り口が見えてくる。無名街を思わせるむき出しの鉄パイプで組まれたゲートをくぐった先には、ダン(山下健二郎)、テッツ(佐藤寛太)、チハル(佐藤大樹)の指名手配ポスターが。よく見ると、3人のサインが施されている。「LAND」内のあちこちにキャストたちのサインが残されているので、スタンプラリーのように探すのも面白そうだ。
左手に「MUSEUM」の建物を見ながら進むと、真っ赤な門が出現する。脇には、達磨一家の加藤鷲がドラマシリーズで叩いていたものと思われる太鼓が設置されている。これより先は、達磨一家がプロデュースした祭り会場。
「ハイローの祭りは達磨通せや」と凄む日向紀久(林遣都)を思い浮かべながら門をくぐった先には、パラソルとテーブルが一面に広がり、周囲を「檀商店」や「ASOBINAガレージ」、「グレートチキン軒」「Bar ODAKE」が囲む。さながら山王商店街の夏祭りのようで、いそいそと商店街に通って祭りの準備をする達磨一家を想像せざるを得ない。働くスタッフたちが達磨のハッピを着用しているのも、テンションを高めてくれる。
ダンの実家「檀商店」では、この「HiGH&LOW THE LAND」オリジナルグッズを販売。残念ながらカップケーキは置いていないし、レジ担当はツインタワーではないが、ベースボールTシャツやうちわ、クリアファイル、マスキングテープなど、さまざまなグッズが販売されている。「いってきましたクッキー」はお土産に最適だ。この建物の外壁には、出演者のサインがたくさん。控えめすぎるノボルのサインが笑いを誘う。さらに錆びたポストには、よく見ると「佐藤」「山下」「檀」の表札が。
ヤマト(鈴木伸之)の実家「ASAHINAガレージ」を模した「ASOBINAガレージ」では、ガチャガチャが楽しめる。隣にはシャッターが閉められ、空き店舗になった商店の跡地が。家村会の地上げがこんなところまで……。
街を焼かれた木材で燻製? 「スモーキーのケバブ」
祭り会場のメインは、パラソルの下でオリジナルメニューを味わえる飲食エリア。昨年汐留で開催された「HiGH&LOW THE BASE」がさらにパワーアップした形となっている。各チームやキャラクターをイメージしたメニューが揃い、推しの名前がついたものは全部制覇したい気持ちをかき立てられる。気温の高い日には、まずかき氷(400~500円)から。特にMIGHTY WARRIORS仕様のかき氷は驚きのカラフルさで、インスタ映え間違いなし。さすがパリピのチームである。
山王連合会からは、「コブラドッグ+リスペクトソース」(700円)、「ヤマト満腹チャーハン」(850円)、「カニ男シュウマイ」(750円)などがラインナップ。「コブラドッグ」は、パリパリのソーセージをサクサクしたパンで挟んでおり、見た目ほど重たくなく食べやすい。コブラ(岩田剛典)がこよなくリスペクトする"猪木さん"が日本に輸入・普及させたといわれるタバスコをかけると、爽やかな辛さが加わってより深い味わいになる。「ヤマト満腹チャーハン」は、刻んだチャーシューの旨味でヤマトなら3杯は食べそうな美味しさだった。
達磨一家は祭りの元締めらしく、屋台の定番メニューで「達磨タコ焼き」(650円)。鬼邪高校からは、学食メニューとして「名物 鬼邪高ラーメン」(800円)がエントリーしている。鬼邪高校に学食があったとは知らなかったが、喧嘩でしょっちゅう食器が割れていそうだ。
無名街の守護神・RUDE BOYSは、「スモーキーのおもてなし料理 ケバブ」(750円)、「タケシのクリスタルソーダ」(650円)、「ラララップサンド」(750円)などを提供。青と黄色の二層からなる「タケシのクリスタルソーダ」は、混ぜるとルードカラーのくすんだ緑に変化する。かつて駄菓子屋で飲んだジュースのような味で、子どもの頃から過酷な環境で生き延びなければならなかったタケシ(佐野玲於)の憧憬を勝手に感じてしまった。スモーキー(窪田正孝)のケバブは、チキンとスモークチーズがピタパンに挟まれた一品。『THE MOVIE』冒頭で街を焼かれた際に出た木材をチップにしてチーズをスモークしたのかと思うと、涙なしには食べられない。※マイナビニュース注:著者の想像です。
そのほかにも、「七つの海のヨーグルトロッキー」(750円)、「琥珀と龍也の思い出オムそば」(900円)、「広斗にとろけたバターとじゃが」(750円)、「クールなキリンジの九龍アイス」(700円)などなど、魅力的な名前のメニューが盛り沢山。複数人で行って、いろいろなメニューを頼んでみるのが良さそうだ。
■著者プロフィール
斎藤岬
1986年生まれ。編集者、ライター。月刊誌「サイゾー」編集部を経て、フリーランスに。編集を担当した書籍に「別冊サイゾー 『想像以上のマネーとパワーと愛と夢で幸福になる、拳突き上げて声高らかに叫べHiGH&LOWへの愛と情熱、そしてHIROさんの本気(マジ)を本気で考察する本』」『DEATH MATCH EXTREME BOOK 戦々狂兇』(共にサイゾー刊)など