今年のニコニコ超会議2016では、昨年の「超ロボットエリア」のような特設ブースは無かったのだが、会場内でいくつかロボットを見ることができた。本レポートでは、「NTT超未来大博覧会2016」「超踊ってみた」「超コスプレエリア」で活躍していたロボットについて紹介したい。

ロボットがボケる!

NTT超未来大博覧会2016ブースで見ることができたのは、7台のロボットによる「大喜利」ならぬ「大機利」。司会の「OHaNAS(オハナス)」がお題を出し、回答者である5台の「Sota(ソータ)」がボケる。さらに「PALRO(パルロ)」は座布団係(?)と、なかなか賑やかな構成になっていた。

NTT超未来大博覧会2016の「ロボット大機利」

ロボット同士が会話しているように見えるが、周囲の騒音が大きい会場内で音声認識は難しいため、やりとりは音声ではなく、ネットワーク経由で行われている。種類が違う複数のロボットの連携には、NTTのクラウド対応型インタラクション制御技術「R-env:連舞」が活用されているという。

メーカーがバラバラな3種類のロボットが登場

ロボット大機利では3つの技術が連携

そのほか、対話には同社の知的メディア相乗化技術「SMILE」や、NTTドコモの自然対話プラットフォームも組み合わされている。NTTグループの技術を結集した渾身の「ボケ」というわけだ。

5台のSotaのうち、4台はシナリオで動いており、最後に回答する1台(名前は「AI吉」)のみ、搭載したAIで考えてボケているとのこと。ただ、筆者が見ていた2~3回でのボケはやや微妙だった気もするが……それは今後の改善を期待したい。

AI吉はステータスが画面で表示されていた

ロボットが踊る!

今年の超踊ってみたブースは「Supported by ACUO」ということで、ロッテのガム「ACUO」のCMでお馴染みの「トーリロボ」が全面出演。無料配布していたACUOで来場者がトーリロボの息チェック機能を試すことができたほか、ステージでは今回のために特別に開発したダンスも披露された。

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超踊ってみたブースのステージ

トーリロボはミントの香りを検出できる

圧巻だったのは、アイドルや声優のライブでファンが踊る、いわゆる"ヲタ芸"。筆者はトーリロボを製作した「ロボットゆうえんち」のメンバーでもあるため、トーリロボはわりと見慣れているのだが、今回初披露だったヲタ芸には驚いた(筆者も初めて見た)。両足裏を固定していたとはいえ、よくここまで再現できたものだ。

トーリロボによるキレッキレのヲタ芸

このダンスは、初日の「超ヲタ芸レッスン」のコーナーで披露されたもの。トーリロボのモーション開発を担当しているロボットゆうえんちのDr.GIY氏によると、ロボット専用のオリジナルダンスを作るのに比べ、人間の踊り手の動きを再現するのは手間がかかるため、このモーションの完成までに3日もかかったという。

ACUOのWEB限定ムービーのダンスも披露

ロボットが走……らない

超コスプレエリアで見ることができたのは、アニメ作品『攻殻機動隊』に登場するロボット「タチコマ」の1/2スケールモデル。残念ながらまだ動くことはできず、セリフを喋るだけだったが、今後、コミュニケーションロボットとして活用することを目指しており、次の試作機では動くところを見ることができる……かも。

1/2スケールの「タチコマ」。4本の脚と2本の腕を持つ

今回出展されていたのは、意匠監修中の「外装検討モデル」。昨年12月の国際ロボット展に出展されていた1次試作機「Daniel 61」で技術的な実現性を検討しており、その成果を受けて開発した。このデザインでOKとなれば、今後、この外装にあわせ、中身の機構を再び開発することになる。

国際ロボット展に出展されていた1次試作機「Daniel 61」

このロボットの設計・開発・製造を担当しているのはkarakuri productsと海内工業。現在、ボディはABS製の部分が多く重いため、FRPに置き換えるなどして軽量化を進める。最終的に重量は80kgくらいになる予定だという。今後、商業施設での実証実験を行う計画で、具体的な話し合いも進んでいるそうだ。

まだ動かないものの、"あの声"でタチコマが喋る