【レポート】

RPAを強化するNTTデータ、その狙いと背景とは?

NTTデータは6月2日に記者セミナーを開催し、ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)についての最新動向と事例の紹介を行った。

最初に登壇したNTTデータ 第二公共事業本部 第四公共事業部 課長の中川拓也氏は、RPAの概要と同社で導入している「WinActor」の事例を紹介した。

NTTデータ 第二公共事業本部 第四公共事業部 課長の中川拓也氏

中川氏は「RPAとはルールエンジン・機械学習・人工知能などを活用し、ホワイトカラー業務を効率化・自動化する仕組みのことである」と前置きし、「人間の約3倍のスピードで処理が可能なうえに24時間稼働させることができるので、生産性は人間の約10倍近いと考えている」とRPAの特長を語った。また、生産性が高まるだけでなく「人的ミスをすることもなく、一般的なエクセルなどのソフトをロボットが操作するので新たなツールやシステムを作る必要がない」と付け加えた。

最近の動向について中川氏は「AIブームやFinTechブームの影響が大きく、ここ数年で急速に拡大している。特に金融機関からの問い合わせが多い」と述べた。同社でも2017年1月23日にRPAソリューションを発足し、全社的に力を入れ始めたという。

その中で、中川氏は同社のRPAサービスである「WinActor」の事例として、請求処理業務の効率化を紹介した。

請求書を1枚1枚スキャンして電子決済のシステムに添付したのちに、起案文書を作成し、審査、承認を経て基幹システム(ERP)に登録するというフローで請求処理を行っていた企業に対して、請求書と起案文書の突合チェックを行う審査業務をWinActorで代替させたという。

「1日に数万枚請求書が届く企業だったこともあり、審査業務には30人もの人員を割いていたが、WinActorの導入によって、5人まで削減し、業務と人的リソースの効率化を達成した」と中川氏は成果を伝えた。

また、今後のRPAを取り巻く動向について、中川氏は「クラウド化が進む昨今では、外部システムとERPをつなぐデータ連携作業を自動化するところでニーズが生まれる可能性が高い」と予想する。そして、「RPAはシステム部だけでなく、あらゆる部門が対象になるので、金融機関が自行のWebバンキングのオプションとしてWinActorを販売するようになるなど、さまざまな業態がRPAを提供できるようになる」とマーケットが混戦してきていることを述べた。

続いて登壇したNTTデータ ビジネスソリューション事業本部 デジタルビジネスソリューション事業部 課長の小泉敦氏からは、同社のRPAに関する取り組みについて説明があった。

NTTデータ ビジネスソリューション事業本部 デジタルビジネスソリューション事業部 課長の小泉敦氏

同社がRPAに取り組む意義として、小泉氏は「RPAのサービスをよく訓練された"デジタル・レイバー"として顧客企業へ派遣することで、より創造的で生産性が求められる業務へ人的リソースをシフトさせることができる。そのため、ITの知識だけではなく顧客の業務特性に熟知する"デジタル・ディレクター"となり、ITの力で働き方改革を実践していきたい」と語った。

同社はRPAの導入に際しては、コンサルからRPAのライセンス提供、実装・保守、BPOのオプションまで一気通貫で一元的にサービスを提供することができるという。

小泉氏は「RPAはただ導入すればいいというものではない。そのため、候補業務を抽出したり分析したりするRPAの実証実験から、現場定着化のためのルール策定、環境変化に伴うロボットの改修などを行う保守・運用まで一貫してサービスを提供している」と、RPAをトータルで考えることの重要性を述べた。

ただし現在、デジタル・レイバーのサービス構造を全体的に見た場合、RPAはまだほんの一部でしかないのだという。

「今後はRPAを起点としてOCRbotやChatbotなど、品ぞろえを広げていくとともに、AIを活用することでそれらをより賢くしていきたい」と小泉氏は展望を述べた。

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