多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『格安SIMでパケットを使い果たすとどうなるの?』という質問に答えます。

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老齢の方や子どもにもスマートフォンを持たせる家庭が増加しています。フィーチャーフォンからの買い替えに限らず、はじめて持つ携帯電話にスマートフォンを選ぶことも少なくありません。ただ多機能だから選ばれるのではなく、最近になって安価な端末と「格安SIM」の認知度が向上したことも原因と考えられます。

そんなスマートフォン普及の底上げ役ともいえる格安SIMですが、3大キャリアのSIMと同様に、1カ月に使用できるデータ通信量には上限が定められています。事業者によっては通信量無制限をうたうプランも提供していますが、1カ月あたり2ギガバイト、3ギガバイトが上限のプランが主流です。

格安SIMで通信量の上限を超えてしまうと、通信速度が落とされます。契約する事業者やプランによっても異なりますが、データ通信の速度が最大128キロビット/秒あたりにまで制限されることがほとんどです。4G(LTE)の通信速度は、理論的には数百メガバイト/秒、実効速度でも数十メガビット/秒という速度ですから、控えめに12.8メガビット/秒と仮定しても通常時の100分の1にまでスピードダウンする計算となります。

128キロビット/秒という通信速度は、動画や音楽をストリーミング再生するには厳しい数字です。画像が含まれるWEBページの表示や写真のアップロードも、かなりのストレスになることでしょう。データ通信そのものが普通になることはないものの、パケットを追加購入するか、パケットが補充される翌月になるまでは、その状態で耐えなければなりません。

もっとも、文字だけのメールやSNSのメッセージを送受信する程度であれば、128キロビット/秒でもそれほど負担にはなりません。Wi-Fi接続時は速度制限の影響を受けないため、月末までWi-Fiで耐えるという方法もあります。そうならないよう、パケットの残容量をチェックできるアプリを活用するなどして、計画的にスマートフォンを活用しましょう。

MVNO事業者によっては、パケットの残容量をチェックできるアプリを配布しているので、速度制限を受けないためにも活用しましょう