【レポート】

クラウド活用による売上アップのポイントとは? 農家・弁護士・地方創生における活用事例

2 弁護士のクラウド活用方法

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次に、ファースト法律事務所の代表弁護士である藤井総氏の事例を紹介しよう。藤井氏は、業務の中にクラウドサービスを取り入れることで、大幅な業務の効率化を実現。「IT弁護士」として活動し、現在、顧問契約を結んでいる企業の95%以上がIT企業・IT関連機関となっており、顧問企業数10社未満が全体の約8割を占めると言われている弁護士業界において、約60社を担当している。

藤井氏が利用しているクラウドサービスが、以下の6つのサービスだ。

  • Chatwork(ビジネスチャットツール)
  • CloudSign(クラウド契約)
  • MFクラウド会計(会計)
  • MFクラウド請求書(請求管理)
  • Evernote(ドキュメント管理)
  • Google Apps(クラウド型グループウェア)

――クラウドサービスを使い始めたきっかけは?

ファースト法律事務所 代表弁護士 藤井総氏

藤井氏: 弁護士とクライアントとのコミュニケーションの課題を解決するためです。弁護士とクライアントとのコミュニケーションというと、事務所で面談するか、事務所の固定電話で電話をするか、事務所のパソコンでメールを送るか。つまり、コミュニケーションのベースが事務所となります。

こうなると、気軽に事務所に連絡できなかったり、連絡しても事務所にいなかったら連絡がつかない、連絡してもアポが取れないといった状況となります。また、アポがとれても相談しに行くのに移動のコストがかかります。

さらに、コミュニケーションは口頭ベースが多いため、弁護士が話す小難しい専門用語はわかりにくく、成果物がないため、相談しにきた人が社内で情報共有しようと思ってもできません。「言った」「言わない」の争いになることもあり、これではクライアントは満足できません。

こうした課題を解決するために、なるべくメールで残るようにしていましたが、打つのに時間がかかり、Facebookのメッセンジャーだと、プライベートツールを仕事で使うことに抵抗感がありました。

ある時にビジネスチャットツールがあることを知り、それが「Chatwork」でした。「Chatwork」はLINEをビジネスで使うようなサービスで、チャットベースで仕事ができるため、迅速に対応することができます。

まず1社のお客さんに「Chatwork」を導入してもらったところうまくいったため、その後全てのお客さんに導入してもらい、以後の連絡は全て「Chatwork」で行っています。そうしたら、ものすごくコミュニケーションが楽になり、業務効率も上がり、顧客満足度も高くなりました。

「ITツールはこんなに働き方を変えるのか!」と思い、ほかにもどんどん面倒な仕事をIT化できないかと、EvernoteやMFクラウド、CloudSignなど使うサービスを増やしていったところ、ほぼ全ての仕事がオンラインで解決するようになりました。

――クラウドサービスを使って、どのように運用しているのでしょうか?

藤井氏: 「Chatwork」でチャットグループをクライアント単位でつくっています。クライアントからの相談は全て、チャットのグループ内で受け付けます。

毎月の顧問料に関しては、「MFクラウド請求書」を使ってメールで請求書を送り、会計は「MFクラウド会計」で、銀行とオンラインでつながっているため、振込があったら仕訳されるようになっています。「MFクラウド請求書」と「MFクラウド会計」が連動しているので、請求書が自動で作成、送付されると、会計の方で仕訳が立って、入金があると消し込みされます。こうして、請求から入金確認までの一連が、ほぼ自動化されています。

自分自身のスケジュール管理については、「Google Apps」のカレンダーを使い、ファイルの保存は「Google ドライブ」に。日々の勉強の成果や資料は、「Evernote」に入れてストックして整理しています。

新しい顧問先と契約を結ぶ時は「CloudSign」を使っています。

――クラウドサービスを導入した効果は?

藤井氏: 2012年6月に「Chatwork」を導入してから、3年で顧問先は10倍になりました。2010年に日弁連が発表した弁護士実勢調査によると、顧問先が0社の弁護士は45%、1~9社の弁護士は36%で、約8割の弁護士は顧問先が9社未満となっています。その中で、約60社の顧問先を獲得できたのは、まさにITツールの活用の成果と言えます。

弁護士の仕事は労働集約型で、稼働した分が売上につながります。労働集約型ビジネスにおいて売上を上げるには3つの方法があります。1つめは、稼働時間を増やすこと。2つめは、業務効率を上げること。3つめは、単価を上げること。この3つをどう組み合わせて売上を上げるかが、労働集約型ビジネスのポイントとなります。ITを使うと、この3つ全てにおいて効果があります。

稼働時間については、オンラインでつながっていればいつでもどこでも仕事ができるので、電車に乗って訪問するという時間がなくなります。そうなると、一日のうちで働く時間をのばすことができます。

業務効率についても、「MFクラウド請求書」などが自動で請求書の処理をしてくれるので、本業以外の仕事をする必要がありません。

単価については、アポが取れず、1時間かけて相談しに行くものを、チャットですぐに相談でき、すぐに答えがもらえるとなると、それ自体が価値となります。ITを活用してスピードが上がり、コミュニケーションレベルが上がれば、クライアントの満足度が高まります。その結果、高い単価であっても、クライアントから選んでもらえるようになります。

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インデックス

目次
(1) 農業におけるクラウド活用
(2) 弁護士のクラウド活用方法
(3) クラウドがもたらす地方創生の効果は?


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