実店舗でもオンラインショップでもシームレスな買い物が行えるオムにチャネル化が進む中、いかにLTV(Life Time Value)を最大化するかが課題になっている。それに対して、デジミホが持つ「R∞(アールエイト)」と、バリューコマースの提供する「PAS+(パスタス)」を組み合わせることで、ECとリアル店舗の顧客動向を明確にし、より効果の高いオムニチャネルマーケティングを可能にするパッケージが登場した。

デジミホ 代表取締役の加來幹久氏

「オンラインでもオフラインでも1人あたりの購買単価はほとんど同じです。しかし、両方を利用するロイヤルカスタマーは約4倍使っていたりするのです。これまではECと店舗でそれぞれ管理をしていて名寄せができていないので、そういうことがわかりませんでした。オムニチャネルに取り組み、LTVで見るようになってはじめてわかったわけです。従来のCRM等に加えて、この4倍の層の人を集めて行くことがオムニチャネルの目的だと考えています」と語るのは、デジミホ 代表取締役の加來幹久氏だ。

4倍の層の人を集めて行くことがオムニチャネルの目的

必要なのは、ユーザー行動の分析

では、4倍のゾーンに人を集めていくためには、何をすればよいのか?

まず必要なのは、ユーザー行動の分析だ。すでにデジミホはユーザーの行動履歴等から購買意欲の高い人や離反しそうな人を割り出し、そのユーザーが今欲しいものを見つけ、適切なタイミングで誘導をかけることのできるパーソナルマーケティングプラットフォームであるR∞を活用してECサイトでの効率的なマーケティングを実現してきた。

「R∞は既存の顧客情報や売上データを集約して、ランクやセグメントの情報やコンディションを確認できます。データマーケティングによって、その人が欲しいと思っているタイミングでピンポイントな情報でコミュニケーションが可能になります。たとえば買い物をする時間に合わせた配信を行なうだけでコンバージョン率はかなり変わってきます。そういう基本的なことを積み上げて行くだけで、120%、130%と売上は上がって行きます。大きな効果を出したお客様だと、昨年比で200%まで伸びたという例もあります」と加來氏は語る。

こうした実績のあるR∞だが、以前からECのみを対象とするのではなく、オムニチャネルへの展開を検討していた。そのために必要なのは、リアル店舗におけるユーザー行動のデータだ。もちろん、それはオンライン上のユーザーと紐付いたものでなくてはならない。R∞にはオフラインのリアル店舗からフィードされてくるデータを利用する機能はあったが、それをどこから取得するかが問題だったがPAS+と連携させることで課題が解決された。

「連携によって来店・継続来店の促進、店舗ユーザーをECユーザー化することの促進、新製品・セールス情報およびイベント情報の有効な訴求、WEB施策の実店舗への集客効果の見える化、施策ごとの実店舗での売上貢献度の見える化といったことが可能になります」と加來氏はオムニチャネルマーケティングの実現に大きく貢献できる連携であることを語った。