声優の巽悠衣子・大橋彩香がパーソナリティーを務めるラジオ番組「あどりぶ」と洲崎綾・西明日香のラジオ番組「洲崎西」の合同イベントが5月22日、中野サンプラザにて行われた。今回はパーソナリティーふたりの絆が垣間見えた昼の部「あどりぶグランプリ2016」の模様をレポートする。

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左から巽悠衣子、大橋彩香

「あどりぶグランプリ」は2度目の開催

そもそも「あどりぶ」とは、2013年よりスタートした「世の中にあふれる「無茶ぶり」という敵に立ちむかうべく、私たち2人がどんなことにでも前向きに、且つ、心を折らずにアドリブで挑戦していく」をコンセプトにしたラジオ番組。毎週土曜の25時から放送しており、リスナーから募集したお題を即興で答えていく「やろ、やっちゃお!」、スタッフもしくはリスナーが作成した要所要所のセリフが抜けている脚本を元に、アドリブ即興劇を繰り広げる「土曜あどりぶシアター」など、さまざまな企画に挑戦している。本イベント「あどりぶグランプリ」という冠が付くイベントは「あどりぶグランプリ2015」として2015年2月22日に行われており、今回が2回めとなる。

イベントがスタートすると、パーソナリティーの巽と大橋が、ラジオ番組の雰囲気そのままにゆるく登場。それぞれイベントへの意気込みを答えつつも、会場に集まった観客に向けて「おもしろくなくても笑ってください。そうしないとモチベーションが保てないので」と発言し、イベントはスタート。

挨拶を終え、最初に行われたのは、前回のイベント「あどりぶグランプリ2015」が行われた2015年2月~現在までの番組トピックスについて振り返る「あどりぶテーマトーク」のコーナー。シーサイド・コミュニケーションズの各番組が出演する「SEASIDE SUMMER FESTIVAL 2015」で、DVDの一企画が始動するほどの反響があった巽の名言「無償の愛」が生まれたこと、2016年4月に発売した「あどりぶDJCD vol.4」にて、大橋の大好物・パスタが有名な町の高崎でロケを行ったことなど、様々な出来事が発表されるなか、特に印象的だったのは、2015年8月に発売した「あどりぶDJCD vol.2&3」の話題について。

「大阪でのツッコミ修行ロケ」と位置付けられていた本DJCDの収録以降、大阪と聞くと「ツッコミをしなきゃいけないのか」という思いになるとの大橋の発言からロケの過酷さがうかがえた。そして、本イベントでもDJCDで磨かれたツッコミ力が衰えていないか確かめる、「ツッコミ大喜利」をすることに。それぞれ2つのお題についてツッコミを披露するなか、巽・大橋がお互いの答えをそれぞれフォローし合って励まし合う姿が見受けられた。この行為について、巽は「番組開始当初、お互いだけは褒め合ってテンションあげていこうという約束をした」というエピソードを吐露するも、大橋は、覚えていないと一蹴。以前、大橋は巽のいいところを「よく褒めてくれるところ」と答えていたが、これは巽が「お互いを褒める」という約束を健気に守り続ける、純粋な人物だったからかもしれないと、ふと感じさせるワンシーンであった。

合同イベントならではの企画で洲崎西が登場

「あどりぶテーマトーク」に続いては、合同イベントならではの企画「洲崎西クイズ」が行われた。ここで、「洲崎西」のパーソナリティーである洲崎と西が登場。西が得意とする大橋のモノマネ「へごマネ」を披露して会場を沸かせるなか、早速「洲崎西」に関する問題が出題された。ひとつめに出題されたのは、『第113回の「洲崎西」の放送で、「SEASIDE SUMMER FESTIVAL 2015」の感想トークで洲崎西にとってイベントは何の日と言っていたでしょうか?』という問題。巽がいろいろなものを吸収する日という意味から「マシュマロの日」と回答すると、そこからそれぞれの胸の話へと急展開。ここで、胸が小さいことがラジオでもしばしば話題となる洲崎が、最近胸が大きくなって嬉しいから鏡の前でポーズをとっている、と発言。一問目から、「洲崎西」の番組らしさがわかるやりとりが行われ、会場を笑いの渦に包んだ。

しかし一問目はタイムアップで、巽・大橋のふたりは結局、答えられず。答えはお互いがMCでよかったと相性のよさを感じる「愛を再確認する日」であった。続く「西が占い師から言われた恋人ができない理由とは?」「西の好きなおむすびの具は?」「第2回アニラジアワードで、最優秀女性ラジオパーソナリティー賞を受賞した際、受賞式でなんと言ったか?」という問題には、ヒントをもらいながらもかろうじて正解。全4問中3問正解という結果となった。

