『アイドルマスター シンデレラガールズ』過去最大級のライブイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 4thLIVE TriCastle Story」さいたまスーパーアリーナ公演初日が2016年10月15日、埼玉・さいたまスーパーアリーナにて開催された。

今回のライブは「神戸公演」「SSA初日」「SSA2日目」それぞれを3つのお城に見たてた構成で、SSA初日のコンセプトは「Brand new Castle」。その名の通りフレッシュな顔ぶれで、一ノ瀬志希役の藍原ことみ、二宮飛鳥役の青木志貴、速水奏役の飯田友子、佐々木千枝役の今井麻夏、白坂小梅役の桜咲千依、藤本里奈役の金子真由美、高森藍子役の金子有希、相葉夕美役の木村珠莉、橘ありす役の佐藤亜美菜、中野有香役の下地紫野、堀裕子役の鈴木絵理、宮本フレデリカ役の髙野麻美、小早川紗枝役の立花理香、五十嵐響子役の種﨑敦美、松永涼役の千菅春香、上条春菜役の長島光那、向井拓海役の原優子、龍崎薫役の春瀬なつみ、佐久間まゆ役の牧野由依、大和亜季役の村中知、姫川友紀役の杜野まこ、大槻唯役の山下七海、塩見周子役のルゥティン、片桐早苗役の和氣あず未、さらにサプライズゲストとして輿水幸子役の竹達彩奈、市原仁奈役の久野美咲を加えた総勢26名が出演。アニメの中心になったシンデレラプロジェクト組は2日目にまわり、初日はシングル曲の持ち歌がまだないアイドルもかなり含まれる、全公演の中でもっとも予想不可能なライブとなった。

今回の出演者の半数以上が、4thライブが『シンデレラガールズ』初ライブ。それでも完全にさいたま初日が初ステージなのは6人だけ(サプライズは含まず)だったから、多くのアイドルがさいたまの前に神戸のステージを経験していた意味は大きい。とはいえ、会場のファンにとっては、初めて目にするアイドルもたくさんいるライブだったはずだ。それに対する回答が、キャラクターがカードでまとっている衣裳のイメージを再現したオーダーメイド衣裳だ。和氣演じる片桐早苗であれば警察の制服風、ルゥ演じる塩見周子なら涼やかな和装束といった感じで、大会場の遠方からでもそこで歌い踊っているのが誰なのか、キャラクターのビジュアルの力を借りてよくわかる。「Snow Wings」で色とりどりの衣裳を身にまとった個性がぎゅっと集まって歌っている姿は、これぞまさにシンデレラガールズという感じだった。

そして今日最大のサプライズは、鈴木、和氣、山下による「ミラクルテレパシー」のあとに待っていた(当日はソロ曲を3人ユニットで歌うパターンが結構あった)。サイキック要素満載なステージを終えた3人が身を寄せ合うようにステージを指し、何かが出てくるかのような仕草を見せる。するとステージに現れた小柄な影は、輿水幸子役の竹達彩奈! 会場の広さもあり最初はよく状況がつかめない人も多かったようだが、竹達が「To my darling...」を歌い出すと会場を「うぉぉぉぉぉぉ!」と驚きの叫びが広がっていく。歌い出しも"うぉぉ"、間奏も"うぉぉ"、竹達が小さく手を振ると"うぉぉ"。曲調にはややそぐわないものの、それぐらい竹達の登場は衝撃的だったし、ステージで歌い踊る彼女は妖精のようにキュートだった。「埼玉のプロデューサーがカワイイカワイイ僕に会いたがってるって言うから来てあげましたよ!」の声に会場は異常なテンションで応えていた。

もうひとつのサプライズが、32曲目の「ハイファイ☆デイズ」だ。小柄なメンバーが元気いっぱいに躍動する楽曲だが、そのセンターに立っていたのは市原仁奈役の久野美咲! その姿を知らなくても、久野が一声発すれば仁奈がそこにいることがすぐにわかる。「仁奈もさいたまスーパーアリーナにやってきたでごぜーますよ。たくさん愛してくだせー!」とたまらないキュートさを振りまいていたが、続いてソロの「みんなのきもち」を披露した久野が素で「仁奈として初めて歌ったんですけど…すごい楽しかったです」と緊張しながらつぶやいている姿の愛らしさにも大歓声が上がっていた。

