「SNSはリアルの補完ツールです。SNSはリアルの生活を充実させるために使い、SNSに使われないこと」

携帯電話やスマートフォンの所持開始年齢が低下し、それと共にネットにまつわる被害やトラブルも低年齢化している。子どもに通信機器を持たせる際、保護者としてどのようなことが伝えられるのか。5回にわたってお伝えする保護者が伝えたい子どもと交わすべき約束事の第4回目は、「SNSはリアルの補完ツールです。SNSはリアルの生活を充実させるために使い、SNSに使われないこと」。

高校生の4人に1人が1日3時間以上SNSを利用

「平成26年度 インターネット・携帯電話利用に関する実態調査報告書」(東京都教育委員会)によると、SNSを1日3時間以上利用する子どもは、小学生で12.0%、中学生では19.3%、高校生では26.7%いる。高校生では、何と4人に1人が1日3時間以上SNSを利用しているのだ。さらに、SNSを午後10時以降も利用している子どもは、小学生で8.3%、中学生で26.8%おり、高校生では40.0%にのぼる。

最近の小中学生の多くは、「LINEがやりたいからスマホを買って」と言ってスマホをねだる。SNSは低年齢の子どもたちにも深く浸透しているのだ。

SNSはリアルの補完ツール

LINEでは、トークと呼ばれるメッセージがくるとプッシュ通知がくる。その上、受け手がトークを開くと「既読」と表示されるため、見たことが相手に分かってしまう。そこで、返事をせずに嫌われることを恐れて返事を繰り返してしまうのだ。その結果、やめどきが分からずに深夜1時、2時までLINEをして、寝不足の子どもが出てきてしまうというわけだ。

しかし、SNSはがんばってやるものではない。SNSはリアルの補完ツールにすぎないのだ。あくまでリアルの生活を充実させるために使い、SNSに使われないことが大切だ。LINEの場合は、友だちと「夜9時まで」などと決めて使わせるといいだろう。

SNSに限らず、ゲームや動画視聴などでスマホを利用しすぎると実生活が犠牲になってしまう。スマホはあくまで気分転換のために休み時間に使い、使いすぎないようにしよう。 利用し始める前に、「スマホにはまりすぎて成績が下がったり、周りの人と会話ができなくなったりしたら没収」などと子どもとルールを決めておくといいかもしれない。

※写真と本文は関係ありません