画像と本文は関係ありません

家の中で最も落ち着くことができるソファスペース。猫もソファが好きですが、少し目的が違うようです。猫にとってソファは格好の爪とぎ場所になります。良いソファの条件は、ことごとく猫の爪とぎ素材としての条件と一致しているので仕方がないのかもしれません。今回は、すぐにできる爪とぎ対策と、爪とぎをされにくいソファについて解説します。

なぜ良いソファなほど爪とぎの対象とされるのか

猫に爪をとがれるのは、良いソファの証とも言えます。まず重みがあり、ガリガリ爪をといでも安定感があるもの。そして良いソファには柔軟性の高い木材が使われてることが多いです。これも爪がかけやすいので、猫に好まれてしまいます。

まずは今の爪とぎ場所の見直しを

ソファで爪とぎをするということは、今の爪とぎ場所に比べ、ソファの方がとぎ心地が良いということです。まずは今の爪とぎ場所が以下の条件を満たしているかどうかをチェックしましょう。

(1)安定感があり、激しくといでも動かない
(2)高さが十分にあり、猫が伸びた状態でとげる(特に大きな猫)
(3)立てかけるものだけでなく、床に置くタイプも設置している

どれかの条件を満たしていない場合は、猫が爪とぎに満足していない可能性があるので、対応してあげると良いでしょう。

ソファのとぎ心地を下げる

爪とぎのとぎ心地を上げてあげたらば、今度はソファのとぎ心地を下げる必要があります。オススメはソファカバーです。

ソファカバーをかけると簡単に守ることができるのと、とごうとしてもカバーが動くのでうまくできません。ソファの脚でといでしまう場合は、ソファの近くに観葉植物などのオブジェを置いてスペースを埋めるととぎづらくなります。

また、自宅にいるときはソファでといだときに霧吹きで水をかける、すぐに降ろすなど、猫にとって好ましくない対応をすると学習してとがなくなることがあります。

猫に爪とぎされにくいソファ選び

私も、病院の待合室用のソファを選ぶときに、どのようなソファであれば猫がいても長く使えるか考えました。飼い主さんの好みと兼ね合いがあると思いますので、全ての条件を採用するのは難しいと思いますが、各ポイントについて解説します。

1、メタルフレーム

まず脚に木材が使われていないメタルフレームのものが良いでしょう。脚の部分でとがれる心配がなくなります。フレーム部分は簡単に交換できませんので、愛猫家が長く使うにはメタルの方が向いているでしょう。

2、縦の面が少ないソファ

縦の面が少ないソファもオススメです。

サイドの部分、肘掛けの部分にクッションが貼ってあると、格好の爪とぎ場になります。また、脚がないタイプのソファの場合、座面から床までのクッション部分が爪とぎ場になりやすいので注意が必要です。

そして、設置の際はソファの背面は壁につけてしまった方が良いです。猫は縦の面を狙いますので、できるだけ垂直方向の面の部分を減らしましょう。

3、生地は人工の方が強い

人工の生地が使用されたソファを選ぶと良いでしょう。

人工生地は人工生地でも、できればひっかりの少ない生地がオススメです。人工スエードは耐久性にも優れ、ひっかかりにくいので爪を切っておけば簡単には傷つきません。メーカーによっては猫の爪とぎに強い素材を売り出しているものもあります。

4、とがれた場合を想定して

とがれた場合を想定してクッション交換可能なソファを選ぶと良いでしょう。

1枚のカバーで覆われているものではなく、クッションが取り外し可能なものの方が一部を駄目にされたときに交換が楽です。座席数ごとにクッションが交換できるものが良いですね。

まとめ

良質なソファであるほど猫は好んで爪をとぎます。

私は迷った末、あまり爪とぎ対策は重視せず木製の脚の人工スエードのソファを選びました。早くもほつれている部分がありますが、私自身が「相手は猫だし、とがれても仕方がない」というスタンスなのであまり気にしていません。

■著者プロフィール
山本宗伸

獣医師。猫の病院 Syu Syu CAT Clinic で副院長を務めた後、マンハッタン猫専門病院でと修を積み帰国。現在は猫専門動物病院 Tokyo Cat Specialistsの院長を務めている。ブログ nekopeidaも毎月更新中。