ライブを見渡して感じたのは、本当に今日のライブはシンデレラステージ経験の多くない顔ぶればかりのステージだったのか? ということ。二宮飛鳥がそこにいる、以外の言葉が見つからない青木志貴や、ほとんどリアルアイドルといったビジュアルから唯そのものの甘いボーカルが飛び出してくる山下七海など、ビジュアルのレベルやキャラクター再現度が高すぎて、今後ハードルが上がってしまうのでは? と心配になるほどだ。一方、比較的シンデレラステージキャリアの長い組も、桜咲が圧倒的な世界観を見せつけたり、牧野と立花が待望されていたオリジナルメンバーによる「あいくるしい」をついに披露したり。去年の「シンデレラの舞踏会」以来の登場の佐藤が、本人とありすが経験を重ねたことが感じられる全く違う表現を見せたりと、印象的な場面が無数にあった。数え上げればキリがないが、アニメ『シンデレラガールズ』の中核になったメンバー抜きでもこれだけ素晴らしく鮮烈なステージを見せられるほど、キャスト全体のパフォーマンスのクオリティが底上げされていることを感じた。

アンコールでは、11月28日に『シンデレラガールズ』が5周年を迎えることを記念した新曲「EVER MORE」が披露された。待望のソロCDシリーズ「CINDERELLA M@STER」の新弾(46~48)リリース決定や、第5回シンデレラガール総選挙上位アイドルによるシングルCD「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Take me☆Take you」が11月16日にリリースされること、サイコミで「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」連載のスタートなど、多くの新発表も行われた。その前途を楽しみにしつつ、新しい波が見せた素晴らしいパフォーマンスに、明日の「346 Castle」に出演する先輩たちがどう応えるのかにも期待したい。恒例の締めのアイマスコールを、シンデレラライブ最古参の桜咲が「これからもアイマスですよ~」と、なんともふんわり担当していたのもまた、今日ならではのラストだった。

「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 4thLIVE TriCastle Story」さいたまスーパーアリーナ公演初日 - セットリスト

M-01 : BEYOND THE STARLIGHT / THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
M-02 : M08:Snow Wings / THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
M-03 : Flip Flop / 金子有希、鈴木、杜野、山下、和氣
M-04 : 恋のHamburg♪ / 種﨑
M-05 : 青の一番星 / ルゥ、立花
M-06 : 共鳴世界の存在論 / 青木志貴
M-07 : き・ま・ぐ・れ☆Cafe au lait! / 髙野、鈴木、種﨑、村中、和氣
M-08 : エヴリデイドリーム / 牧野、下地、長島
M-09 : Bloody Festa / 桜咲
M-10 : お散歩カメラ / 金子有希、今井麻夏、春瀬
M-11 : lilac time / 木村
M-12 : 明日また会えるよね / 藍原、金子真由美、下地、髙野、立花、種﨑、牧野
M-13 : Radio Happy / 山下
M-14 : 気持ちいいよね 一等賞! / 杜野、木村、髙野、種﨑、原優子、牧野
M-15 : Can't stop!! / 和氣、飯田、金子有希、鈴木、立花、千菅、山下
M-16 : きみにいっぱい☆ / 金子有希、木村、鈴木、原優子、春瀬、杜野、山下、和氣
M-17 : 恋色エナジー / 下地
M-18 : 花簪 HANAKANZASHI / 立花、種﨑、牧野
M-19 : 秘密のトワレ / 藍原
M-20 : 咲いてJewel / 青木志貴、飯田、今井麻夏、桜咲、佐藤、千菅、長島、村中、ルゥ
M-21 : ミラクルテレパシー / 鈴木、山下、和氣
M-22 : To my darling... / 竹達
M-23 : Near to You (Long Intro Ver.) / THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
M-24 : Absolute NIne (Long Intro Ver.) / 藍原、木村、原優子、ルゥ
M-25 : Dance ShowCase - Hotel Moonside / 飯田、青木志貴、千菅
M-26 : in fact / 佐藤
M-27 : あいくるしい / 立花、牧野
M-28 : 生存本能ヴァルキュリア / 今井麻夏、金子真由美、金子有希、木村、佐藤、千菅、長島、原優子、春瀬、村中
M-29 : Lunatic Show / 桜咲、金子真由美、村中
M-30 : Tulip / 藍原、飯田、髙野、ルゥ
M-31 : 純情midnight伝説 (Long Intro Ver.) / 金子真由美、千菅、原優子、村中
M-32 : ハイファイ☆デイズ (Long Intro Ver.) / 今井麻夏、春瀬、久野
M-33 : みんなのきもち (Long Intro Ver.) / 久野、藍原、青木志貴、今井麻夏、桜咲、金子真由美、佐藤、下地、長島、春瀬、杜野、ルゥ
M-34 : GOIN'!!! / THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
【アンコール】
EC-01 : EVER MORE(完全新曲) / THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
EC-02 : お願い!シンデレラ / THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.