中国・福建省出身の林 錦峰(りん きんほう)さんは今年で在日生活9年目に突入するサラリーマン。今年4月から大手飲食企業で正社員として働いています。現在は飲食店「いろはにほへと 阿佐ヶ谷店」で勤務しながら、中国語で中国人アルバイトさんを教育するなど、忙しい毎日。日本のおもてなしに感動しながら、それを「いつか海外にも伝えたい!」と日々奮闘しています。

林錦峰(りんきんほう)さん/日本在住/中国出身/26歳/飲食店勤務

■これまでのキャリアの経緯を教えてください

来日したのは21歳の時。日本には語学留学で来ました。最初は九州の日本語学校で日本語を学び、その後は日本の大学に進学して経済やマーケティングを学びました。昔から「将来は自分で飲食店をやりたい!」という夢があったので、学生時代はずっと居酒屋でアルバイトをして、いろんなことを吸収しました。日本の飲食店の接客は本当に素晴らしいと思います。丁寧で、ひとりひとりに優しい。

僕がいまの会社を選んだ理由は、会社の企業理念が好きだったから。CO=勇気(Courage)、LO=愛(LOVE)、WI=知恵(Wisdom)、DE=決断(Decision)が気に入ったんです。実際にお店でアルバイトをしてみて、日本を代表する大手の飲食企業なのに、従業員を大事にしている会社だと思いました。このままこの会社に就職して、この会社の海外進出に貢献できるような人間に成長したいです。

■現在のお給料について教えてください

バイト時代よりは当然上がったので満足しています。初めて給与明細書を見た時は本当にうれしくて感動しましたね。初めての給料だから、若干、手が震えました(笑)。初任給をもらって、今まで育ててくれた親に感謝の品物をプレゼントしました。社会人としての決意を込め、自分へのプレゼントも買いました。そして、5,000円でも1万円でも良いのでしっかり貯蓄しようと思いました。

■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?

1日に何回もお客様に「ありがとう」と言ってもらえて、自分も「ありがとう」を言えるところが気に入っています。「ごちそうさま!」「美味しかったよ!」「また来るね」と言ってもらえると嬉しいですね。自分の耳はつくづく幸せだと思います(笑)。あとは、アルバイトの子達が笑顔で出勤してくれる時。友達や知り合いまで自分に会いにお店に来てくれて、店を気に入ってリピーターになってくれる時など。小さなことが楽しいし、「生きている!」という感じがします。

会社でイベントに参加した時の様子。右上にいるのが林さん

■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?

不思議とあまり大変だと思ったことはありませんね。仕事で忙しい時間帯になると、調理だけでなく、食品の準備・片付け・電話対応・接客など、さまざまな仕事に追われたりしますが、それが心の底から「来てくださって、ありがとうございます!」と思えます。どんなに忙しくても笑顔で仕事がこなせました。すごいことだと思います。飲食業は自分に向いているのかも。

■日本人のイメージは? あるいは理解しがたいところなどありますか?

日本人はなぜ仕事がそんなに好きなのか。日常生活やプライベートな時間がほとんどないようです(笑)。

■あなたの「マストビジネスアイテム」を教えてください。

仕事ではチームワークが必要です。チームワークがないとみんながまとまらないし、物事が上手くいかなくなるからです。

月1回、社内で親睦会をやりますがそれがすごく楽しいです。毎回15名前後集まって自社の飲食店へ視察に行くのですが、同期仲間がすごく仲良くて。以前はみんなでビール工場見学にも行きました。チリ人やタイ人など、同じ外国人スタッフとも交流があります。彼らは僕みたいに若くしてひとりで外国に来た人ばかり。だからバイタリティ溢れているし、ハングリー精神が旺盛。そしてみんな日本が大好き。いい刺激をくれて、すごくいい仲間を得られたと満足しています。

■休みのとりかたは?

ジムで走ったり、読書をします。あとは、映画を観たり、美味しいものを食べます。

■将来の仕事や生活の展望は?

まずは、日本で統括マネージャーとなり、複数店舗の管理責任者になりたい。そして、日本で結果を残した後は、活躍の場を海外に広げたい。海外のニーズを日本企業に伝えて、海外進出の手助けをしていけたら……。現在、弊社は海外11カ国に約90店舗を展開していますが、もっと世界各国に出店できるように、まずは今の自分の実力をもっとつけたいです。