米オラクル オラクル・クラウド担当 シニア・バイスプレジデント スティ-ブ・ダヒーブ氏

日本オラクルは10月25日、カンファレンス「Oracle Cloud Days Tokyo 2016」の開催に伴い、今年9月に発表したIaaS(Infrastructure as a Service)を中心としたクラウド戦略に関する説明会を開催した。

説明は、クラウド戦略を指揮する米オラクル オラクル・クラウド担当 シニア・バイスプレジデント スティ-ブ・ダヒーブ氏が行った。同氏は初めに、同社のクラウドビジネスの強みについて「完全性、オープン、セキュアを網羅した形で、SaaS、PaaS、IaaSを提供していること。加えて、選択肢とイノベーションへの道筋も提供している」と語った。

ダヒーブ氏は、「Oracle Cloud Infrastructure」を構成している要素として「ネットワーク」「コンピュート」「ストレージ」を挙げた。今年9月に発表されたコンピュートのラインアップは、「Oracle Bare Metal Cloud Services」「Oracle Container Cloud Service」「Oracle Ravello Cloud Service」。

「Oracle Cloud Infrastructure」のコンピュート・オプションの選択肢

「Bare Metal」は仮想化されたネットワーク環境に置かれたベアメタルのクラウド・サーバを含み、データベースをサービスとして提供するほか、ネットワーク・ブロック・ストレージやオブジェクト・ストレージ、VPN接続も提供する。

「Oracle Ravello Cloud Service」は、仮想環境であるVMwareやKVM(Kernel-based Virtual Machine)のワークロードを取り込んで、パブリック・クラウド上で実行できるようにしたサービス。ダヒーブ氏は「オンプレミスのVMwareと比べて、時間ベースの課金により最大40~60%のコストを削減できる」と、コストにおける優位性をアピールした。

また、ダヒーブ氏はアマゾン ウェブ サービス(AWS)に対する、価格とパフォーマンスにおいて勝っていることを訴えた。「クラウドに移行する際、AWSを利用すると、アプリの書き換えが発生し、われわれのサービスよりも多く支払わなければならないうえ、ロックインされる。AWSのサービスはAWSの環境でしか動かないが、われわれのクラウドサービスはAWSでもマイクロソフトのAzureでも動く」と同氏。

Oracle CloudとAWSの比較

さらに、ダヒーブ氏はクラウドに移行する道筋は企業によって異なり、同社が把握しているだけでも1000以上あると延べた。同社としては、SaaSから開始する場合、PaaSから開始する場合、IaaSから開始する場合、IaaSから開始する場合、インフラから開始する場合のいずれにおいてもサポートできるとした。

ダヒーブ氏は、既にAWSやマイクロソフトがシェアを獲得しているIaaSの市場に参入する理由について、「われわれの製品以外のワークロードをサポートするには、SaaS、PaaS、IaaSという3つのクラウドサービスが不可欠。また、プラットフォームのオープン性を担保するためにもIaaSが必要となる。日本の企業の場合、クラウドを導入するにあたり、初めにIaaSに移行することでハードウェアにかかっていたコストを削減したいというニーズも多い」と語った。