説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『計算機で「5+3×8」と入力すると、答えが64になりません!?』という質問に答えます。

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確かに、iPhoneの『計算機』で「5」「+」「3」「×」「8」の順に入力すると、「5+3」の結果に対し「8」を乗じた「64」ではなく、「5」に「3×8」の結果を加算した「29」が答えとして表示されます。

これは、『計算機』の仕様です。入力しはじめてから計算式の内容を受け付けはじめ、「=」(イコールボタン)をタップして計算式全体を実行するようプログラムされているのです。計算式を解釈する過程で乗算・除算の判定が行われるため、乗算/除算は加減算より先に行われるという数学やコンピュータ言語の四則計算ルールが正しく適用されるというわけです。

一般的な電卓は事情が異なります。「5」「+」「3」「×」「8」の順に入力すると、先に「5+3」が計算され、それに対し「8」を乗算するので、答えは「64」になります。iPhoneの『計算機』とは異なり、入力した内容をひとつながりの計算式としてとらえず、項ごとに演算を行うからです。計算式の途中でも、演算記号を入力するつど(その時点での)答えが表示される仕様です。

なお、iPhoneの『計算機』で一般的な電卓のように計算する場合は、iPhoneを水平方向に持ち替え関数電卓モードで利用します。ボタンに追加された「(」と「)」を利用し、優先して計算したい範囲を囲むのです。前述の例でいえば、「(」「5」「+」「3」「)」「×」「8」の順にタップすると、先に「5+3」が計算され、それに対し「8」が乗算されます。

iPhoneの「計算機」は、「=」をタップしたときに計算式全体を実行する仕様です。優先して計算する範囲を指定する場合は、関数電卓モードを利用します