第2回あどりぶクイーン決定戦が開幕

「洲崎西」のクイズが終わると同時に洲崎・西のふたりは退場し、代わりにシーサイド・コミュニケーションズ代表の植木雄一郎氏が登場。本イベントのメインコーナーとなる「第2回あどりぶクイーン決定戦」が執り行われた。本コーナーは巽・大橋が3つの企画に挑戦し、アドリブ力を競い合うというもの。植木氏がふたりの回答にポイントを付けていき、ポイント数が多かったほうが勝利となる。勝利者にはその栄誉をたたえて、「あどりぶクイーン」の称号と何かしらの景品が与えられるのだが、すべてのお題をアドリブでこなすという、精神力が要求されるコーナーのため、巽・大橋は消極的な態度。また、第1回目に勝利した巽に授与された景品も30万円相当のTシャツ(在庫品と思われるもの)だったため、いまいちコーナーに乗り気でない様子であった。その様子を知ってか、司会の植木氏からは「今回は何が欲しい?」と聞かれ、大橋は「ふふふーんずカード」、巽は「換金ができる金(きん)」と答える一幕も。

果たして希望通りの景品がもらえるのかもらえないのか、曖昧な空気のまま本コーナーがスタートした。最初にふたりが挑戦した企画は、出されたお題に大喜利形式で答える「あどりぶ大喜利」。「『その質問いる?』と思ったアルバイト面接の質問とは?」というお題に対し、大橋は先ほどのTシャツ(在庫品と思われるもの)に紐づけて「当店の在庫はいくらぐらいだと思います?」と、身内をネタにした回答を披露。また、「魔法少女になって会場のみなさんをメロメロにしてしまうかわいい魔法をかけてください」というお題には、巽が「魔法少女ゆい、みーんなの女だよ」と、魔法少女らしからぬ回答で会場の笑いを誘った。

大喜利に続き2つ目に行われたのは、「土曜あどりぶシアター」のイベントバージョン「中野あどりぶシアター」。主にアドリブを行う主役と、物語を進める進行役に分かれて即興劇が行われた。最初は大橋が主役としてペットショップの店員、巽が進行役となるペットの購入を考えている人に扮して劇がスタート。「恐竜を扱っている」「ペットと恋愛が可能で、愛の言葉に反応する」などと大橋が回答をすることで、とんでもない設定のペットショップができあがっていくなか、最後のペットがほしくなるようなおまじないをかけるというアドリブでは、「ゆっこさんは私にペペロンチーノをたくさん作ってくれて……これからもよろしくお願いします」と、劇とは関係のない個人的な想いを込めたおまじないを唱えていた。

続いては、巽が主役となりコンセプトカフェの店員、大橋が客となって即興劇が行われた。気持ちも体もやわらかくなる、「やわらかいカフェ」というコンセプトの店として話が進んでいくなか、へご太郎(大橋が演じた客の名前)の友達として、植木氏と構成作家のテム・システム氏が登場し、3人がカフェのメニューを注文するという展開へ。そこで植木氏が、「温かいラブコーラをお願いします」と巽に無茶ぶり。巽は注文された品だけを置いて何もせずに立ち位置に戻る演技をするも、大橋が「他のコンセプトカフェでは何かしらのパフォーマンスをする」と声をかけ、それを阻止。巽はしぶしぶながらも、植木氏を道連れにして「ラブコーラをおいしくする呪文」を唱えた。さらに、植木氏の「テム殿も頼む?」という一言から、今度はテム氏を巻き込んだ展開へと発展。テム氏の耳元で「いちごパフェ」とささやくサービスをアドリブで披露した巽には会場から歓声と拍手が送られ、エチュード終了後、植木氏からも「巽さん、パないっすね……」と称賛されていた。

2代目あどりぶクイーンに輝いたのは……!?

本コーナーの最後には、モノボケ、サイレント、一発ギャグ、モノマネの4つのジャンルから3つを選び、制限時間内にデシベル計で測定した基準値のクリアを目指す「あどモネア」が行われた。モノボケでムチのようなものを使って巽が自爆、対する大橋は植木氏や西が「へごマネ」をするときのモノマネなどを行い、基準値を見事にクリアした。

3つの企画すべてが終わり、「第2回あどりぶクイーン」の称号を手にしたのは、「いちごパフェ」のささやきで高得点を稼いだ巽。見事クイーンの座を防衛した巽は、イベント中はあれほどネガティブな反応だったにも関わらず「なんだかんだちょっと嬉しい」と口にしていた。

イベントの最後には巽・大橋それぞれが挨拶。巽は「アドリブをするのは大変だけど、へごちんと一緒だから楽しく舞台に立てる」と、コメント。以前にラジオで共演していなかったらまず関わっていないと思う、と言っていた巽からその言葉が出たことに、ふたりの絆は本当に深まっているのだと感じつつ、イベントの幕は閉じた。

なお、イベントでは、「巽悠衣子と行くニコニコ慰安旅行」の第2弾「巽悠衣子“ウルトラハッピーツアー ~○○声優への道~”」の制作、7月よりニコニコ動画にて巽のソロ動画番組が始まること、9月17日に巽の生誕祭イベントが「科学技術館 サイエンスホール」で行われることが発表された。詳細は追ってシーサイド・コミュニケーションズの公式サイトで公開される予定。