Googleは、11月14日にアップデートされた「Google Play Music」の新機能について、プレス向けの説明会を行った。新機能ではインタフェースが改善されユーザーの利便性が高まったほか、ユーザーに楽曲を提案するリコメンド機能が大幅に強化されている。

説明会には、米GoogleでGoogle Play Musicのリードプロダクトマネージャを担当するElias Roman氏がビデオ会議にて出席した。同氏はGoogle Play Musicの前身となった音楽ストリーミングサービス「Songza」の創業者であり、SongzaとともにGoogle入りした。Google Play Musicに最も詳しい一人といっていいだろう。

Elias Roman氏。ブラウン大学在学中に音楽配信サイト「Amie Street.com」(のちにAmazonに買収)を共同設立し、Business Weekの「25歳以下のアメリカ起業家トップ25」に数えられるなど、音楽ストリーミングサービスのエキスパートである

Google Play Musicは、Googleが運営する月額制の聴き放題サービス、あるいは専用アプリを指している。音楽サービスとしてのGoogle Play Musicは全世界で約4,000万曲、邦楽だけでも正確な数字は非公表ながら、約300万曲が登録されているといわれる。月額利用料は980円(ファミリープランは最大5ユーザーが利用可能で1,480円)であり、Apple MusicやAmazon Primeミュージック、Spotify、AWA、LINE MUSICなどと競合する。アプリはAndroid、iOSに加え、PCブラウザ経由でも利用できる。

Google Play Musicは月額980円のサブスクリプションサービス。初回利用時は1ヶ月無料でお試しできるので、興味を持った方はお試しから挑戦してみていただきたい

音楽配信サービスは当初、対応楽曲数で比較される流れがあったが、その後はサービスが曲をお勧め(リコメンド)するコンシェルジュ機能の比較へとトレンドが変化してきている。BGM的に音楽を流しているときに「いかに自分好みの曲を連続して選んでくれるか」が重要なポイントになるわけだ。

こうしたコンシェルジュ的サービスには、サービス側が用意したスタッフが経験から選んだ人力のプレイリストを公開する方法と、機械的に選ばれたプレイリストを紹介する方法、ユーザーが作ったプレイリストを共有しあうなど、サービスによって様々な差がある。

しかし単にユーザーの好みを知るだけでは不十分だとRoman氏は指摘する。「眠るときに聴きたい音楽と、エクササイズの際に聴きたい音楽は違います。一番いいサービスは、ただ好みを理解するだけでなく、どういう瞬間・状況なのかを把握して、サウンドトラックを提供できるものです」

こうした目標を達成するべく、新しいGoogle Play Musicでは機械学習を使ってユーザーの音楽の好みを学習するとともに、他のGoogleのサービスと同様に、ユーザーの場所、アクティビティ、天気などの情報を使ってパーソナライズされたプレイリストを提供できるようになった。「Google Play Musicのゴールは、ボタンひとつでいつでも聴けるラジオのような存在です。ラジオとの違いは、起動したその瞬間に合わせてパーソナライズされる点です。音楽の未来は、自分で探すのではなく、音楽側が視聴者にたどり着くことなのです」とRoman氏は語った。