日産自動車(日産)は5月25日よりパシフィコ横浜にて開催されている「人とくるまのテクノロジー展2016 横浜(主催:公益社団法人 自動車技術会)」において、電気乗車(EV)リーフを中心としたブースを出展している。
EV普及の大きなカギを握ると考えられているのが航続距離だ。2015年11月に発表した新型リーフではフル充電で280kmの航続距離を実現した。
これを可能としたのが、24kWhから30kWhに高容量化したリチウムイオンバッテリー。正極の電極材料を見直し、リチウムイオンを高密度に蓄えられる層状構造を採用したほか、材料組成を最適化したことで安全性を損なうことなく約20%の容量向上を実現した。
電極材料の材料の変更によって、バッテリー内部の抵抗も減少。最大電流での充電時間が延長され、急速充電では24kWhバッテリーと同様に約30分でバッテリーの80%まで充電可能となっている。
また、モジュールを統合したことで体積あたりの容量が向上し、バッテリーパックの外形サイズを24kWhバッテリーと同サイズに収めており、車内空間を犠牲にすることなく、高容量化を達成している。
同ブースでは60kWhバッテリーが参考出品されており、さらなる航続距離の延長が期待される。
自動運転に関する展示も
日産は2020年までに欧州、米国、日本、中国向けの複数車種に自動運転技術を搭載するとしており、同ブースでは自動運転技術に向けた取り組みも紹介している。
同社は2020年までに3段階に分けて主要車種に自動運転技術を投入する予定。具体的には、2016年末までに混雑した高速道路上の単一レーンで安全な自動運転を可能にする技術を、2018年には高速道路上の複数レーンで危険回避や車線変更を自動で行う技術を、2020年には交差点を含む一般道でドライバーの操作介入なしに走行できる技術を導入するとしている。