オンラインストリーミングサービス・Netflixで配信中のシルベスター・スタローンがプロデュースを務めるスポーツバラエティ番組『アルティメット・ビーストマスター』で、日本からMCとして参加した秋元才加。元々海外の仕事に興味があったという秋元は、英語を駆使して果敢にコミュニケーションをとっていったという。秋元に単独インタビューし、現場での撮影秘話を聞いた。

秋元才加

世界のトップレベルのアスリートがアメリカ、ブラジル、韓国、メキシコ、ドイツ、日本の6カ国から18人ずつ計108人がエントリーし、チーム対抗で難関の障害物コースに挑む『アルティメット・ビーストマスター』。日本からは、なかやまきんに君、パルクールで話題の岡安旅人、SASUKE完全制覇者の漆原裕冶らが参戦し、日本のMCとして秋元とスポーツキャスターの近藤祐司が参加した。

――まずは今回、参加された感想から聞かせてください。

元々体を動かすのが好きだったので、人間の体力の限界や奇跡の瞬間を現場で見られる喜びが大きかったです。日本の『SASUKE』が海外で『Ninja Warrior』として放送されていてすごく有名らしく、みなさんの『SASUKE』へのリスペクトが大きくて驚きました。

――ビーストの壮大なセットはいかがでしたか?

とにかくすごいセットで圧巻でした。すべてにおいて規模が大きく、まるでワールドカップのような盛り上がりを見せていたんです。私は現場でそれを直に見ることができて感激しました。みなさんが一生懸命立ち向かっているので見ていると応援したくなるし、私も頑張らなきゃとか、自分も何か変われるんじゃないかと思ったりして、すごく勇気をもらえました。ガチな一生懸命さとか、シンプルなものがいちばん心に響くんだなとも思いました。

――それぞれ挑戦者たちも個性豊かな方たちばかりでしたね。

私たちホストは選手ひとりひとりのプロフィールをいただくんです。挑戦するにいたったいきさつもそれぞれで、国によっても個性があります。ブラジルやメキシコは、親や兄弟がギャングに殺されたという人もいらしたし、海外では社長などトップにいる人がすごく体を鍛えていたりして、ちょっと日本のイメージとは違いました。文化の違いも実況していて、面白かったです。

――日本勢もそれぞれ健闘していましたね。

漆原さんのようなレジェンドも参加してくださいました。なかやまきんに君は、日本が海外からどう見られているのかをパフォーマンスとして心得ていらっしゃるなと思いました。自分自身もホストとして、撮影の時は日本の国旗をもっていたので、日本の代表としていまできることをやらなければいけないという気持ちが芽生えました。

――今回、英語でコミュニケーションを取られたんですよね?

英語は全然堪能じゃないけど、現地のスタッフさんとやりとりして動いていたので、すごく勉強になりました。人間的に成長できたかなと。

――そのことで、海外での仕事への興味は増しましたか?

はい!増しました。このままここにいたいと思ったくらいです。もちろん私は良いところしか見てないのかもしれないけど、ハリウッドスタイルの撮影の仕方に感激したし、それぞれのセクションのスタッフさんがみんなプライドをもっているところに感銘を受けました。みなさん、自分のパートのところだけに集中できる環境はすごくありがたいし、これだけスタッフさんが頑張ってくださっているのなら、私も頑張らなきゃと素直に思えた現場でした。

それにスタッフさんはみなさんジョークを交えながら楽しく仕事をされているんです。たとえば日本ではスタッフの方が大声で笑ったりすることってあまりないじゃないですか。でも、向こうではみなさんがそれぞれ「今日は調子どう?」とか言い合いながら、笑顔で仕事をしていたんです。そういう外国人のポジティブな感じが、自分には向いてるのかなと思ってしまいました。

――小嶋陽菜さんが先日卒業されましたが、同期の大島優子さんやその前に卒業された前田敦子さんなど、AKB48の卒業生の方々の活躍についてはどんな思いを抱かれていますか?

卒業生は同士であり、ライバルであり、それぞれの活躍を見て「カッコイイ!」と思いつつ、やっぱりどこかで「負けたくない、自分も頑張りたい」という思いもあります。すごくいいバランスでいつも刺激をくれる存在かなと思います。

――今回の仕事を経て、海外で活躍したいと思いましたか?

そうですね。海外の作品に対して、自分自身が敏感になりました。『沈黙 -サイレンス-』に出演された窪塚洋介さんは全く英語がしゃべれないと聞いてびっくりしました。英語が堪能じゃないとハリウッドデビューなんてできないと思っていたけど、そうではないんだと思って。

ハリウッドではアジア人の女優が極端に少なくて、特に日本人は少ないと聞いています。だからいままでは「夢はハリウッドデビューです」と言っても「できるわけないじゃん」と思っていましたが、いまは何%の確率であるかもしれないと思えるようになってきました。機会があれば、オーディションなどを受けられたらいいなと思います。

いずれにしても海外でコミュニケーションをとるには英語が大事だなと。向こうのプロデューサーは私にも「何がしたいの?」と聞いてくれるんです。そういう時に「私は海外の仕事がしたいです」と発信していくことが大切だなと思ったので、改めていま、英語を日々、勉強しています。シーズン2がいつあるかはわからないけど、次にプロデューサーさんに会えたら「私はこうなりました」という成長が見せられる場にしたいと思っています。自分が元々フィリピン人のハーフということもあり、海外での仕事については身近に感じていた部分があったので、そういう機会があれば積極的に関わっていきたいです。

幸いAKB48在籍時にいろんなことをやらせていただいたので、これしかやらないという選択肢はなくて、来るものは拒まずです。そのなかで自分はこれが向いてるんじゃないかというものが出てくると思うので、いただいたお仕事はなるべくやっていきたいし、自分がすごく感銘や刺激を受けられる仕事を、今後も増やしていけたらいいなと思います。

■プロフィール
秋元才加 1988年7月26日千葉県生まれ。2006年にAKB48 2期生としてチームKに加入し、13年8月に同グループを卒業。現在は女優として映画、ドラマ、舞台に出演するほか、バラエティー番組にも多数出演。マルチに活動の幅を広げている。